茨木市総合計画

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会議の名称	茨木市総合計画審議会第2専門部会（第2回）会議
開催日時	平成16年8月19日（木）午後5時30分開会　午後7時30分閉会
開催場所	茨木市福祉文化会館　202号室
出　席　者	【審議会委員】室﨑生子、赤﨑弘平、石井強、大島一夫、松本利明、土方正英、冨村貫、高本幸義、上村智子、田中祥嗣【参与】南助役、山本助役、北川水道事業管理者、松本企画財政部長、津田市民生活部長、池上環境部長、齊藤建設部長、廣重建設部理事、中島都市整備部長、横小路理事、河井消防長【策定委員】長尾謙吉
欠　席　者	北野義幸
事　務　局	刈谷企画調整課長、塩見課長代理、小西主査、阿曽主事、石井主事補　他
次　　　第	１）開会２）基本計画（案）第Ⅰ編第1章、第5章、第6章について（審議）３）その他４）閉会
配布資料	なし
傍聴者	0名

■議事の内容（一部は要旨）：（敬称略）

1）開会

刈谷課長　ただ今から、茨木市総合計画審議会第2専門部会を開会いたします。委員の皆さまには、ご多用のところご出席をいただきまして、誠にありがとうございます。それでは、早速ですが、赤﨑部会長に議長を務めていただき審議をお願いします。
赤﨑部会長（以下、部会長）　委員の皆さん、参与の皆さん、お忙しい中お集まりいただきありがとうございます。会議の前に、本日の委員の出欠状況を事務局から報告していただきます。よろしくお願いします。

刈谷課長　第2専門部会委員は総数11人です。ご出席の委員は10名です。ご欠席の委員は北野委員より連絡をいただいており1名です。過半数のご出席をいただいていますので、茨木市総合計画審議会運営規則第2条第6項により、会議は成立しています。

部会長　それでは、これより会議を開会いたします。会議は2時間程度を予定しております。よろしくご協力をお願いします。なお、審議会第１回会議において決定されたとおり、会議は公開としていますので、よろしくお願いします。

２）基本計画（案）第I編第2章、第3章、第4章及び第II編地域別構想について（審議）

部会長　続きまして、審議案件2番目の基本計画（案）第I編第2章、第3章、第4章および第II編地域別構想の説明と審議に入りたいと思います。前回は第I編2章と3章の審議をしましたが、終了しています。本日は29ページの4章と、63ページからの地域別構想の説明と審議に入りたいと思います。
　なお前回の部会で指摘のあった修正個所等については、事務局に検討依頼をしており、第3回目の部会でそれに対する応答があり、それを我々が審議する、ということになっていますのでご承知おきください。それでは今日は事務局からまず第I編第4章「活力あふれる生活躍動都市の実現」と第II編「地域別構想」の2つを一括して概要説明していただきます。事務局お願いします。

