令和4年度「10年後の私が住みたい、働きたい茨木市」

更新日:2022年09月30日

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実施日時

令和4年8月8日(月曜日)午後2時~3時30分

 

出席者・テーマ

1.出席者

株式会社神戸製鋼所 茨木工場 2名
追手門学院大学 2名
梅花女子大学 2名
茨木高等学校 2名
茨木市

福岡市長、人権・男女共生課職員

 

2.テーマ

10年後の私が住みたい、働きたい茨木市

 

ミーティングの内容

<ミーティングの概要>

福岡市長と株式会社神戸製鋼所、追手門学院大学、梅花女子大学、茨木高等学校の皆さまで、「10年後の私が住みたい、働きたい茨木市」について、タウンミーティングを実施しました。

参加された若手社員や学生の皆さまには、男女共同参画社会の現状や課題、茨木市の取組みなど、テーマに関する事前説明を受けたうえで、参加していただきました。

ミーティングは福岡市長進行のもと、座談会形式にて行いました。

(以下、発言者を主にA~Hと表記します。)

ミーティング全体の様子

 

<“男女共同参画”という名称について>

○A:今の子どもたちがジェンダーを理解することにつなげるためにも、海外のように「男女」という単語はいらないと思います。

○市長:では、“男女共同参画”の代わりに、新しく名前を付けるとしたら、どんなものがよいと思いますか?

○A:「共同参画」だけでも良いと思いますし、「男女」の代わりに「家族」や「パートナー」を使うのもよいと思います。

○市長:性別とは切り離される一般的な言葉を使ってみては、ということですね。

○B:私は、LGBTQの方に配慮して、ダイバーシティ(=多様性)等、「男女」以外の表現が適切だと思います

○C:家事育児に参加しない男性がいる一方で、それらが好きな男性もいますし、女性の中でも、特に高齢の方には「女性が家事を担って当然だ」という考えの人もいるので、「男女」を強調せず、「全ての人が共同参画」といったくくりにするのがよいと思います。

性の多様化に対する認識が進んでいるのが実感できる意見が多くあった中で、「意味の伝わりやすさを重視して『男女』という単語は使い続けた方がよい」という意見もありました。

追大生が茨木高校生徒の発言を聞く様子

 

<男女共同参画のゴールとは>

○D:「自分のありたい姿でいられる(働ける・暮らせる)環境」が男女共同参画のひとつのゴールになるのではないかと思います。

○E:私は、このテーマはどれだけ話し合っても、全員が満足する結論は出ないと思います。それでも、男性でも育児休業を取りやすい環境を各会社が整えることが、ひとつのゴールかなと思います。

○A:私の考えるゴールは「男女共同参画なんてものがあったなあ」と思える未来です。「女性が家事育児をし、男性が働きに出る」という概念がなくなり、お互いに支え合うのが当たり前になっている社会がゴールだと思います。私がまだ小さかった頃、父は子どもを抱くのが恥ずかしかったと言っていました。でも、今では男性がベビーカーを押したり、抱っこ紐を使うのが当たり前のように見られるので、この10数年で男性の育児参加が進んでいるというのは感じています。

○市長:「昔そんなことがあったな」と話せているその時には、どんな景色が見えていると思いますか?

○C:今みたいな議論の場がなくなっているのではないでしょうか。私は、仮に「男女共同参画」という言葉が過去のものになったとしても、さらに昔には「女性は家事をするのが当たり前」といった考えがあった事実は変わらないし、それを新しい世代が知ることは避けられないと思います。なので、性別にとらわれず社会に参画することを選べるようになれば、ゴールに近づいたと言えるんじゃないでしょうか

女子校と男子校の存在意義について話が展開した場面では、「同性しかいない環境も選択肢としてあった方が良い」「性別によって学べる内容が制限されることなく、学校で学べる内容が多様化していけばよいのに」という意見もありました。

梅花の学生が話す様子

 

<機会の不平等>

○市長:日本では、結果の平等(男性の政治家が多い等)がまだまだ進んでいませんが、一方で、機会の平等について、これまでに何か感じたことはありますか?

○F:私はこれまで、委員長やクラブの部長をやってきたし、人前に出る役割も男女問わず担うのを見てきたので、フェアじゃないと思ったことはありません

○C:私が現在通っている経済学部は、男女比がだいたい8:2なので、女子大とは反対の環境ですが、自分が女性ということで機会の不平等を感じたことはありません。

○G:私が中学時代に所属していた部活は、当時の部員全員が女子で、そこに入部希望の男子がやってきたんですけれど、部員間で「男子なのに入部するの?」っていう空気になったことがありましたね。結局、その男子は入部しなかったんですが。

○D:私が入社した当時、女性社員だけを対象にした研修がありました。おそらく、育休やセクシャルハラスメントに関する内容だったのではと想像しましたが、男性はそれらの研修を受けなくてよいのか?と疑問を感じていました。そんな「男性は受けなくていいの?」という研修は他にもいくつかありますね

○E:学生時代は、男女で機会の不平等について感じたことはありませんでしたが、社会人になってからは、女性ばかりが電話応対や来客へのお茶出しを担っていると感じています

また、今後産休を取得する予定ですが、夫に育休を取るのか尋ねたところ、「勤め先に制度としてはあるが、男性は誰も取っていないので自分も取らない」と言っていました。私の職場では育休を取得する男性も多いので、別会社の夫の話を聞いて、男女差を大きく感じましたね。

○市長:ちなみに、Eさんは、夫さんにはどれくらい育休を取ってほしいのですか?

