施政方針

更新日:2025年03月04日

ページID: 54276

 施政方針とは、市長の市政運営に対する基本的な姿勢や重点施策について、考え方を述べるものです。 

令和7年度施政方針

令和7年3月定例市議会の開会に際し、令和7年度当初予算並びに諸案件のご審議をお願いするにあたりまして、市政運営についての所信と施策の概要を申し述べ、議員の皆さま並びに市民の皆さまのご理解とご協力を賜りたく存じます。

 

令和6年は、能登半島地震、初の南海トラフ地震臨時情報発表、災害級の猛暑など、自然災害や気候変動の脅威を改めて思い知らされた一年でありました。また、不安定な国際情勢の影響から物価の高騰が続き、市民や事業者の皆さまの生活や事業活動を直撃する状況は長期に及んでおります。

引き続き基礎自治体の使命として、発生確率が引き上げられた南海トラフ地震をはじめとする災害への備えを充実させるとともに、市民生活や事業活動に対して直接・間接の対応や支援に努めてまいります。

 

令和7年度は、これからの茨木の10年間を描く第6次総合計画のスタートの年であります。当計画では、共創の取組をあらゆる分野・施策において推進し、まち全体へ広げていく共創のまちづくりを中心に据えております。

市民活動が盛んな本市において、共創の取組は、これまでから、まちの中心で、あるいはそれぞれの地域において、人のつながりを大切にしながら展開されてきたところであります。

そして、本市の共創は、進化発展し続けております。

「IBALAB@広場」や「おにクル」を中心地・実験場としながら、「ブックトラベル」、「ダムパークいばきた」、「オープンカンパニー」、「おにも見にクルアート展」など、まるで「共鳴」するかのように、人が交じり活動が掛け合わされ、新たなモノやコトが生み出されております。

共創の共鳴がとめどなくまちに広がっていく、そんな10年のスタートとなるよう、共有と共感を大切にしながら、まち全体で共創のまちづくりを進めてまいります。

 

この春、「ダムパークいばきた」では、民間活力をいかした、長さ日本一の歩行者用吊り橋「ゴウダブリッジ」が、挑戦的なアクティビティを備えて、誕生いたします。

昨年の一部オープン以降、市内外から多くの皆さまに訪れていただいておりますが、とりわけ、「ダムパークいばきたコミュニティ」の皆さまには、様々な活動を通して人々が交流できる空間づくりを進めていただいており、感謝と期待に堪えないところであります。

引き続き、山とまちをつなぐハブ拠点となるべく、議論と対話を重ねてダムの周辺整備を進めるとともに、この4月開幕の万博も契機として、国内外から多くのかたに訪れていただける取組を進めてまいります。

 

昨秋に開館1周年を迎えた「おにクル」は、おかげさまで年間200万人もの皆さまに来館・活用いただきました。市内外の多くの関心を集めた「NHKのど自慢」や「竜王戦茨木対局」も、市民の皆さまの熱意とご協力により実現し、成功裡に終えることができました。

「おにクル」での共創は、想像のはるかななめ上で進んでおります。今後も、市内外の多種多彩な皆さまとコトやトキを共有し、共感を広げながら、まだ見ぬ頂きにたどり着けるよう挑戦を続けてまいります。

 

また、市民の皆さまの「安全・安心」に向けた取組としましては、小中学校体育館への空調設置が全校完了し、平時の学校環境及び災害時の避難所環境の改善を進めたほか、中学校給食センターが竣工し、生徒の健康増進、食育推進に向け、1月から無償の中学校給食を開始いたしました。

引き続き、市民の皆さまが「安全・安心」で「豊かさ・幸せ」を実感できる「次なる茨木」に向け、誠心誠意、取り組んでまいります。

 

以上を踏まえまして、市民の皆さまとお約束しました政策6本柱に沿って、令和7年度の諸施策の概要を申し述べます。

 

第1に、「人と自然が共生する持続可能なまち」についてであります。

 

