令和元年度「アプリアイデアミーティング~来たれ!未来のクリエイター~」

更新日:2022年01月18日

ページID: 45225

日時・場所

1.日時

令和元年7月17日(水曜日)午後1時30分~3時30分

2.場所

福井高校 会議室

出席者・テーマ

1.出席者

茨木市からの出席者

福岡市長、秋元企画財政部長、安田情報システム課長、馬場情報システム課長代理、佐藤情報システム課職員

福井高校の出席者

福井高校生 15名、卒業生1名

内田校長、原田教頭、太田首席、小林教諭、樽井教諭、山城教諭、岸本教諭

2.テーマ

「アプリアイデアミーティング~来たれ!未来のクリエイター~」

未来ミーティングの概要

福岡市長と福井高校生(卒業生1名含む)16名が『アプリアイデアミーティング~来たれ!未来のクリエイター~』をテーマに、未来ミーティングを実施しました。

 

福井高校の皆さんはテーマに関する事前学習として、スマートフォンの普及率や、それに伴う自治体のアプリ活用状況、茨木市のアプリを用いた今後の展開についての講義を7月9日に受けました。

 

ミーティング当日は福井高校の小林教諭進行のもと、生徒たちはA・B・C班の3班に分かれ、各自が事前に考えてきたアイデアをもとにグループワークを実施。グループとしてのアイデアをまとめた後、発表を行いました。

グループワークの様子

 

A班は、健康についてと、多文化共生についてのアプリを発表しました。

健康アプリについては、自分に合った運動量やカロリー計算を管理してくれる機能と、けがをした場合や体調不良の場合には、自分の病状に合った最寄りの病院を探してくれる機能を提案しました。

また、茨木市内でランニングをする際、AR(拡張現実。画面を通して現実の風景にデジタルの映像を映し出す技術)を用いて、姉妹都市の風景の中を市長と走れるようにできればおもしろいという案も出ました。

他にも、予定を管理してくれるアプリ(寝不足等の体調不良は自己管理ができていないことが原因のひとつと考えられるため)や、目の疲れをとるための場所を紹介してくれるアプリ、鳥の鳴き声を聞いてリラックスできるアプリについても発表しました。

 

続いて、多文化共生をテーマとした発表では、様々な国の人と交流するきっかけになればと、茨木市の伝統や歴史について学べるアプリを提案しました。

また、国によっては宗教上の理由で食べることができない食材もあることから、市内の飲食店で提供されるメニューに使用される材料や調理方法であったり、どこで材料を仕入れているのかといった食事にまつわる情報を、お店に設置されるQRコードを読み取ることで得られるアプリについても提案しました。

一方で、メニュー自体が日本語のみの表記であったり、電車の乗り換えや市役所の構造が複雑で外国人にはわかりにくい場面もあるだろうということから、多言語翻訳機能を搭載し、目で見てわかりやすい矢印を用いた案内アプリがあればいいなという意見も出ました。

最後に、ビデオ通話とARを組み合わせた新しいコミュニケーションツールもあればおもしろいというアイデアも出ました。

A班発表の様子

 

C班生徒:ビデオ通話とARを組み合わせたアプリとは、具体的にどういうものですか?

A班生徒:ビデオ通話については意見がまとまらないまま、発表になってしまいました。

進行教諭:グループワークでA班は、Siri(しり)iPhone(あいふぉん)に搭載された、音声でスマートフォンを操作するための機能)が実際に目の前に現れたらおもしろいという話をしていましたね。

C班生徒:AI(人工知能)も組み合わせるということですか?