刈谷課長　それでは、29ページ「第4章　活力あふれる生活躍動都市の実現」について概要を説明いたします。
　ここでは、第1節に「活力のある産業振興のまちづくり」を掲げています。「（1）商工業の振興」から31ページの「（2）観光の振興」まで、2つの細節を施策の方向として提示しています。
　まず「（1）活力のある産業振興のまちづくり」については、1点目に、商業は市民にとってなくてはならないものであり、地域経済を支える重要なものですが、物やサービスに対する価値観の変化による消費者ニーズの多様化・個性化に加えて、業態間競争が一層活発化し、従来型の商店街や小売商業者の中には、その対応が遅れ、商店街の衰退・空洞化という問題が発生しています。
　2点目に、工業は市内の活気のある企業による躍動感の創出という面でも重要な生産活動と言えるものですが、近年、適地の減少やバブル経済破綻等、社会経済情勢が大きく変化し、事業所数・従業員数が減少してきていることにより、量的成長から質的発展への転換が求められています。これらのことから、目指すべき姿として、インターネット等を活用した商業のネットワーク化が図られ、効率的に必要な商品の提供を受けることができている状況、特色ある商業地が形成されている姿、また、大学・研究機関からの技術移転等、産学の活発な交流と企業の新分野への進出、技術力の向上が図られている姿、創業の促進により、市内の中小企業や地域経済への波及効果により活気があふれている姿を挙げています。
　この目指すべき姿を実現するための将来計画として、小売業の振興、卸売及び流通業務の振興、新たな企業活動の促進、地域との調和ある発展に努めることとしています。
　31ページの「（2）観光の振興」については、古くから産業、文化の栄えた茨木市の魅力を広く内外に紹介、ＰＲしていく必要があることから、目指すべき姿として、観光資源の魅力が広く内外に発信され、多くの来訪者を迎え人々の交流が生まれている姿、生産波及効果で商工業が盛んになり、まちが活性化している姿を描いています。
　将来計画として、観光資源の発掘と育成、誘客宣伝事業の強化、推進体制の整備に努めることとしています。
　「活力あふれる生活躍動都市の実現」の第2節として、32ページに、「地域特性を活かした農林業振興」を掲げています。ここでは、「（1）農林業の振興」を施策の方向として提示しています。
　「（1）農林業の振興」については、農業従事者の高齢化や後継者不足、輸入農産物の増加による農産物価格の低迷などにより、農業だけで生計を立てることは困難な状況にあることから、目指すべき姿として、営農条件が向上し優良農地が保全され、高度利用・省力化が進んでいる、農村生活水準が向上し、地域住民の定住化率が向上している、都市と農村の交流活動が盛んで、地産池消の農業振興が進んでいる、森林の多面的機能に応じた森林整備が進んでいる、などの姿を挙げています。
　将来計画として、農業生産基盤の整備、農村生活環境の整備、農業の振興、森林整備の推進に努めることとしています。
次に「活力あふれる生活躍動都市の実現」の第3節として、34ページですが「快適な生活・住環境の確保」を掲げています。ここでは、「（1）都市計画の推進」から40ページの「（5）都市の美化と環境衛生の推進」まで、5つの細節を施策の方向として提示しています。
　まず「（1）都市計画の推進」については、市として地域の個性と魅力づくりに大きな役割を果たす事業の計画的な推進に努めるとともに、市民の参加と協働によるまちづくりが求められていることから、目指すべき姿として、まちづくりが市民の参画を得て進められ、そのまちづくりを支える仕組みが整備されている姿などを描いています。
　将来計画として、広域的な都市整備と分権時代の都市計画、環境との調和の取れたまちづくり、地域特性を活かした個性と魅力あるまちづくり、参加と協働のまちづくりの推進、時代の変化に対応したまちづくりに努めることとしています。
　35ページの「（2）新しいまちづくり」については、平成16年春、まちびらきを迎えた彩都は、交通アクセス等、公共公益施設の整備を進め、住宅建設を促進するとともに、ライフサイエンス研究の新しい研究開発拠点である西部地区への企業誘致や国際的な文化・学術研究の新しい交流拠点である中部地区カルチャーパークのシンボルゾーンとしての形成が求められることから、目指すべき姿として、彩都のまちづくりが、市民の参画を得ながら計画的に進められ、西部・中部地区において、ライフサイエンスの国際拠点、文化・学術研究の新しい交流拠点が形成されている姿を挙げています。