【中心市街地のまちづくり】

中心市街地のまちづくりにつきましては、「次なる茨木グランドデザイン」の「ひと・プロセス重視」の考え方を土台にしながら、「おにクル」で見られる活動の景色をまちなかに広げていくため、「2コア1パーク&モール」の都市構造をいかし、多様な主体とともに「ひと中心の茨木まちなか戦略」による活動の実践に取り組みます。

まず、「パーク」につきまして、その中核施設である「おにクル」は、「2024年度グッドデザイン賞」や「みんなの建築大賞2025」などを受賞し、本市のランドマークとして市民の皆さまに親しまれているほか、共創の中心地として日々様々な主体による多彩な活動が行われており、今後とも、こうした取組を通じて、中心市街地における賑わい創出や回遊性向上を進めます。

福祉文化会館解体後の公園整備につきましては、市民の皆さまの参加をいただきながらまとめた「市民会館跡地エリア第二期整備基本計画」をもとに事業者選定の準備を進めます。

元茨木川緑地につきましては、植栽環境の健全化や活動の場の創出等、引き続き魅力向上や活用の増進に取り組みます。

「2コア」である両駅前の再整備につきましては、阪急茨木市駅西口では、駅前ビルの建替に向け、「駅前周辺整備基本計画」における整備方針を踏まえながら、権利者等と具体的な計画の協議や手続を進めるとともに、西口連絡デッキの改修に向けた基本設計のほか、駅前広場等の改良に向けた総合調整を行います。

また、JR茨木駅西口では、事業化に向けた権利者組織を立ち上げるなど、権利者の意識醸成を図りながら、事業化について検討を進めます。

「モール」につきましては、ひと中心の歩きやすく歩きたくなる魅力的な空間を形成するため、沿道事業者等との協議を進めながら、中央通り側道において、道路空間再編に向けた社会実験や空間の利活用促進に向けた機運醸成に取り組みます。

【北部地域のプロジェクト】

北部地域の魅力づくりにつきましては、関係自治会や「ダムパークいばきたコミュニティ」の皆さまと思いを共有しつつ、地域の資源や魅力を地域内外へ発信することで、多様なつながりの創出や地域主体の取組の加速につなげます。

安威川ダム周辺整備につきましては、北部地域活性化のハブ拠点となる「ダムパークいばきた」において、吊り橋エリア開業後の来園者ニーズに対応するため、吊り橋対岸の公衆トイレ整備に対して費用負担するほか、ダム湖左岸などの周辺道路の愛称を募集・選定し、周辺地域への親しみと愛着を深めます。

また、ダム堤体下の風の丘ゾーンにつきましても、指定管理者とともに賑わいの創出や周辺地域への波及に取り組みます。

彩都東部地区につきましては、先行エリアにおいて企業立地が進むとともに、現在、2地区の土地区画整理事業が施行されています。残りのエリアでは、引き続き、府等と連携して、事業化に向けた地権者の主体的な活動の支援を行うとともに、次代を見据えた、多様な企業・業態が集積する拠点の形成と、社会・地域の発展に資するまちづくりを推進します。

【景観】

魅力ある景観の形成につきましては、良好な広告景観への誘導に向け、屋外広告物の除却・改修を支援するほか、幅広い世代に景観への意識の向上やまちづくりへの関心を高めるため、景観絵画コンクールを実施します。

【イコクルいばらき】

市南部地域の新たな拠点である「イコクルいばらき」につきましては、多様な主体による持続可能なまちづくりの推進や防災機能の向上のため、進出事業者等と連携・調整しながら、魅力向上に資するイベントの開催や防災協定の締結等を行います。

【交通政策】

渋滞ゼロをめざしたまちづくりにつきましては、国道171号西河原交差点における右折レーンの設置や府道「茨木寝屋川線」の未供用区間の早期供用開始に向け、国や府と連携して進めるとともに、市道「総持寺駅前線」の早期完成をめざすほか、新庄町交差点等の市道交差点の改良を進めます。

