BOOKガイド

更新日:2026年04月01日

ページID: 62165

在る。SOGI支援医のカルテ

前川ほまれ/著 KADOKAWA 2025年

 

表紙面の世界に入り込み、読後には春の日差しに包まれるような気持になる物語です。舞台は精神科の単科病院の中に、ストレスケアを中心とするため独立して建設された第7病棟。病棟に向かう小道には植物が植えられ、院内は足音が響かないようカーペットが敷き詰められています。そこで働く人々、様々な病状を抱える患者たち。それぞれが苦しみの中で、大切な何かを見つけていく姿が描かれています。孤独な道のりに寄り添うSOGI支援医の海野彩乃先生。「性別不合」「性別不和」と呼ばれる人々を理解し、身体と心の健康を支えます。セクシャルマイノリティ自体に病理はありませんが、どれほどのストレスの中でいきていかなければならないのかを改めて思い知らされます。海野先生のさりげない言葉や行動が読む者の心まであたたかく包み、ここに「在る」に気づかされます。

 

仕事の壁はくぐるのだ

川島蓉子/著 ミシマ社 2025年

 

58歳まで企業で働き、その後もプロジェクトに関わり執筆を続けた著者。たくましく歩いてきた道のりを語りつつ、女性が働き続ける時に次々に現れる壁の乗り越え方を伝えます。男女雇用機会均等法が成立したころからの波に乗り、結婚して仕事を続けた第一号、子どもを産んだ第一号、管理職から役員になった第一号…その道のりに思わずため息が出ます。「私はこうしてほしい、なぜなら必要だから」と様々なかたちで伝えながら、双方の最善の心地よさはどこにあるのかを考え、目の前の壁をくぐったり、ずらしたり、かわしたりしながら道を拓いていきます。還暦を迎え「惑うのもまたよし」と呟きながら本書を脱稿した後、急逝されたそうです。この本を残してくださったことに感謝し、今闘っている多くの女性たちに届けたい本です。

「誰かのために」を手放して生きる

中道あん/著 三笠書房 2026年

 

「自分ばかりが頑張っている」と心のSOSを出しながら「家族のために」を第一にしているあなたへ。自分自身を大切にし、自由に生きる人生をスタートさせるヒントになる本です。

専業主婦から会社員を経て、ブロガー・起業家になった著者の経験から書かれた一冊です。

 

 

FtM トランスジェンダーのぼくのことを話そう
江里ユウキ/著 講談社 2025年

 

FtM(女性から男性へ)としての葛藤や手続き、周囲との関係性が飾らない言葉で綴られています。特に家族との向き合い方のエピソードは涙腺崩壊です。同じ悩みを持つ人には「一人じゃない」というエールに、そうでない人には、隣にいるかもしれない誰かの大切な物語として届いてほしい、そんな温かい一冊です。

 

 

 

 

相談するってむずかしい

青山ゆみこ/著 集英社 2025年

 

心身の不調をきっかけに、あえて“目的を持たない対話の場”を作った青山ゆみこと発達障害の生きづらさや日々の困りごとを語り合う場を続けてきた細川貂々。当事者研究の実践に身を置いてきた二人は「相談する」ことの奥深さと尊さに気付いていきます。語り、聞き、また語る、その積み重ねが、人とつながる力を静かに思い出させてくれる一冊です。

 

 

その人らしさ なくならない

恩蔵鞠子/作  大谷たらふ/絵 大泉書店 2025年

 

認知症の母を見つめる娘視点の優しい絵本です。少しづつできないことが増えていく母親の様子をほんわかした絵と文章で綴っています。記憶が薄れていっても、感情やその人らしさは残る。その気づきが読む人の胸に静かな灯りをともします。家族の絆と希望をそっと照らす物語で、大切な人の変化に向き合い読者に深く寄り添う一冊です。絵本の形をとりながらも、おとながじっくり味わいたい内容です。

 

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