　将来計画として、彩都の快適で良好な都市環境の形成、市域全体に活力を与え、市域の調和ある発展を目指した彩都のまちづくりの方向、大阪モノレール彩都線の延伸、ライフサイエンスパークの形成、カルチャーパークの形成に努めることとしています。
　37ページの「（3）道路・交通体系の確立」については、道路は人と人、人と物を結びつける根幹的な施設であり、都市内の主要な拠点を結ぶとともに、円滑な交通の流れを確保するためには、道路を中心とした交通体系の整備と充実が必要なことから、目指すべき姿として、自動車の利用と、人や自転車等の徐行交通との利用が区分され、双方に利用しやすい交通環境が整っており、また、都市計画道路茨木松ヶ本線の早期整備により市街地中心部の東西交通の混雑が解消されている姿を描いています。
　将来計画として、広域交通網の整備による連携・交流、市域交通網の整備、交通結節及び周辺の整備などに努めることとしています。
　次に39ページです。「（4）生活・住環境の整備」については、住宅は生活の拠点であり、家族団らん等、コミュニティを形成する場所であり、社会環境への変動に対応できる快適な住環境の整備が求められることから、目指すべき姿として、公的住宅における高齢者・障害者向けにバリアフリー化された住宅の割合が向上しており、地球環境と共生する建築物が増加している姿、細街路整備事業の推進を図り、良好な居住環境が創出されている姿などを挙げています。
　将来計画として、魅力ある居住環境の整備、住環境を守り育てる基盤づくりに努めることとしています。
　次に40ページです。「（5）都市の美化と環境衛生の推進」については、道路・河川等の公共の場所が、たばこや空き缶等のポイ捨て、屋外広告物の不法設置などで汚され、まちの美観が損なわれていることが社会問題となっていることから、目指すべき姿として、不法投棄物やごみのポイ捨て等のないまちの美観が保たれている姿、斎場施設の充実が図られている姿、犬や猫など、飼い主のモラルが高揚しているなどの姿を挙げています。
　将来計画として、環境美化等の推進、美化意識の向上、斎場の充実、人と動物が共生する社会づくりに努めることとしています。
　引き続きまして、63ページですが、「地域別構想」については、「現況と課題」、「将来計画」の2項目で構成し記述していますので、この2項目の要点をご説明いたします。
　まず、「1　北部地域」については、農産物生産、レクリエーション面から重要な地域であるとともに、ダム湖を活かした広域的な観光レクリエーション拠点の形成が期待される地域です。
　将来計画として、第二名神自動車道及び関連都市計画道路の整備、ダム建設による影響緩和と地域振興を図るための関連地域整備の推進、下水道整備の推進、誘客宣伝事業の整備、緑農ゾーンの整備、府立北摂自然公園の整備と活用の推進に努めることとしています。
次に65ページ「2　丘陵地域」については、豊かな自然と古代からの歴史文化や農業、そして国際文化公園都市彩都の新しいまちづくりが融合する地域であり、緑と歴史・文化が融合する躍動的なまちづくりを進める必要のある地域です。
　将来計画として、良好な環境の保全と快適な生活・住環境の確保、計画的な新市街地の形成と「まち」の維持管理、農業的土地利用と都市的土地利用の調和、農業生産基盤の整備、都市農村交流基盤の整備、公園及び緑地の整備に努めることとしています。
　次に66ページとなります。「3　中心地域」については、商業や行政サービスなど様々な場面での市民生活を支える機能が集積した中心市街地のほか、住宅地、工業流通業務地など多様な機能が立地する地域であり、地域の活性化につながる取り組み、交通結節点としての交通環境の向上、住宅地としての魅力の維持・増進が必要な地域です。
　将来計画として、中心市街地の活性化、鉄道駅周辺の整備、適正な土地利用誘導と整備、雨水及び耐震対策の推進、商業・業務地の整備、工業地の整備、公園及び緑地の整備に努めることとしています。
　次に68ページです。「4　南部地域」については、旧来からの集落、住宅地、そして幹線道路沿道に立地する流通施設や工業地域などの市街地と、市街地に隣接する農用地からなる地域であり、水辺空間等地域全体における緑の創出、良好な市街地環境の創出、農用地の土地利用の検討などが必要な地域です。
　将来計画として、市街地整備の推進と環境の維持・増進、農業環境との調和、工業・流通市街地の環境整備、特色ある地域づくりの推進、緑の空間の創出に努めることとしています。
　以上で概要の説明を終わります。

