広場活用社会実験「IBALAB@広場」まとめ
更新日:2025年06月10日
令和2年度より約4年半、たくさんの方にご利用いただきました「IBALAB@広場」は、令和7年3月末で社会実験としての運営を終了しました。IBALAB@広場のこれまでをまとめましたので、ぜひご覧ください!
社会実験の概要・目的
IBALAB@広場は、おにクル整備に向けた社会実験の場として、解体された元市民会館の跡地に暫定整備されました。
広場活用のコンセプトは「育てる広場」。
中心市街地の真ん中で、広場の使い方を試したり、やってみたかったことを小さく始めてみたり、公共空間を「使う」視点で考える「実験場」として広場はつくられました。



どんな広場にする?
デザインや設えをみんなで考えました
「どんなことがしたいか」、そのために「どんなものがあれば良いか」などをテーマにアイデアを発想。ここで出た意見を、暫定広場の設計等に反映していきました!



「できる」ルールもみんなで考えました
たくさんの市民に使ってほしいので、広場のオープン当初に考えていたのは「禁止事項ではなく、できることを増やしていく」ということのみでした。
「できる」ルールは市民ワークショップで検討。決めたルールはまず実際に試してみて、使い勝手やニーズなど、運営していく中で広場を使う人たちと一緒に変えていきました。



スケートボートも「できる」

運営開始の翌年に、花火も「できる」
ルールは独自のピクトグラムに
茨木市内で活動されるアートユニット「one art project」さんが、広場で掲示する「できる」ルールのピクトグラムを作成。ボール遊び、音楽の演奏などのアクティビティごとに、実際に広場を使う人をモデルにしたピクトグラムを作成いただきました。

全て「〇〇できます」と記載


One Art Project 稲垣 元則さん 藤本 聖美さん
思い切って「場」をひらく
茨木市内では、スケートボードなどのストリートスポーツや、こども達の花火、さまざまなマルシェや音楽演奏など、多様な市民の活動を日常的に受け入れることができる空間はありませんでした。
そこで、IBALAB@広場では「場を開く」社会実験としても取組みを行うこととし、多様なアクティビティを可能としつつ、イベント利用等にも積極的な貸し出しを行いました。
同時に、その運用やルール作りにおいては、できるだけ市民と一緒に進めることで、「場を育てる」空間になっていきました。
市民の発表の場、「やってみる」を実現する場に
令和2年10月から広場をイベントや活動の場として使っていただく運用を開始。
コロナ禍でままならない時期もありましたが、色んなことが「できる」景色が広がり認知されていくことで、少しずつ「自分もやってみよう」とチャレンジする市民が増えていきました。

マルシェ

たき火

ジャズコンサート

スケボーイベント

盆踊り

こども店長イベント
コーディネーターが一緒に考える
IBALAB@広場では、広場の利用に際し単に貸し出すだけではなく、使い方をアドバイスしたり、必要に応じて人や場、情報をつなぐなど、広場を使う人を支える「コーディネーター」を設置していました。
「一緒に考える」ことを大切に、伴走しながらサポートしていくことで活動の質は上がり、コーディネーターとしての「想い」も共有することで、主催者、来場者関わらず広場への愛着を持つ市民が増えていきました。


4年半で計600回以上
これまでに累計600回以上(令和7年3月末までの集計)のイベント等が実施され、広場を使いこなす市民や団体により都度新しい景色が生み出されました。市民が思い思いに過ごす風景はもちろん、賑やかなイベントも含め、どちらもまちの日常の風景として、馴染んでいきました。
公共空間は「自分たちの場所」
広場の設えやルールを一緒に考えて、さらにはイベントもコーディネーターと一緒に作り上げる。
そんなIBALAB@広場だからこそ、関わった人は広場をただの「公園」「貸しスペース」ではなく「自分たちの場所」として広場に愛着を持ち、自分ごととして楽しみながら活動するようになっていきました。
また、自身の活動や市主催のワークショップなどを介して愛着を持った人同士がつながり、新たな取組みやイベントなども増えていきました。
広場運営への市民の関わり
広場の北側にあるカフェ「いばらきコモンファクトリー」(実験終了に伴い現在は閉店)。
カフェの運営を担う団体は、ただ営業するだけにとどまらず、広場の設えをバージョンアップしたり、「いばらきマルシェ」「芝のみ」など、広場を代表するようなイベントをたくさん生み出しました。
イベント実施回数の累計は100回以上!クラブカルチャーを軸に「茨木市民の飲み会」を目指した「芝のみ」は、クリスマスやハロウィン、お盆など時期に合わせた企画を用意していたり、茨木産の魅力ある品々を知ってもらい、市内消費の循環を生むことを狙った「いばらきマルシェ」も、継続して実施していくことで、現在は広場以外の場所でも出展するような広がりが生まれています。
また、たき火を囲んで語り合う企画、夜のBAR企画「茨木ラマン」など、広場に滞在しながら楽しめる企画をあらゆる角度で展開することで、広場の魅力や、関わる人の多様性に繋がりました。



広場のウッドデッキやベンチの塗装の剥がれといった管理者の困りごとも、DIYをテーマに活動する市民団体が塗り直しイベントとして企画することで、楽しく維持管理に関われる体験に変わりました。
自分たちできれいに塗り直すことで、施設を身近に感じられるようになり、大事に使う意識づけにも繋がります。


