生物多様性の危機

更新日:2021年12月15日

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今、地球では、これまでにないスピードで生きものの絶滅が起きているといわれています。
人間による活動による影響が主な原因で、地球上の種の絶滅のスピードは自然状態の約100倍~1,000倍にも達し、たくさんの生き物が絶滅の危機に瀕しています。
生態系は様々な生き物たちによって絶妙なバランスで保たれているため、1つの種の絶滅は、地球上から1種が存在しなくなるだけで終わりではありません。
有名な事例では、北太平洋岸からラッコが絶滅したことにより、餌となっていたウニが著しく増え、ウニの餌である海藻が無くなり、海藻林をすみかとしていた魚やエビまでもが絶滅してしまいました。
このように特定の種が突然絶滅すると、生態系のバランスが崩れ、他の種にも悪影響を及ぼしてしまいます。一度失った種は二度と元には戻せません。このままのスピードで生き物が絶滅していくと、いずれ私たち人類も存亡に危機に直面することになりかねません

人間の活動による危機は大きく4つに分けて考えられています。

第1の危機 人間による開発や乱獲による危機

土地の開発等は安全で快適な生活を営むためには必要ですが、その一方、自然環境や生き物に大きな影響を与えます。土地の開発による森林伐採や沿岸部の埋め立てによる干潟の消失など日本各地で生き物の生活の場が失われています。
また、私たちの食生活に欠かせない魚や動物ですが、必要以上の乱獲により、直接的にその種の減少に影響を与えています。

開発によって自然が失われている写真

第2の危機 人間の働きかけの減少による危機

里地・里山では人が自然に手を加え、田畑や雑木林、水路、ため池などをつくることにより、様々な生き物に生活の場を提供してきました。しかし、人口の減少や人間の生活圏が都会に集中していく中で、手入れができない田畑や雑木林が増えてきました。里地・里山の荒廃により、田んぼにいた水生生物や、日当たりの良い雑木林を好む植物などが絶滅の危機にさらされていきます。
また、里山などで猪や鹿の狩猟を行う人が減少することで、これらの動物の生息数が増えや生息域が広がり、生態系への影響も発生しています。

放棄耕作地の写真
放棄竹林

第3の危機 外来生物や化学物質による危機

もともとその地域で生息しておらず、人間の活動によって持ち込まれた生き物を「外来生物」といいます。人間がペットとして持ち込んだけれど飼い続けることができず、野生化してしまった場合や、植物の種などが船や輸入品に付着して持ち込まれてしまう場合があります。こうしてやってきた外来生物が、もともとの地域固有の生き物を食べ尽くしてしまうなど、生態系に影響を与える問題も出ています。

ウシガエルの写真

ウシガエル

ミシシッピアカミミガメの写真

ミシシッピアカミミガメ

第4の危機 地球温暖化などによる環境の変化による危機

地球温暖化により気温や海水温度が上昇することで、生き物の絶滅のリスクが生じています。海水温度の上昇により、既にサンゴが絶滅してしまったり、北極の海氷が減少することによりアザラシや北極グマの生息率も低下してしまっています。北極以外にも、気温が変わることで、生き物の分布や植物の開花、昆虫の発生時期が変化し、食物連鎖に強い影響を及ぼし、生き物同士のつながりが破綻していく恐れがあります。

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