部会長　ありがとうございました。それでは審議に入りたいと思います。節ごとに区切って効率よく議論して進めたいと思います。
　それではまず、29ページからの第4章「1　活力のある産業振興のまちづくり」についてご発言ください。29ページから32ページの範囲です。

室崎委員　茨木には大学がたくさんあります。大学については大学研究機関からの技術移転についての記述がありますが、若者、学生が参加する、といった内容のことを書き込んだほうがよいのではないでしょうか。

部会長　人口が集積していない他地域でも大学が進出し、産業振興および教育の面からも地域と結びついて活動を行い、実績をあげておられることを踏まえての発言です。

刈谷課長　非常にもっともなご意見と思います。茨木市では商工会議所、追手門学院大学で産官学の取り組み実績があります。ただ、ここは産業に関する記述であり、商工業の振興の中の目指すべき姿の中に大学研究機関からの産学の活発な交流をはかるべき、という趣旨です。実際のところ産学連携で何ができるか考えており、生涯学習の面でも学生の力を得る場合が多いのではと思います。また、中心市街地活性化の面、観光の面でも学生を頼れるかもしれません。はっきりとは記述されていませんが、それぞれ協働、という面をある程度表記したつもりです。ご議論いただき、強調すべき項目があればご指摘いただきたいと思います。

部会長　事務局の意見では、文化に関するコメントがありました。教育面からも連携をはかりたい、ということです。その内容の該当章は第5章ですが、記述による明示はないようです。室崎委員の意見としては、具体的には、30ページで産学のうち産業への技術移転のみの記述になっているので、学生に関する記述も追加すべき、という意見ですね。

室崎委員　ここの記述だけでなくても、まちづくりなど様々なところで出てきますので、学生について触れてほしいと思います。

部会長　事務局は検討してほしいと思います。

土方委員　茨木交流倶楽部というものがあります。そこには追手門学院大学の学生に参画してもらっているなど、実例もありますので、そうした活動を広げていってはどうでしょうか。

松本部長　茨木市は学生が多いため、昼間人口が多くなっていますが、駅周辺等の市内にとどまる場所が少ないようです。そういう認識のもと、検討したいと思います。

土方委員　茨木交流倶楽部では、地域の人と若者が遊びに来ています。そのように人が集まれば活気がでるでしょうし、お年寄りも勇気づけられます。そうした施設を拠点として若者を巻き込んだ取り組みについてご検討いただき、広がっていけばよいと思います。

南助役　室崎委員がご指摘の点に関連して、大学との情報交換については、31ページの「3　新たな企業活動の推進」の中に含まれますが、ご指摘を踏まえ、31ページの「（5）商店街内の環境整備による来街性の向上」の欄にも学生や若者の来街を促す何か施策が必要ではないかと思いますので、工夫をしたいと思います。

部会長　昼間人口が多いというのは我が市の特徴ですが、市内にとどまってくれないということでしたので、来街性の向上が更に必要ということになります。室崎委員の発言は大学の教育との連携ももっと積極的にすべき、ということでした。大学のカリキュラム編成において地域との連携も考えられます。おおいに情報交換を進めるべきですが、どこにどのように記述するか、という点では一箇所だけに記述してもバランスに欠きますので、工夫してほしいと思います。室崎委員はまちづくり全体でそうしたことができるように記述してほしい、ということですので工夫をしていただけませんか。

高本委員　30ページでは、産業振興という視点の記述とのことですが、目指すべき姿の4つ目に「中心市街地への不用な交通の流入防止」とあり、将来計画（1）下から3つ目で「シビックセンターとしての都市構造の強化」とあります。これは、産業振興に含まれるのか37ページの「（3）道路交通体系の確立」に含まれるのかわかりにくいのではないでしょうか。
　また、32ページの将来計画「１　観光資源の発掘と育成」の4つ目に「市内事業所を工場見学で訪れる人を支援し、」とありますが、「訪れる人の支援」という表現はおかしいと思います。また、3つ目の「都市と農村の交流施設「見山の郷」」については次の節の「（1）農林業の振興」に入るのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

