BOOKガイド
更新日:2026年08月01日
コズミック・ガール 宙わたる教室
伊予原新/著 文藝春秋 2026年
すべては、一人の少女の夢から始まります。定時制高校に通う飯星佐那。なくなってしまった科学部を発足させようと部員集めに奔走し、全校生徒に呼びかけます。かつて学会の高校生セッションで優秀賞を取った、伝説の科学部。小学5年生だった佐那は彼らに憧れ、いつか自分もこの場所を作りたいと願っていたのです。佐那は日本屈指の進学校に進みながらも受験の重圧に苦しみ、友人の自死を経験し、図らずもこの定時制に辿り着きます。それぞれに事情を抱えた定時制の生徒たち。心身の不調、いじめ、家庭問題、学業のつまずき…。そんな仲間たちと奮闘するうちに、周りのおとなたちを巻き込み、さらなる思いも背負うことに。新生科学部の作った「ロケット」は、希望に向かって飛び出します。ドラマ化された「宙わたる教室」待望の続編です。
南緯69度のチーム南極地球観測隊
原田尚美/著 WAVE出版 2025年
裏表紙の美しい写真は“地球影”。著者の一番好きな夏の終わりの景色だそうです。南極という極限の地で、女性初の隊長となった著者が、いかに心を砕き任務を果たしていくのか、チームビルディングのスキルと共に時系列で書かれています。過酷な状況の中、業務を遂行していく姿は、まるで映画のよう。一歩間違えば命を落とすという危険な場所に、長期滞在しながら働く厳しさを思い知らされます。安全確保、信頼関係の構築、プロジェクトを成功に導くマネジメント術…それらがリーダーの視点で書かれています。女性というマイノリティの立場だからこそ、“アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)を乗り越えることで、困難にチャレンジしていけるチームを作れる”と気づけたと語ります。壮大なドキュメンタリーを味わってみてください。
子どもでいられなかったわたしたちへ
ヤングケアラー「その後」を生きる
高岡里依/著 子どもの未来社 2025年
ヤングケアラーという言葉がまだなかった時代、母の長い闘病生活を支え続けた著者が、その経験を振り返り、記した一冊です。「子どもでいること」を後回しにせざるを得なかった日々の重さとその後を生きる困難が、静かな筆致で綴られています。誰もが当事者になり得る問題です。その現実を考えるきっかけを与えてくれます。
10歳までに知っておきたい まんがでわかる!
子ども防犯性教育
高橋幸子・清永奈穂/監修 フルカワマモる/まんが作画 KADOKAWA 2025年
自分の身体のとくに大事な部分であるプライベートゾーン、赤ちゃんができる仕組み、男の子と女の子の体の変化、その時に保護者がすべき対応、防犯の基本、正しい自分の守り方などがわかりやすく書かれています。
親子でぜひ読んでほしい一冊です。
女の“変さ値”
鎌田實/著 潮出版社 2026年
テーマは「ガラスの天井を破る女性たち」。
自分らしく人生を切り拓いた10人の女性と鎌田さんの対談集です。
高校生の頃から国連で働くことを目指し、日本女性初の国連事務次長にまでなった中満泉さんとの対談など印象深いものばかりです。これからの人生をどう生きるかの大切なヒントが見つかるはず、と著者は伝えます。
自分も相手も尊重し、心理的安全性を高める
アサーティブ・コミュニケーション
森田汐生/監修 ナツメ社 2024年
コミュニケーションの基本が易しく具体的に示されている一冊です。見開きごとに1つのテーマがコンパクトに整理されていて、「自分も相手も大切する」という視点から語られています。平易な構成だからこそ、1テーマずつ立ち止まり、日常の場面に重ねてじっくり考えてみるのがお薦めです。ひとつひとつに丁寧に向き合うほど学びが深まります。
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