情報システム課職員:AIを使ってなにか回答を得るというのは技術的には出てきています。スマートフォンのカメラ機能を利用した翻訳も今では可能なので、あとは市で取り組むかどうかですね。

 

企画財政部長:A班の発表で一番印象に残った意見は、AR技術を用いて市長と伴走するというもの。市長じゃなくても、恋人や犬でも楽しいなと思いました。ただ、これを実現するならARを利用することになるので、ゴーグルをかけなければなりません。より軽量化されるなど改良が進めば、実現できると思います。また、健康については「管理」いうワードに注目しているのに感心しました。これはもう実現できると思います。

市長:ARについて、井上尚久さん(茨木市在住の画家)の作品「イバラード」の風景を見られるようにするのもおもしろいかもしれませんね。

進行教諭:グループワークでは、ユーザー同士が別々の場所で走っていても、バーチャルの世界でコミュニケーションをとれたらおもしろいなという意見も出ていました。

 

情報システム課長代理:多言語対応アプリについての発表もありましたが、外国人の方などは市役所を利用するのが難しいだろうなというのは実感としてあります。

A班生徒:私は外国にルーツを持っていますが、実際に市役所まで書類を取りに行ってもどこに行けばいいのかわからなかった経験があります。

情報システム課長:そういった意見をいただいていることもあり、市では実際に動き出しています。現在、窓口にタブレット端末を設置し、翻訳アプリを活用して多言語での問い合わせに対応できるようにしています。今後はAI等も活用し、さらなる利便性の向上を検討しています。一方で、市役所がアプリをリリースしても普及しにくい現状があるので、利用してもらえるよう本当に使いやすいものを用意しなければならないという課題もあります。しかし、A班の発表を聞いて、私たちが推し進めていることは正しかったのだと自信が持てたので、がんばって導入していきたいと思います。

進行教諭:福井高校には外国にルーツを持つ生徒が他にもたくさんいるので、導入されれば利用する機会も多いと思います。

意見交換の様子

 

続いてB班は、観光や地図、災害、市役所への報告をキーワードにしたアプリについて発表しました。

まず、観光アプリの機能としては、ARを利用することでその土地の昔の町並みや、建物が建てられる様子、さらに未来の様子も見られるようにすればおもしろいのではないかというアイデアが出ました。

また、観光目的が食事であることも珍しくないので、飲食店の基本情報を得られるだけでなく、店内に設置されたQRコードを読み込むことでポイントやクーポンがもらえるようにすれば、観光客も喜ぶという提案もありました。

一方で、市内のいろいろなランニングスポットを紹介してくれるアプリがあれば、ランナーは新しいコースを新鮮な気持ちで走ることができるうえに、普段走らない人には運動する楽しみを知るきっかけとなり、市民の健康につながるという考えも発表されました。

 

地図アプリについては誰が見てもわかりやすく、かつ詳しいものであることが望ましいとしたうえで、防災マップの役割も持たせることで、いつでも最寄りの避難所の場所へ案内してくれる機能を提案しました。また、付近のバス停の位置や時刻表が簡単に調べられる公共交通機関に関する機能についても発表しました。

 

次は市役所への報告機能を持ったアプリの提案です。近所の困りごとについてアプリを通して市へ報告することで、地域ごとの問題を把握してもらうことが狙いです。その場での急な対応はできなくても、市と警察で連携して対応してもらえれば助かるということです。

また、落とし物を交番に届けた際に、こちらもアプリを通して市へ報告することで、よりたくさんの市民に周知することができると発表しました。そして、そのたびにポイントをもらえるような仕組みを作ることで、落とし物を見過ごす人は減るのではないかということです。

そのポイントというのは、ほかにも市内の飲食店情報を発信したり、ランニングコースを走ることでも獲得でき、貯まったポイントは市内各店で利用できるというものです。このような機能があればアプリの普及に一役買うのではないかとのことです。

ほかにも、市職員が運営する茨木市の紹介ブログや、市の行事を通知してくれるアプリ、電車やバスの待ち時間に遊べる公共交通機関にちなんだゲームアプリも提案しました。

B班発表

 

企画財政部長:観光アプリの話の中でランニングスポットの話がありましたが、たとえば市がスポットを探してガイドブックのようなものを作るのか、それともランナー自身に発信してもらって利用者同士でつながってもらうのか、どちらのイメージでしょうか?