道路整備の推進につきましては、交通環境の向上を図るため、市役所周辺の都市計画道路「駅前太中線」の供用開始をめざすほか、歩道の段差解消や点字ブロック設置などにより、歩行者等の通行環境を確保し、人と環境にやさしい交通環境の構築を進めます。

また、安全で快適な自転車の通行空間の整備や利用マナーの向上に向け、「自転車利用環境整備計画」を改定するとともに、引き続き、自転車乗車用ヘルメットの着用支援に取り組みます。

公共交通の維持につきましては、将来にわたる公共交通ネットワークの維持に向け、バス・タクシーの運転士不足や利用者の減少に対して、人材確保や利用促進等への支援を行うとともに、山間部においては、引き続き、代替交通の検討を進めます。

【公園の整備】

公園の整備につきましては、老朽化した施設の更新だけではなく、様々なかたが利用できるようバリアフリー化などの施設の改良を行うとともに、民間事業者等による整備や利活用を進め、魅力ある公園づくりに努めます。

緑化の推進につきましては、今後の10年間の緑のまちづくりの指針となる「次期緑の基本計画」を策定します。

【街路樹の整備】

街路樹の整備につきましては、市民の皆さまからいただいたご意見を踏まえ、街路景観の形成や安全・安心の確保に向け、「街路樹再整備方針」を策定します。

【上下水道事業】

上下水道事業につきましては、将来にわたる安定的な事業継続に向け、「水道事業ビジョン・経営戦略」及び「下水道等事業経営戦略」に基づき、施設及び管路の計画的な更新等に取り組むとともに、より一層経営基盤の強化に努めます。

【環境・ごみ処理】

脱炭素・気候変動対策に向けた取組につきましては、中小企業が省エネ診断等を受ける際の補助制度の創設や市民向けの省エネ相談会を実施するほか、既存公共施設の省エネ化や再エネ導入の方針の検討に向けた、ZEB化可能性調査を実施します。

ごみ処理事業につきましては、循環型社会の形成をめざして、「次期一般廃棄物処理基本計画」を策定するほか、施設の環境負荷の低減等を図るため、環境衛生センター照明のLED化に取り組みます。

 

第2に、「次代の茨木を担う人を育むまち」についてであります。

 

【待機児童・保育・学童保育】

待機児童ゼロの取組につきましては、新たに160人の受入体制を確保するとともに、令和8年度以降の受入体制の拡充に向け、私立幼稚園の認定こども園化や既存保育施設の定員増加を進めるほか、定員を超えて1、2歳児を弾力的に受け入れる施設への補助制度を設けるなど、今後とも保育需要を見極めながら、待機児童「ゼロ」に向けた整備に取り組みます。

病児保育事業につきましては、子育てと仕事を両立できる環境の構築に向け、新たな補助制度を創設し、実施施設を2か所から3か所に拡充します。

学童保育につきましては、引き続き、指導員及び保育場所の確保に努めるとともに、民間学童保育室において常勤の放課後児童支援員を複数配置する場合の補助を拡充します。

【次世代育成支援】

「茨木版ネウボラ」につきましては、まち全体での子育て支援の取組を推進するため、市民、学生、企業などの多様な主体が子育ての担い手となり、誰もが子育てを応援できる環境整備を図るほか、つどいの広場への支援を拡充します。

また、こどもの豊かな感性を育むため、森林環境譲与税を活用し、多様な主体とともに「こども木育フェスタ」を開催します。

生きづらさを抱えるこども・若者とその家庭への支援につきましては、社会的な孤立の防止や早期支援を図るため、民間団体が開催する居場所交流イベントを支援するほか、ヤングケアラーを対象とするピアサロンの拡充や社会体験ができるイベントを実施します。

療育体制の充実につきましては、地域におけるインクルージョンの推進を図るため、保育所等へ助言等を行う心理判定員をあけぼの学園に配置します。

【学校教育】

一人も見捨てへん教育につきましては、新たに策定した第6次計画「茨木っ子プラン ミつくる」に基づき、引き続き非認知能力の育成をはじめとする取組を進めます。

増加傾向にある不登校児童生徒への対応につきましては、スクールサポーターの専門性を高め、よりきめ細かい支援につなげるため、新たに「メディアサポーター」「COCOLOサポーター」「まなびサポーター」の3職種に再編します。

