4月18日 あざやかな腕前を披露 総持寺の伝統行事「山蔭流庖丁式」
更新日:2023年04月28日



4月18日、正午から、西国三十三所第22番札所高野山真言宗補陀洛山(ふだらくさん)総持寺(総持寺一丁目)の伝統行事の一つ「山蔭流庖丁式」が行われました。
この行事は、同寺の本尊造立の際、開山中納言藤原山蔭が本尊を彫る仏師に千日間にわたり、毎日異なる献立の料理でもてなしたことから、例年、秘仏本尊開扉法要と同じ4月18日に行われています。現在の形式は室町時代から伝えられており、当主が賓客を前に、座敷にまな板をおき、料理をして見せたことに由来しています。
式は、料理の神様として崇めれている藤原山蔭に向け、魚を調理する腕前を披露するもので、藤原山蔭が祀られている庖丁式殿(開山堂)で行われました。腕前を披露したのは、山蔭流の調理師で作られた山蔭流京奉会(代表 坂口保則(さかぐちやすのり)さん)から選ばれた庖丁士の山田学さん(46歳)です。直垂(ひたたれ)や烏帽子などといった平安時代の装束に身を包んだ山田さんは、右手に長さ約30センチの庖丁、左手には真魚箸(まなばし)を持ち、今年奉納する三曲之鯛を見事な庖丁さばきで調理しました。堂内に流れる雅楽の調べに合わせ、鯛には手を触れず、勢いよくさばくさまは圧巻で、観客からは大きな拍手があがりました。
式を終えて、山田さんは、「とりあえずほっとしています。みなさんの支えがあって、練習以上にバランスよくさばくことができました」と晴れやかな表情で語りました。庖丁士の見事な技を堪能した観客は、「今年も伝統のある行事を見られてよかったです。来年も楽しみにしています」と話していました。