B班生徒:利用者自身に発信してもらう方ですね。

企画財政部長:みんながつながるという意味で、一つの切り口になりそうですね。

市長:観光アプリの話の中で「場所や建物との連動」について提案がありましたが、市で関連する事業がないかと考えてみると、解体工事中の市民会館の将来像をARで見られるようにできればいいのかなと思いました。

 

 

C班は、最初に自治体アプリの課題が普及率の向上であることに触れたうえで、課題を解決するには利用者に「お得だ」と思ってもらうことが大切だとし、そのための仕組みとして、ポイント制を発表しました。ポイントは、アプリをダウンロードしたときや、一日一回ログインしたときにもらえるようにします。貯まったポイントはクーポンと引き替えて市内のお店で利用できたり、茨木市出身芸能人のサイン入りグッズをはじめとした景品が当たる応募券と交換できるようにします。当選者のコメントも掲載することで、交換意欲も高まるという考えです。また、アプリにゲーム機能を搭載することで若者も取り込めると発表しました。ゲームはARを採用し、市役所や市内のお店をスポットにすることで市内各所を巡るきっかけになり、お店の利用率の向上にもつながります。もちろん、このゲームを遊ぶことでもポイントが手に入るようにします。

一方で、コレクションすることでポイントに交換できるスタンプを配布するという案も出ました。このスタンプは、アプリ内のチャット型掲示板で使えるもので、茨木フェスティバルのような市内イベントで限定スタンプを配布することで、イベントの参加者増加も見込めるという考えです。

ほかにも、アプリの仕様を子ども用と大人用に分けられるようにするという提案や、飲食店の様子やメニューをARで見られるようにする、アプリ内で市内企業の宣伝をするといった案も発表されました。

C班発表

以上は主にアプリの普及率を上げるための提案でしたが、そのほかの機能として、スマートフォンの位置情報機能を利用して迷子を捜せるものや、川端康成が生活を送っていた昔の町並みをARで見られるようにするのはどうかという案も出ました。

また、災害時を想定したアイデアも発表されました。茨木市民だけが利用できる災害時用掲示板アプリを作ることで、連絡を取り合う際に回線が混み合ったり、サーバーが落ちるといった問題を解消するのが狙いです。また、ボランティアを探すのにも役立つとのことです。

普段使いができる機能としては、市長に直接意見を送れる機能や、母子手帳を電子化すればスマホひとつで病院に行くことが可能になり、大変便利だというアイデアも出ました。

最後に、アプリ自体を多言語に対応できる仕様にすればなおよいということで、C班は発表を終えました。

 

 

情報システム課長:ポイント制については、消費税対策として、マイナンバーカードの機能を利用して国がすでに導入を考えているところです。また、スマホでもマイナンバーカードの機能を活用できるよう、検討が進んでいます。国が考えていることに発想が届いている点や、いくつかのアイデアを複合的に関連させて考えている点、提案した施策の課題も含めて発表してくれた点がすごいなと思いました。

 

市長:電子母子手帳についてはすでに実現している自治体もあるので、この発想に行き着いた皆さんは公務員に向いているかもしれませんね。騒音や落とし物についてではありませんが、道路の不具合を通知できるような機能も他自治体では実現しています。

本日はたくさんのアイデアを聞かせてもらいましたが、これは特に必要だと感じたものをひとつだけあげるなら、防災マップアプリです。いつどこで災害に遭うのかわからないので、近くの避難所がわかる、どんな被害があったのかがわかるアプリは非常に大切だなと思いました。今回の未来ミーティングで、今後の市の業務に生かせるヒントをたくさんもらえました。ありがとうございました。

市長が話す様子

この記事に関するお問い合わせ先
茨木市 市民文化部 市民生活相談課
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