「花とスケーター」企画
滑走音や利用マナーなど、一部の悪質な利用者が目立ち煙たがられがちなスケートボード。
話してみると明るく素直なスケーターが多いけど、全体としてはどうしてもマイナスイメージ。スケートボードも「できる」広場ですが、まちなかで「できる」価値を守り、どうにかポジティブな印象に変えられないか、と考えた市民から提案いただいたマナーアップ企画が「花とスケーター」です。
スケボーの練習道具(BOX)や植栽のプランターカバーをつくるところから、花壇の管理や水やりまで、スケーター自身が参加。
その経過で、広場を大事に使ってほしいこと、他のアクティビティとも共存してほしいことなどを伝え、顔が見える関係を作りながらマナーアップにつなげました。


実験のしめくくり 令和6年度「イバラボ the FINAL」
おにクルに向けた社会実験として始まったIBALAB@広場。最後の1年は、長期にわたる社会実験のしめくくりとして、広場に関わっていただいた方々と盛り上げるクロージングイヤーとしたいと考えました。
そこで、広場ユーザーや、これからイベントや活動を外に開いていきたいと考えている方々から事業への参加を募り、1年間かけて「IBALAB@広場らしい」イベントを展開していただく通年の事業「イバラボtheFINAL」を実施することにしました。
・実施スケジュール
参加者募集:令和6年3月1日~3月22日
初回メンバー顔合わせ:4月9日(火曜日)
クロージングイベント開始:5月2日~
・最終参加人数
22人
実施したイベント一覧(計30件) (PDFファイル: 182.7KB)
イベントの様子(一部)
1~5 10月20日 音楽グループ ohana 主催「HALLOWEEN PARTY」
6~9 9月23日 ブラフェス実行委員会主催「ブラフェス」

1~7 10月14日 KURASHIcycle・HAVE FUN・CheR主催「Close to you」
8~11 8月10日 茨木コモンズ主催「芝のみ盆踊り」

3月30日 イバラボ the FINAL

3月30日 ファイナルイベント「イバラボ the FINAL」について
最終イベントは、事業に参加した広場愛の強いメンバーと「イバラボ the FINAL実行委員会」を立ち上げ、企画内容について検討。
メンバーからは、「広場に関わってきた数年間を懐かしむ内容にしたい」「みんなで作りあげるイベントにしたい」「やるからには、来てくれた人(自分たちを含め)の記憶に残るイベントにしたい」といった声がありました。
それらメンバーの想いをかたちにするまで作戦会議を重ね、以下の3つの企画にまとまりました。
1. イバラボミュージアム(昼間)
これまでにたくさんの方が広場を利用したり、出演・出展してきたことで、色んな景色が生まれました。非日常と感じていた色んなことも、目にして体験することで日常化し、「行けば何かやっている」期待感のある場所になっていきました。
「イバラボミュージアム」は、そのように色んな形で広場を使っていただいた皆さんと一緒に、これまでの広場の風景を再現するイベントとして実施しました。


2. IBARA BON ODORI(夕方)
実行委員会メンバーも毎年楽しんでいた夏の恒例行事「芝のみ盆踊り」。
季節は違えど広場を代表するイベントを最後に再現したい!踊りたい!ということで、自分たちで準備することに。
提灯や行灯をワークショップ形式でみんなで作ったり、不要になった紅白幕キを譲っていただいたり、できるだけ手作りにこだわりました。
当日は本場の盆踊り曲に加え、「マツケンサンバ」や「恋するフォーチュンクッキー」など、豊富なバリエーションを選曲し、DJの采配で盛り上げました。



3. 思い出BAR(夜)
最後の最後は、みんなの広場の思い出を振り返りながら、実験広場の最後をゆっくり過ごしてもらうイベントを実施。
会場には、横3.5m、縦2mの大スクリーンを設置し、市や実行委員会メンバーが撮りためた写真や映像を投映したり、来られた方のイチオシ写真を発表する時間も設け、会場全体で4年半を懐かしみました。
季節外れの寒さに凍えながらも、スクリーンを眺めながら「こんなことあったんだ」「懐かしい!」など、それぞれ参加者が感慨に浸る穏やかで温かい雰囲気の企画になりました。


広場の社会実験を終えて
広場がオープンしてからの約4年半、ふらっと遊びに来る人から頻繁にイベントを行う人まで、たくさんの人の思い出になり、新しい風景が生まれました。
また、広場を起点に新たな活動や人のつながりを生み、「行けば何かに出会える場所」として、IBALAB@広場は共感を集めたと感じています。これは、茨木市の特徴の一つでもある「活動的な市民が多い」ことが風景として可視化されたのだとも思います。
「おにクルのための実験場」としてスタートしたIBALAB@広場ですが、多彩な活動や人、一緒に育てた想いは、「いいね」という共感を集め、共鳴するかのようにまち全体に広がっていたように感じます。
IBALAB@広場の社会実験は終わりましたが、広場から育まれてきた「試す」サイクルに終わりはありません。おにクルはこれからも「育てる広場」「共創の実験場」であり続けようと思います。
茨木市 市民文化部 共創推進課
向田 明弘
澤田 晴光
山根 香織
的場 理
石川 ひかる
蔭本 真由美
IBALAB@広場のまとめ冊子について
IBALAB@広場の取組みや、事業を進めるうえで大事に考えていたポイントなどを冊子
にまとめています。ぜひご覧ください。
- この記事に関するお問い合わせ先
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茨木市 市民文化部 共創推進課
〒567-0888 大阪府茨木市駅前三丁目9番45号 おにクルM2階
電話:072-631-0277
E-mail kyousou@city.ibaraki.lg.jp
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