学力向上に向けた取組につきましては、低学年の「読み」のつまづきを早期に発見し、その状況に応じた効果的な指導を充実するため、「多層指導モデルMIM」のモデル校を拡充します。

また、個に応じた指導の推進と教員の負担軽減を図るため、個別の教育支援計画及び指導計画の作成支援や、研修動画が閲覧できる教育ソフトを導入します。

中学校部活動の地域連携・地域展開につきましては、生徒の多様な活動機会の確保と教職員の負担軽減を図るため、部活動指導員及び部活動指導者の増員や、地域クラブでのモデル実施に取り組みます。

教育の情報化につきましては、個別最適で協働的な学びの実現に向け、GIGAスクール構想第2期に対応する児童生徒1人1台端末の更新を行うとともに、その端末を積極的に活用した教育を推進するため、ICT活用アドバイザーの派遣回数を拡充します。

また、児童生徒がインターネットを適切に活用できる力などを身につけるネットリテラシー教育の推進に向け、主体的にSNSの使い方等を考える授業や取組を実施します。

【学校給食・保健・環境整備】

中学校給食につきましては、生徒の健やかな成長を育むとともに保護者の経済的負担を軽減するため、安全・安心でおいしい給食の無償提供を継続します。

学校保健につきましては、各小学校で実施している就学時健診における教職員の負担を軽減し、児童と向き合う時間等を確保するため、教育委員会による全校一括実施に変更します。

学校施設の整備につきましては、教育環境の向上や老朽化対策を図るため、LED照明導入に向けた検討を開始するほか、エレベーター設置、トイレ改修などを計画的に進めるとともに、安全管理体制を強化するため、市立中学校通用門にカメラ付きインターホン、電子ロックを設置します。

【スポーツ推進】

スポーツ施設の整備につきましては、スポーツ環境の充実や競技人口の増加を図るため、「ダムパークいばきた」の湖畔ゾーンにサッカー競技等の公式規格を満たした多目的運動広場を整備するほか、スポーツ施設の老朽化対策として、市民体育館のトイレ改修に向けた設計委託や忍頂寺スポーツ公園の遊具更新を実施します。

【図書館】

図書館につきましては、情報提供の充実を図るため、WEBによる閲覧や検索が可能となるよう郷土行政資料のデジタル化を進めるほか、ビジネス向けデータベースを中央図書館及びおにクルぶっくぱーくに導入します。

【青少年健全育成】

青少年の健全育成につきましては、地域の皆さまの協力を得て、引き続き、放課後子ども教室を実施するほか、青少年健全育成活動の好事例を表彰する「ほっとけん!アワード」への積極的な参加を促すため、エントリー賞を創設します。

また、開設50周年を迎える青少年野外活動センターの安全・安心な体験活動の充実を図るため、第2キャンプ場のテントをリニューアルするほか、既存のキャンプ行事を再編し、新たにファミリーキャンプ等を実施します。

 

第3に、「ともに支え合い・健やかに暮らせるまち」についてであります。

 

【地域医療】

救急病院の誘致につきましては、物価高騰や本市財政状況等を踏まえながら、引き続き、公的負担の内容等について事業者候補者との協議・調整を進めます。

地域医療の推進につきましては、障害者の歯科診療の受診機会を拡充するため、保健医療センター急病診療所において、歯科医師会と連携して障害者の歯科診療を実施するほか、骨髄移植やドナー登録を推進するため、市内在住者に対する補助制度を創設します。

在宅医療と介護等の連携につきましては、従来の取組に加え、府の医療計画における「在宅医療に必要な連携を担う拠点」としての取組を進めるため、在宅医療等連携コーディネーターを設置するとともに、市内の現状や課題を把握し、多職種連携による検討を進めます。