部会長　1点目ですが、30ページでは都市骨格で扱わないと実現しないのでは、というご発言です。産業振興には最低限のものがないといけない、ということでしょう。

長尾委員　指摘いただいた1点目ですが、産業振興、道路交通体系のどちらかわからない、というご発言は確かですが、オーバーラップする面が多く、オーバーラップをどのように調整するか、ということが課題と思います。中心市街地の箇所では、交通の流れをどうするか、ということを抜きにしては商業の活性化は考えられないので、ここにも一言入れたほうがよいのでは、という配慮があります。
　2つ目の観光に関してですが、市内工場見学というよりは、事業所見学とした方がよいかもしれません。「観光」というと古典的なものになるかもしれません。策定委員会で「観光」と「ツーリズム」の表現をどちらにするか、議論がありました。広い意味で施設への観光、また、施設見学だけでなく仕事関連で出かけることを示す「ビジネスツーリズム」という語句もありますので、それに関する情報や整備方針について、本市の事業所、事業所を取り囲むサポート体制等で動きが弱いのでは、ということで盛り込んでいる、ということです。

部会長　ご指摘の「訪れる人を支援」という表現はわかりにくいので、修正してください。また、「中心市街地への不用な交通の流入防止」という点については、後述の交通体系、いわばハードのまちづくりにおいても施策として対応するということですが、産業振興という視点をもって、この節においても言及するという配慮が必要ということでよろしいでしょうか。

土方委員　4章の中で商工会議所の立場から2点関心が特にあります。30ページの将来計画の「1（1）中心市街地活性化」の4つ目で、「回遊性のある商業地区」、それから、31ページの現況と課題の最終文で「観光も新たな産業として位置付け」とありますが、これが非常に面白いと思いました。実は商工会議所内部で、「回遊性」という表現は使っていませんが、同様の概念を議論したことがあります。ただ、「回遊性のある商業地区」という表現は、私自身はわかりますが普通の人は理解できないのではないでしょうか。前後にイメージがわかるような説明があればよいと思います。
　それから「観光も新たな産業として」という点では、将来計画には、観光協会の設立に関する記述がありますが、そもそもこれは商工業の振興のために設立しています。私自身、こうした活動についてどう広がりを作っていくか、ということでその価値と責任を感じています。

部会長　回遊性概念を入れたい、ということがあり、実現は難しいですが、市が中心市街地を人優先にしたい、という目標もあります。そういう趣旨と理解しています。その点、ご了解いただけますでしょうか。
　それから、新たな産業としての観光についてですが、英語でいえば新しい表現になりますが、「観光」とすると「名所・旧跡」をイメージされやすいため、「観光」とは単純に表記していませんが、英語でいうと更に説明が必要なので、「新たな観光」としています。実際は地域の人々の応答も必要で、役所ができることも限界があるため、そうした事情を踏まえて記述しています。
「回遊性」という表現の代替案はありますか。

土方委員　回遊というと、いわし等の回遊がイメージされます。回遊性というと、茨木では、小さな回遊性の中、中心市街地の本町通り周辺を小さな回遊というイメージを描いています。私自身はイメージがわきますが、なかなか難しいと思います。

部会長　この言葉をはじめて聞く委員もいるでしょう。一方で実際には、まちの再生のためには人が動いてもらう必要があります。ハードなまちづくりの面で先行してやっていることも踏まえ、策定委員会および事務局でこうした表現を用いました。

松本委員　回遊性とは複数の拠点をつくっての回遊性、一つのセンターに集まるのではなく、拠点をいくつかつくった上での回遊性と理解しています。中心市街地が一箇所ではなく、エリアとしてとらえ、その中にも拠点がいくつかあってその拠点間を動ける、というイメージを持っています。
部会長　拠点を整備し、つなぐという内容までは記述していないように思いますが、いかがでしょうか。

長尾委員　回遊性についてはこれまで記述がなかったですが、中心市街地の魅力向上のため回遊性の確保は欠かせません、という内容を基本構想に書いています。回遊性の作られ方のパターンは複数あってよいと思います。松本委員の発言のように複数の拠点を動く人もいれば、一方向に動く人がいてもよいと思います。とにかく人に動いてもらうことが必要で強調したいと思います。

