平成30年度「若者が選挙に行きやすくなるアイデアを考えよう」

更新日:2022年01月18日

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日時・場所

1.日時

平成30年8月3日(金曜日)午前10時~正午

2.場所

春日丘高校 ウィステリアホール

出席者・テーマ

1.出席者

茨木市からの出席者

福岡市長、上田市民文化部長、杉林選挙管理委員会事務局長、原選挙管理委員会事務局参事

高校生の出席者

春日丘高校 選挙管理委員を中心とした生徒15名

福留校長、下本教頭、福島教諭

2.テーマ

「若者が選挙に行きやすくなるアイデアを考えよう」

未来ミーティングの概要

福岡市長と春日丘高校の生徒15名が『若者が選挙に行きやすくなるアイデアを考えよう』をテーマに、未来ミーティングを実施しました。

 

高校生の皆さんはテーマに関する事前学習として、茨木市の年齢層ごとの投票率や、政治に無関心だとどうなってしまうのか、若者の投票率が高い外国の事例等についての講義を、7月19日に受けました。

 

ミーティング当日はA、B、Cの3班に分かれ、各自が事前に考えてきたアイデアをもとにグループワークを実施。模造紙にグループとしてのアイデアをまとめた後、発表を行いました。

 

A班からはまず、若者はスマートフォンを利用することが多いという点に着目し、インターネット投票の拡大を前提として『スマホゲームにインターネット投票サイトへのリンクを貼りつける』というアイデアが発表されました。また、投票日には位置情報ゲームアプリを活用して、スタンプラリーのようなイベントを開催するなど、選挙にとどまらず、市全体を視野に入れたスマートフォンの活用案も披露されました。

次に、『目に留まるようなキャッチーなポスターをつくる』というアイデアが出ました。これは「候補者の顔とスローガンが載っているだけのポスターは、印象に残りにくい」という生徒の意見から生まれたもので、「今までの枠にとらわれない新しいものを作ることができれば、市民の目にも留まりやすくなる。そして候補者に関心を持ってもらいやすくすることで、投票率も変わってくるのではないか」という提案です。

さらに、「政治や選挙の仕組みを絵本にして子どもに読み聞かせる」「子どもの意見を聞く機会として『子ども選挙』を実施し、結果を公表する」という内容で、『子どもの頃から政治を身近に感じさせる』『親にも影響を与える』という観点からのアイデアも出ました。

A班生徒の発表

 

B班では若者が選挙に行かない理由として「投票に行くのが面倒」「近くに投票所がない」といった意見が出たことから、『インターネット投票の実施や、コンビニのような身近なところに投票所を設置してはどうか』というアイデアが出ました。グループワークでは「投票が気軽すぎるのはどうか」という声も上がったそうですが、「投票率の現状を考えると気軽すぎるくらいがいい」と話がまとまったとのこと。また、『選挙に行くと各種サービスや特典を受けられるようにすれば、より投票率が上がるのではないか』という提案も出ました。

ほかに、『小学生の頃から段階を踏んで政治について学ぶ』というアイデアや、『投票の日という祝日をつくる』といったユニークな提案も出ました。その意見は「『投票の日』にはすべての娯楽施設は閉鎖、テレビ番組も選挙放送しか流れないようにし、国中が選挙一色に染まる。投票すれば娯楽施設は利用可能となり、テレビも通常放送にもどるようにすることで選挙に参加してもらうのが狙い」というものでした。

B班生徒の発表

 

C班の発表は「子どもの頃から親に選挙に連れて行ってもらっていた友人は、選挙に行くことがすでに当たり前になっている」という生徒の話から始まりました。この身近な経験談をもとに、子どもの頃から親子で選挙に行くことを習慣づけるために『親子で投票所に行きたくなるための改革』を提案しました。「投票所にお菓子やおもちゃを設置したり、ゆるキャラを配置することで、子どもが行きたくなる。そうすると、親が子どもを投票所に連れていくようになり、投票所の雰囲気が明るく、やわらかくなる。そして、若者も投票所に行きやすくなる」という考えです。この子どもたちが大人になったときに、また自分の子どもを選挙に連れていくといった連鎖が生まれ、投票率が上がると発表しました。

そのほか、公約が難しく、頭に入ってきにくいという意見から、より分かりやすく簡潔に、箇条書きにするなどしたほうがいいのではないかというアイデアも出ました。

C班生徒の発表

 

発表終了後、各班の発表を踏まえて意見交換を実施しました。選挙管理委員会の職員からは「選挙に限らず、『子どもの頃からよい習慣を身につけさせる』という考えには非常に共感できる」「『投票の日』を定めるというアイデアは10年ほど前に総務省でも検討されていた。総務省と同じレベルの提案が出たことに驚いた」「スマホゲームの画面にインターネット投票へのリンクを貼りつけるというのは思いもよらない発想」「選挙に関して、いろいろな場面でわかりにくいという意見が多かったように思う。専門用語を分かりやすく表現することが、関心を高めるためには必要だと再確認でき、非常に参考になった」といった感想が述べられました。

 

進行役の福島教諭からの「自分自身は、ちゃんと投票に行きますか?」という問いに対しては、生徒たちから「2年後に18歳になるが、吟味してから投票したいと感じた。しかし、投票に行きやすい環境が整っていればよいが、今のままだと行くかどうか分からない」という意見や、「政治を遠いところに感じる。自分が声を上げても何も変わらない無力さを感じるので、投票に興味はあるが18歳になっても行かないかもしれない」という意見も出ました。

市長と生徒の対話

 

これらの意見に対して、選挙管理委員会事務局長が「投票に行っても、結果的に自分の意見が反映されないということもあります。反映されないからといって自分の声を発信しないのは残念。チャレンジしてみてもいいんじゃないでしょうか」と、伝えました。

 

ここで、福島教諭から「政治と自分たちとの距離感の話が出たが、春日丘高校の生徒会はどうかな?」という質問が。ある生徒は「昨年は投票率が問題になっていたので、今回の投票では軽音楽部やダンス部に協力してもらい、立候補者の演説時にパフォーマンスをしてもらうことで生徒の関心を集めようとした」と回答。投票率は前回に比べて下がってしまいましたが、今年は自主的な投票を重んじた結果だと受け止めているということです。

また、今年の立会演説会はインタビュー形式で行ったことにより時間の短縮に成功し、生徒たちは集中して立候補者の話を聞けたのではないかということです。その結果、8割の生徒から「今回の選挙はよかった」という声が上がっていたそうです。

 

続いて、「生徒会選挙の投票率は何パーセントくらいだったの?」と、市長が質問。「95パーセント。かつては75パーセントまで落ち込んだものが、この2年ほどで今の数値まで持ち直した」との答えには市長も感心していました。

生徒と市長の対話

 

最後に市長が、「インターネット投票は、近い将来に国全体で実現するんだろうなと思います。また、子どもの頃から身近に選挙を感じてもらうという話が出ていましたが、大人の責任としてどんな背中を見せられればよいのか。テレビでは悪い政治家が切り取られることが多いので、日ごろからまっとうに活動している政治家の姿をいかに届けるかが大切だと思います。ほかにも面白い意見をたくさん聞くことができました。皆さんは私の想像以上にしっかり考えているし、発表も上手。未来は明るいと感じました。これからもいろいろなところに飛び込んで若い人たちの話を聞いていこうと思います」と感想を述べて、意見交換会を締めくくりました。

市長の講評

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