【地域共生社会の実現】

地域共生社会の実現につきましては、地域における複雑化・複合化した課題等に対応するため、4月に北圏域に開設することで市内5圏域となる地区保健福祉センターを拠点として、地域住民の皆さまや様々な関係機関との連携を強化することで、重層的支援体制整備事業を推進し、包括的な支援体制づくりを進めます。

【高齢者福祉】

高齢者の介護予防につきましては、市民が主体となった介護予防教室の周知・啓発に努めるとともに、地域での身近な居場所であるコミュニティデイハウスにおいて、運動機能等の向上を図るための取組を充実します。

介護保険制度につきましては、介護が必要な状態となっても住み慣れた地域で生活することができるよう、計画的な施設整備を進めるほか、引き続き、認定調査や介護給付の適正化に努めます。

また、「次期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」の策定に向けた各種アンケート調査を実施するほか、災害・感染症の発生に備えるため、簡易陰圧装置や非常用自家発電機を整備する事業所を支援します。

【障害福祉】

障害福祉につきましては、障害のあるかたの社会生活や住み慣れた地域での暮らしを支えるため、日帰りショートステイにおける報酬単価の改定や日常生活用具におけるストーマ装具の給付上限を拡充するほか、持続可能なサービス提供基盤の確保と障害福祉制度の適正化に取り組みます。

【生活困窮・生活保護】

生活困窮者への支援につきましては、著しく収入が減少したかたの安定した住居の確保を図るため、住居確保給付金を拡充し、転居に要する経費を助成します。

生活保護制度につきましては、国において予定されている生活保護基準の見直しに的確に対応するなど、引き続き、適切な制度運営による必要に応じた細やかな支援を行います。

【健康づくり】

健康づくりの推進につきましては、「健康いばらき21」等の中間見直しに向けた市民意向調査を実施するほか、後期高齢者の口腔機能の低下や生活習慣病等の予防に向け、口腔機能に関する保健指導や検査などを行う教室等を実施するとともに、健診等を受診していないかたの健康状態を把握したうえで、重症化リスクの高いかたへの訪問支援等を実施します。

【感染症対策】

感染症対策につきましては、法令等に基づき、「新型インフルエンザ等対策行動計画」を改定するほか、希望者への季節性インフルエンザ及び新型コロナウイルスのワクチン接種機会の確保やHPVワクチンのキャッチアップ接種に継続して取り組むとともに、新たに帯状疱疹ワクチンの定期接種を開始します。

 

第4に、「都市活力があふれる心豊かで快適なまち」についてであります。

 

【地域産業の基盤強化】

市内企業への支援につきましては、企業の認知度の向上を図るため、工場見学等を通して、広く市民の皆さまに企業の魅力を発信する「いばらきオープンカンパニー」について、参加者の増加や参加企業同士のつながりを深める取組を充実するとともに、市内大学と連携した学生による企業プロモーションに継続して取り組みます。

また、人材の確保・育成に向けた取組を推進するため、中高生等を対象に市内企業やその事業内容に触れていただく交流イベントを新たに実施するほか、企業が行う人材育成の取組に対する補助制度を拡充します。

創業支援につきましては、従来からの支援策に加え、市内での事業継続を図るため、創業後の事業者へのアフターフォローを実施し、継続的な支援に努めます。

観光振興につきましては、「ダムパークいばきた」の吊り橋エリア開業を機に、地域経済の活性化につなげるため、民間事業者等と連携した魅力ある地域資源の周知や市内での回遊・消費の促進に取り組みます。

【農林業振興】

農業振興につきましては、持続可能な農環境の整備に向け、ため池などの農業生産基盤施設の整備・改修を進めます。また、猟友会等と連携した鳥獣被害対策を引き続き実施するほか、地産地消への取組を進めます。

遊休農地の解消と担い手の確保・育成につきましては、10年後の地域農業の将来図である地域計画に基づき、意欲ある担い手への農地集約等を推進するとともに、引き続き、地域農家制度及び就農支援塾「あぐりば」の運営に取り組みます。