部会長　確かにわかりにくいかもしれませんが、他の言葉ですぐ置き換えることも難しいようで、使い始めてもよいのでは、と個人的には思います。ただ、その中身についてはいろいろあるということなので、その内容は記述しないほうがよいということです。

刈谷課長　学生が回遊し、また、お年寄り夫婦がそこでとどまることができるような小さな回遊、また、元気な青年が回遊するなど、いろいろとケースが考えられます。今中心市街地は阪急茨木駅周辺ですが、シビックセンターという言葉も使っています。ある意味限定的ですが、他でもいろいろな拠点に広がってもよい、という議論がありました。回遊性という言葉はキーワードとして使いたいと思っていますが、語句が難しいのであれば、前後に形容詞をつけて市民にわかりやすいようにすることも考えられます。

松本部長　高本委員の意見への回答として、「人の支援」という表現は検討したいと思います。見山の郷の内容は農林業の節に入るのでは、という指摘がありましたが、観光と里山づくりの両面性があり、33ページにも見山の郷の記述があるので、了解いただきたいと思います。

室崎委員　31ページ将来計画１（5）の2つ目で「高齢者や障害のある方が車椅子で」とありますが、高齢者や障害者は車椅子以外の移動手段も考えられます。車椅子はむしろ、その上の記述の「徒歩や自転車で来街しやすい環境」に追加して「徒歩や自転車や車椅子で来街しやすい環境」とすべきではないでしょうか。

部会長　バリアフリーの観点の内容でしょうが、そろそろユニバーサルデザインという語句を使ってもよいのではないでしょうか。対応していただけますか。

刈谷課長　了承しました。

部会長　続いて、32ページから34ページの第2節、農林業振興についてはいかがでしょうか。

土方委員　茨木では有機栽培のそばやあずき、レンコンなど農産物が採れます。それらを上手に調理し、食文化産業の中心にしたいと考えており、商工会議所内部では農協と徹底的な話を進めています。これらの中で生産性、収益性の高いものに特に力をいれてほしいと思います。そして今後、話し合いの場を持っていきたいと思います。ただ、後継者問題も大きな問題となっています。

高本委員　圃場整備の導入、とありますが、茨木ではほとんど終わっているのではないでしょうか。また、棚田の保全についても棚田をつぶすのが逆に圃場整備につながるかもしれません。地産地消についても都市と農村の交流活動だけでよいでしょうか。学校給食で取り入れるなどもあってよいのではないでしょうか。

部会長　まず、基盤の整備についてはどうでしょうか。

津田部長　圃場整備は以前からやっていますが、車が入らない地域もまだありますので、地域の特性を活かした整備が必要と思います。棚田の保全の件ですが、圃場整備とあわせて棚田として残すべき地域については、景観との問題があるので、地域、ボランティアの協力を得て計画を保持したいと思います。

刈谷課長　棚田は景観としてはよいですが、農業をやる方にとっては、これほど血と汗と涙の土地はない、という意見も聞いています。棚田の保全となるとボランティア、地主の協力が必要となります。圃場整備と棚田のバランスをとることをこの節で記述しています。

高本委員　圃場整備の要求は実際まだあるのでしょうか。

津田部長　圃場整備の要求はまだあります。急な斜面で農機具が入らない地域もあります。

高本委員　農道整備程度のものでは、と思いました。圃場整備という面的なものは終わっているのでは、という思いがありました。

上村委員　見山の郷に行ったことがありますが、もう少し活性化できないでしょうか。せっかく施設があるので、循環バスを出すなどしてはどうでしょか。

部会長　中味の充実と利用しやすい施設に、という指摘です。

松本部長　見山の郷は新しい試みであり、地域の組合で運営しており、アイスクリームやパンの開発もしています。生産基盤としてあのエリアで作れるものを活用し、新しい商品開発を進めています。餅やかやくごはんの開発なども進め、販売しており、午前中には相当な数の商品があります。

