3月上旬 香りと甘さを蓄えた春の味 三島独活の収穫が最盛期を迎える

更新日:2024年03月07日

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3月上旬、市北部にある千提寺地区の独活小屋で、なにわの伝統野菜に認定されている「三島独活(うど)」の収穫が、最盛期を迎えました。

栽培するのは、今年で独活農家として8年目を迎える中井さん夫妻。江戸時代から伝わる伝統農法の「上室(うわむろ)栽培」を行っています。独活小屋の中に隙間なく植えこんだ根株の上に、わらと干し草を積み重ねて発酵させて熱を作り、独活に春が来たと勘違いさせて育てる上室栽培は、環境への負荷をかけることのない自然に優しい農法である一方、気候や温度など自然環境の影響を大きく受けるなど、多くの労力を要します。中井さんによると、この伝統農法で独活栽培を行っているのは、国内でも現在中井夫妻のみであるという。二人三脚で全国唯一の伝統農法を継承しています。

うす暗い独活小屋(6メートル×12メートル)の中で中井さんは、太さ1~5センチ・長さ70センチほどの独活を一本ずつ根本から切り採りながら「昨今の気候変動で病気対策が大変でしたが、香りと甘さを蓄えた立派な独活が収穫できました」と話しました。

色白で香りが良く、口当たりはやわらかいが、シャキッとした歯ごたえが三島独活の特徴。外側の皮は春の季節を感じられるさわやかな風味で、根本の太い部分は特に甘さを蓄えています。あくも少ないため、酢のものやサラダとして生で食べられるほか、すき焼きや天ぷらと、さまざまな食べ方で楽しむことができます。

収穫は3月下旬まで行われ、市内の飲食店や大阪・京都の料亭などで振る舞われます。