林業振興につきましては、市民参加型の森林整備を推進するため、森林環境サポーター養成講座を実施します。また、本市の里山が有する多面的機能を維持・保全するため、森林環境譲与税を活用して、森林経営計画の策定に取り組むとともに森林整備を進める地域への支援や、森林整備ボランティア団体への活動助成を推進します。

【魅力発信】

市の魅力発信につきましては、市民の皆さまのまちへの誇りと愛着の醸成を図るため、引き続き本市の新たな魅力資源である「おにクル」、「ダムパークいばきた」をいかしたプロモーション等に取り組むほか、市政情報を効果的に発信するため、市ホームページのリニューアルに向けた現状把握・検証作業を行います。

【万博】

4月から開幕となる大阪・関西万博につきましては、国内外の多くの方々が大阪に訪れる好機であり、本市の魅力を効果的に発信するため、大阪の魅力を広く発信するイベント「大阪ウィーク」への出展などに、関係団体と連携して取り組みます。

【歴史遺産の保存・魅力発信】

歴史遺産の保存・魅力発信につきましては、利便性が高く効率的な文化財行政を推進するため、発掘調査等においてデジタル技術を積極的に導入するとともに、市指定文化財の候補となる資料の調査等に計画的に取り組みます。

【文化振興】

文化振興につきましては、「文化振興ビジョン(第2期)」に基づき、市民や文化芸術団体等の多様な主体が連携・交流し、分野を超えてつながる共創の会議「つどい、つながる文化の会議」を充実します。

また、川端康成文学館の開館40周年を記念し、川端康成氏の母校である茨木高等学校出身で著名な評論家の大宅壮一氏にスポットをあて、その業績や2人の関係を紹介する特別企画展や、関連する文学講座等を開催します。

【生涯学習】

生涯学習につきましては、幅広い年代のかたが生涯学習に魅力を感じ、取組を始める機会を提供するため、天文科学講演会などの生涯学習センター開館20周年記念事業を開催します。

 

第5に、「ともに備え命と暮らしを守るまち」についてであります。

 

【防災・減災対策】

地域防災力の向上につきましては、災害発生時に迅速に避難所を開設して円滑に運営できるよう、引き続き「地域版避難所運営マニュアル」の作成を支援するとともに、「避難所開設・運営訓練」の継続的な実施により、避難所運営の理解促進やマニュアルのさらなる改善を図ります。

また、令和6年度に更新した「水害・土砂災害ハザードマップ」に基づき、公共施設に設置した浸水リスクの表示板を更新するとともに、引き続き小学校でのハザードマップを活用した防災教育の充実に取り組むほか、防災意識のさらなる高揚を図るため、浸水リスクが高い中学校区を対象に水害対策訓練を実施します。

災害に強いまちづくりの推進につきましては、橋梁の定期的な点検及び計画的な修繕を実施するとともに、道路利用者等に被害のおそれがある事故を防止するため、道路附属物等の点検に取り組むほか、公共施設の減災対策のため、上中条青少年センターのホールの天井を改修します。

また、上下水道施設の耐震化を計画的に進めるとともに、豪雨等による浸水被害の軽減を図るため、水路施設の機能維持と下水道による計画的な雨水対策を推進します。

情報収集伝達体制の整備につきましては、災害発生時における迅速かつ確実な体制を構築するため、その手段の一つとなる防災行政無線関連機器の一部更新を行います。

避難受入れ体制の整備につきましては、令和6年能登半島地震の対応等を踏まえて改定された府の備蓄方針等に基づき、災害用トイレやパーティション等の災害用備蓄物資を拡充します。

【防犯対策】

防犯体制の充実につきましては、さらなる犯罪抑止と市民の皆さまの安全・安心の実感につなげるため、防犯カメラの設置効果を高めるために新たに設置した告知板により、地域内に防犯カメラが設置されていることを周知します。