上村委員　あの辺りに棚田はあるのでしょうか。棚田の景観の活用も含めて活性化できないでしょうか。現在は車でしか行けないため、何か交通手段があれば、と思います。

松本部長　今後地理的な活性化をはかるとき、棚田の保全と圃場整備を開発と保全のバランスをとりながら進めていきたいと考えています。

部会長　茨木市民だから見山の郷を応援しようという気持ちもありますが、魅力がないと行かない、ということをおっしゃっていると思います。担い手が元気を出してもらう必要があります。

津田部長　見山の郷の問題ですが、季節によっては、午後になれば売り切れている場合もあります。市民の商工のニュースによれば、具体的な情報があります。また、市で助成を考えているのですが、あじさいを植えて、観光資源として市内からも多くの人が来てもらえるような施設にしたいと考えています。施設整備面では、米やパンの健康食品の生産施設の拡張を今後考えていきたいと思います。都市の農村の交流施設として地域の人の協力を仰いで今後も取り組んでいきたいと思います。

冨村委員　見山の郷は茨木市の最北端にありますので、地域的に作れる品物と時期が限られます。現在は組合方式になっているので、茨木市民の農家がその地域に移り住んでも売ることができません。そこで、市と府が力を入れているのですが、農協では朝市を今年度からやることになっています。結局、品物の人気はありますが、品物が売れる期間が少ないです。

上村委員　季節のものをもっと購入できればうれしいですが。

部会長　市、地域、農業関係者の協力が必要と思いますが、目指すべき姿に対応して、都市と農村の交流、行政の支援が必要だと思います。見山の郷で採れるもの以外の作物は扱えない、というのは書かなくてもよいとは思います。

津田部長　33ページの将来計画1（4）「「見山の郷」をはじめ朝市・青空市」とありますが、見山の郷だけではなく、地産地消の一つの方式として、支援を考えています。

南助役　圃場整備と棚田の関係についてですが、33ページの将来計画「1　農業生産基盤の整備」に棚田の記述を入れると矛盾します。一方で圃場整備をし、一方で棚田により農業生産基盤の向上というのは難しいと思います。ここは担い手の問題や、機械の問題もありますので、農業生産基盤の整備を進める内容にしたいと思います。次の「棚田などの急傾斜地区では景観に配慮した」は削除して、圃場整備をし、農道、排水路を整備して、基盤を整備する内容にしたいと思います。棚田については「1（4）都市と農村の交流活動の推進」の中の「棚田の保全活動」として捉えていきたいと考えます。

部会長　担当部と調整してほしいと思います。

山本助役　見山の郷では地産商品に限定して販売をしています。ところによれば、他市では同じような施設で市場から買い取って地域の産物として品揃えするところもあると聞いています。やはり売り切れで買ってもらうものがないという状況となっても、地産商品の販売という形の運営をしないといけないでしょう。できるだけ組合の人に消費者ニーズにあう生産をお願いしたいと思います。

部会長　10年前はこのような議論はありませんでした。そうした面からすると、市民の立場、農業者の立場、産業振興、まちづくりなどいろいろな立場から記述されています。訂正すべき項目はしていただきたいと思います。

松本委員　農業による教育、学習等が大切と思います。ここの節ではなく、教育面で入れるべきかもしれませんが、教育の面でも特に触れていないようです。茨木市で農業体験ができるような地域になるということが、最終的に茨木の農林業の振興にもつながるという視点で農業と教育の協働に関する内容をどちらかにいれてほしいと思います。

部会長　教育については農業に限らず、環境と教育、食育といったものもあります。

刈谷課長　現在、小学校で農業体験学習も実際に進めています。それを広げる方向で動いています。

部会長　そうした内容は基本計画に記述すべき特段のことか、記述しなくてもよいことでしょうか。基本構想、基本計画に記述がないことでも実際に取り組んでいることはたくさんあります。検討していただけますか。

松本部長　対応について検討させていただきます。

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