令和8年3月上旬 市特産品「三島独活」の収穫が最盛期を迎える
更新日:2026年03月10日
3月上旬、茨木市北部にある千提寺地区の独活小屋(6メートル×12メートル)で、なにわの伝統野菜に認定されている「三島独活(うど)」の収穫が、最盛期を迎えました。
栽培するのは、同地区出身の中井大介・優紀さん夫妻。約10年前、大介さんが働いていた企業を退職し、三島独活農家に転身しました。三島独活農家に転身したきっかけについて大介さんは、「サラリーマン時代に自宅で育てていた野菜が獣害に遭ったことで、獣害に遭っている農家の気持ちを考えるようになり、一次産業に携わりたいという気持ちが芽生えた」と話します。そんな中、中井さん夫妻の三島独活農家の師匠が後継者がいないまま引退する話を耳にし、伝統農法を受け継ぐ決心をしたといいます。現在、中井さん夫妻は一緒に農作業をし、収穫の喜びを多くの人に感じてもらおうと「三島独活株主制度」を実施しています。この制度には、出資額に応じて収穫した独活をもらえることに加え、一緒に農作業を楽しむことを目的に現在約170人が参加しているとのことです。
三島独活の栽培は、江戸時代から伝わる伝統農法の「上室(うわむろ)栽培」で行っています。独活の栽培は4月に独活の根株の養生を露地で開始し、12月までは露地で根株を育てます。根株を育てている期間には、独活は、地上では背丈を超えるほどの高さになります。12月になり、地上部が枯れると、大きくなった根株を掘り起こし、独活小屋内に隙間なく根株を植え込みます。根株の上にわらと干し草を積み重ねることで発酵熱を作り、独活に春が来たと勘違いさせて育てます。この農法は環境への負荷をかけることのない自然に優しい農法である一方、気候や温度など自然環境の影響を大きく受けるなど、栽培には多くの労力を要すとのこと。約1年かけて栽培する三島独活の伝統農法は手間がかかることなどもあり、優紀さんによると、この伝統農法で独活栽培を行っているのは、国内でも現在中井さん夫妻のみであるといいます。
独活の収穫は早朝から開始します。薄暗い独活小屋内のわらをめくりあげると太さ1~5センチ・長さ70センチほどの大きさの独活が整然と並んでおり、大介さんは一本ずつ根元から丁寧に切り採っていきます。収穫期を迎え大介さんは、「今年は猛暑などの影響もあり収穫量はやや少なめだが、できはとても良い」と話しました。
三島独活は紫外線を浴びせないことで色白になり、香りが良く、口当たりはやわらかいが、シャキッとした歯ごたえが特徴。外側の皮は春の季節を感じられるさわやかな風味で、根元の太い部分は特に甘さを蓄えています。あくも少ないため、酢のものやサラダとして生で食べられるほか、すき焼きや天ぷらと、さまざまな食べ方で楽しむことができます。
収穫は3月下旬まで行われ、京都や大阪の飲食店などで振る舞われるほか、直販も行っています。