また、自治会等への防犯カメラ設置補助につきましても、引き続き、自治会等の負担軽減に必要な支援に努めます。

【消防・救急体制】

消防・救急体制の充実強化につきましては、消防救急活動における確実な通信体制を確保するため、消防救急デジタル無線システムの中間整備を行うとともに、無線交信が困難な地域に対応するIP無線機を導入するほか、災害対応能力の向上を図るため、消防職員と消防団員との連携強化や、消防車両・資機材の整備を計画的に行います。

また、増加する救急需要に対応し、円滑で安定的に救急業務を実施するため、引き続き、救急隊員の知識、技術の向上を図る研修や医療機関との連携に取り組みます。

【消費者施策】

消費者トラブルへの対策につきましては、関係機関との連携強化により、あらゆる年代層への消費者教育を推進するほか、多発している特殊詐欺被害対策として、警察等と連携した注意喚起や対策機器の無償貸与を引き続き実施します。

 

第6に、「対話重視で公平公正な市政運営」についてであります。

 

【共創のまちづくり】

共創のまちづくりにつきましては、「おにクル」などで繰り広げられている共創の取組をまち全体へ広めていくため、茨木らしい共創のあり方を示す「茨木版共創デザインブック」の作成に取り組みます。

また、市民の皆さまと行政との共創の取組をさらに推進するため、チャレンジいばらき補助金に新たなメニューを設けるほか、学生との多様な連携やつながりづくりを進める「茨木キョウソーシアム」事業を実施します。

【対話重視のまちづくり】

対話を重視したまちづくりにつきましては、市の課題や市民ニーズを把握するため、引き続き、手法を工夫しながらタウンミーティングを実施し、若者世代や多様な主体の声を集め、市政にいかします。

【地域コミュニティの推進】

地域コミュニティの推進につきましては、市民ニーズにあわせた柔軟な活動の展開や新たな担い手の確保につなげるため、引き続き、自治会活動へのICTの活用や学生と連携した地域活動を支援します。

また、多様な主体の連携・協働を促す「協議の場づくり」を継続して実施し、そのフォローアップに努めます。

コミュニティセンターにつきましては、地域の特性や実情等を踏まえた特色ある取組を推進しつつ、持続可能な管理運営体制の構築に努めるほか、利便性の向上を図るため、スマートロックの導入を計画的に進めます。

【人権・男女共同参画】

人権施策につきましては、社会情勢の変化に対応した施策の推進を図るため、「第3次茨木市人権施策推進計画」の策定に向けた市民意識調査を実施するとともに、様々な人権課題に対して、人権意識の高揚と人権擁護についての取組を進めます。

非核平和の取組につきましては、戦後80年を迎えた非核平和展として、写真・パネル展示のほか、講演会や映画会を開催します。

男女共同参画につきましては、ジェンダー平等の実現に向け、性別にかかわりなく一人ひとりの「幸せ」がかなうまちをめざし、ローズWAMを拠点として施策を推進します。

また、性的マイノリティに関する取組として、引き続き、相談支援や事業所への啓発を実施するとともに、困難な問題を抱える女性に対する相談支援や情報提供を行います。

多文化共生につきましては、引き続き外国人住民等の居場所づくりや地域との交流の場を継続的に提供するとともに、総合相談窓口を中心に相談支援や情報提供の取組を実施します。

【行財政改革】

行財政改革の推進につきましては、共創のまちづくりを進めるための持続可能な行財政基盤の構築に向け、行財政改革の今後の方向性を体系的に示す「行財政改革指針」を改定するとともに、その指針に基づき、業務の再構築を図ります。

【使いやすい行政サービス】

使いやすい行政サービスにつきましては、証明書発行の利便性向上のため、コンビニ交付で発行できる証明書の種類を拡充するほか、施設利用者の利便性向上のため、遠隔接客サービスをおにクルに導入します。