○E:夫の会社の制度を確かめたくて質問しただけで、実はあまり育休を取ってほしいとは思っていません。私にも親世代のような「女性は家庭、男性は仕事」という考えがあるので。休んでもらうにしても1か月でいいかな

○市長:市役所でも、結果の平等という意味では、男性の管理職がまだまだ多いのが現状です。ルール上はフェアですが、結果が伴っていないこの“ズレ”について、どう思いますか?

○市職員:市役所も男女平等に向けて動いているので、女性管理職はこれからどんどん増えていくと思います。また、結果の平等のためには、女性の意識を変えることも重要だと思います。私自身、市役所で働き始めたころは管理職になることは考えていなくて、それこそ管理職には男性のイメージがありました。ロールモデルが必要だと思います

会社員が発言する様子

 

<結婚について>

○市長:結婚するのか・しないのか、皆さまの結婚に対する考え方を聞かせてください。

○C:今の日本は、賃金も高くないし、自分一人生きるのが精一杯っていう人が多いじゃないですか。そんな中で子どもを産んで、やりたいことをやらせてあげられないのは嫌なので、結婚したいとはあまり思わないです。十分稼げるようになったら考えるのかもしれませんが。

○市長:仮に、専業主婦(夫)という選択肢の話をすると、結婚相手の収入が多ければよい、みたいな考えはありますか?

○C:お金がたくさんあっても解決できない夫婦間の不和はあると思うので、やはり結婚に対してのイメージはよくないです。

○F:私も結婚したいと思いません。女性だったら20~30代前半に結婚するのが一般的だと多くの人の意識にあると思いますが、私は仕事や旅行など、一人でやりたいことがたくさんあります。今の私にとって、結婚にはパートナーや子どもに縛られるイメージがあるので、自分がやりたいことをやって満足するまでは結婚したくありません。

○市長:結婚したくないという意見が多いですが、Eさんはなぜ結婚したのでしょうか?

○E:昔から結婚はしたいし、子どもが欲しいと思っていました。また、結婚するのが当たり前だとも思っていたので、今回、結婚したくない人がたくさんいて驚いています。家族の存在が仕事を頑張る原動力になるので、結婚して良かったなと思えますね。

○H:皆さまのお話を聞いて、結婚に前向きじゃない意見があったことに私も驚きました。私は好きなことをしながらパートナーと生活をして、子どもと楽しい生活を送って、思い出を作って、いずれは孫とも楽しく過ごすのが幸せだと思っています。

○B:私にとって幸せに大きく関わるのは、「どれだけ好きなことに没頭できるか」です。視野を広げるために海外に行きたいですし、趣味に没頭できれば、それが私にとって一番楽しい人生なので、結婚はあまりしたいと思いません。

市長と 追大の参加者が話している

○市長:「結婚=人生における目標(幸せ)」とは限らないということですね。私は、自分だけが楽しくても満足できないので、幸せになるためには、人といたいし、人に何かしてあげたいと思います。そして、一番近しい人が、私にとっては家族です。ある意味、「自分一人の幸せ」みたいなものから逃げているのかもしれませんし、育児に四苦八苦することもありますが、そこに充実感ややりがいを感じています

Fさんは、「一人でやりたいことがたくさんある」とおっしゃっていましたが、一人にこだわる理由は何でしょうか?

○F:ひとつの仕事、ひとつの場所しか知らずに生きていくことに不安を感じるので、私はいろんな世界を見て自分を確立していきたいです。そのために私は一人で海外へ行きたいですし、自分の軸を作るのにはたくさんの時間が必要だと思います。また、その軸がないと、誰かと暮らしたり、子育てをするのは難しいと思っています

他にも「生物学的な性にとらわれず、自身の幸せのために結婚する人たちを支えるためにも男女共同参画はある」「専業主夫になることに抵抗はない」「両親に孫の顔を見せてあげたい」「子育てについて、金銭面で不安を感じているので夫婦で話し合っている」という話がありました。

また、「10年後の茨木市に何があれば住み続けるか?」というテーマでも、「24時間いつでも預けられる託児所のように、どんな人でも働き続けられるようなサポート基盤があれば良いと思う」「茨木市を良くしようとする人たちがアクションを起こせる環境であってほしい」「男女共同参画については、管理職世代や男性の育児参加に否定的な人の意識改革を促す研修やイベントが充実すれば、もっと子育てがしやすいまちになると思う」など、多様な意見を聞くことができました。

 

○市長:今日は、直接お聞きするのは初めての意見も多く、とても勉強になりました。10年後の茨木市に、皆さまに住んでもらえるよう市長としてこれからも頑張ります。ありがとうございました。

市長が話している

 

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