令和7年3月上旬 伝統農法で育てる春の味 三島独活の収穫が最盛期を迎える

更新日:2025年03月21日

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3月上旬、茨木市北部にある千提寺地区の独活小屋(6メートル×12メートル)で、なにわの伝統野菜に認定されている「三島独活(うど)」の収穫が、最盛期を迎えました。

栽培するのは、今年で9年目を迎える独活農家の中井大介・優紀さん夫妻。三島独活の栽培は、江戸時代から伝わる伝統農法の「上室(うわむろ)栽培」で行っています。独活小屋の中に隙間なく植えこんだ根株の上に、わらと干し草を積み重ね、発酵させて熱を作り、独活に春が来たと勘違いさせて育てる。環境への負荷をかけることのない自然に優しい農法である一方、気候や温度など自然環境の影響を大きく受けるなど、栽培には多くの労力を要します。栽培に手間がかかることなどもあり、長年後継者がいない状態が続きましたが、平成27年に同地区出身の中井夫妻が引き継ぎました。優紀さんによると、この伝統農法で三島独活栽培を行っているのは、現在中井夫妻のみだそうです。二人三脚で全国唯一の伝統農法を継承しています。

優紀さんは「地域の有機物を使った土づくりを行ってきた甲斐もあって、例年より香りも甘みも強い独活が収穫できました。地域に根差した、「千提寺の味」が表現できているように思います。」と笑顔で話しました。

収穫された三島独活は太さ1~5センチ・長さ70センチほどの大きさ。色白で香りが良く、口当たりはやわらかいですが、シャキッとした歯ごたえが特徴です。外側の皮は春の季節を感じられるさわやかな風味で、根元の太い部分は特に甘さを蓄えています。あくも少ないため、酢のものやサラダとして生で食べられるほか、すき焼きや天ぷらと、さまざまな食べ方で楽しむことができます。

収穫は3月下旬まで行われ、京都や大阪の飲食店などで振る舞われます。