また、行政手続改革につきましては、「行かなくてもいい市役所」を基本としつつ、市民の皆さまの負担が最小限となる窓口のあり方について検討を進めます。

【公共施設等マネジメント】

公共施設等のマネジメントにつきましては、広く市民の皆さまと公共施設に関する情報を共有し、有効活用と全体最適化を図るため、「公共施設白書」を改定するほか、施設の長寿命化を推進するため、水尾図書館等において外壁・屋上防水等を実施します。

【次なる茨木DX】

市役所のデジタル化の推進につきましては、市民や事業者の皆さまに便利さを実感していただけるよう引き続きオンライン手続を拡充するほか、人の流れがわかるデータを活用し、データを使ったまちづくりへの取組を推進します。

また、デジタル機器を使いこなすことが困難なかたへの支援に向け、引き続きスマホ相談窓口などの支援を実施します。

自治体情報システムの標準化・ガバメントクラウド化につきましては、引き続き地方創生人材支援制度等を活用し、外部専門人材の支援を受けながら、着実にシステム移行を進めます。

【人事行政】

人事行政につきましては、デジタル社会の進展など複雑多様化する行政課題に対応し、共創のまちづくりを実現するため、人材の育成や多様な人材の確保、やりがい・成長を実感できる職場環境づくりに取り組みます。

 

以上、市政運営にあたっての基本的な考え方、並びに本会議に提案いたしております予算の内容を踏まえ、施策の概要について、ご説明いたしました。

 

本市の財政見通しにつきましては、定額減税制度の終了や固定資産税の増加等により、市税収入の増収を見込むものの、少子高齢化による社会福祉経費の増加や物価高騰の影響等により、経常経費が著しく増加する非常に厳しい財政環境が見込まれます。

引き続き「財政の健全性の確保」に向け、経常経費の徹底した見直しをはじめ、既存事業や制度の検証の取組を進めつつ、「安全・安心」「豊かさ・幸せ」の実感につながる施策を推進してまいります。

 

「第6次総合計画」における人口ビジョンでは、令和7年(2025年)前後をピークに、本市も人口減少社会に突入するものと推計しております。人口減少に加え、ライフスタイルや価値観の多様化など、大きな変化が進むこれからの時代においても、持続可能な「次なる茨木」の実現には、共創のまちづくりが不可欠であります。

自らの可能性を試し、自己実現していける前向きな挑戦の「場」、孤独や孤立、生きづらさを感じたときにも自分の居場所、サードプレイスと思える「場」、人や活動から元気をもらえる、人とのつながりを感じられる「場」の存在が、「安全・安心」、「豊かさ・幸せ」の実感につながると考えております。

このような「場」、つながりへのきっかけがまちなかにあふれていくことを通して、コトとトキの共有や共感が生まれ、そこから生まれる活動がまちの景色になり、さらに新たな活動を呼び起こしていく、共創が共鳴していくまちをめざしてまいります。

 

共創のまちづくりの原動力は、人であります。「次なる茨木」はみんなで創り上げるものであり、その主役はまちに関わる皆さまであります。

幅広い世代に国をも越えて、長らく愛されるディズニーランドの生みの親、ウォルト・ディズニーも、「デザインして、クリエートして、世界で一番すばらしい場所を建てたとしても、夢を実現させるのは人々なんだ。」と語っています。

さらに、「ディズニーランドは永遠に完成しない。この世界に想像力が残っている限り、成長し続ける。」とも語っています。

「おにクル」、そして「ダムパークいばきた」に代表される共創のまち、その本当の価値は、共創が共鳴していくことであり、その可能性は無限大であって、今後も成長し続けると信じております。

 

令和7年度におきましても、まちに関わる皆さまと対話と議論を積み重ねながら、共創のまちづくりに挑戦していく決意と覚悟であります。

 

どうか、議員の皆さまをはじめ、市民の皆さまにおかれましては、市政の推進に、より一層のご支援とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

この記事に関するお問い合わせ先
茨木市 企画財政部 政策企画課
〒567-8505
大阪府茨木市駅前三丁目8番13号 茨木市役所本館3階
電話:072-620-1605 
E-mail kikaku@city.ibaraki.lg.jp
政策企画課のメールフォームはこちらから