○茨木市債権の管理に関する条例

平成23年3月29日

茨木市条例第14号

(目的)

第1条 この条例は、市の債権の管理に関する事務の処理について必要な事項を定めることにより、債権の適正な管理を図り、もって公正かつ円滑な行財政運営に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 市の債権 金銭の給付を目的とする市の権利をいう。

(2) 市の私債権等 市の債権のうち、地方自治法(昭和22年法律第67号)第231条の3第3項に規定する歳入に係る債権及び地方税法(昭和25年法律第226号)第1条第1項第4号に規定する地方税に係る債権を除いたものをいう。

(他の条例等との関係)

第3条 市の債権の管理に関する事務の処理については、法令又は条例及びこれらに基づく規則に特別の定めがある場合を除くほか、この条例の定めるところによる。

(台帳の整備)

第4条 市長は、市の債権を適正に管理するために、規則で定める事項を記載した台帳を整備するものとする。

(督促)

第5条 市長は、市の債権について、履行期限までに履行しない者があるときは、期限を指定してこれを督促しなければならない。

(強制執行等)

第6条 市長は、市の私債権等について、前条の規定による督促をした後相当の期間を経過してもなお履行されないときは、次の各号に掲げる措置をとらなければならない。ただし、第10条の措置をとる場合又は第11条の規定により履行期限を延長する場合その他特別の事情があると認める場合は、この限りでない。

(1) 担保の付されている市の私債権等(保証人の保証があるものを含む。)については、当該債権の内容に従い、その担保を処分し、若しくは競売その他の担保権の実行の手続をとり、又は保証人に対して履行を請求すること。

(2) 債務名義のある市の私債権等(次号の措置により債務名義を取得したものを含む。)については、強制執行の手続をとること。

(3) 前2号に該当しない市の私債権等(第1号に該当する市の私債権等で同号の措置をとってもなお履行されないものを含む。)については、訴訟手続(非訟事件の手続を含む。)により履行を請求すること。

(専決処分)

第7条 訴訟手続等により市の私債権等の履行を請求する場合は、市長の専決処分事項の指定について(平成17年3月25日議決)により処理することができる。

2 市長は、前項の規定により専決処分をしたときは、これを議会に報告しなければならない。

(履行期限の繰上げ)

第8条 市長は、市の債権について履行期限を繰り上げることができる理由が生じたときは、遅滞なく、債務者に対し、履行期限を繰り上げる旨の通知をしなければならない。ただし、第11条第1項各号のいずれかに該当する場合その他特に支障があると認める場合は、この限りでない。

(債権の申出等)

第9条 市長は、市の債権について、債務者が強制執行又は破産手続開始の決定を受けたこと等を知った場合において、法令の規定により市が債権者として配当の要求その他債権の申出をすることができるときは、直ちに、そのための措置をとらなければならない。

2 前項に規定するもののほか、市長は、市の債権を保全するために必要があると認めるときは、債務者に対し、担保の提供(保証人の保証を含む。)を求め、又は仮差押え若しくは仮処分の手続をとる等必要な措置をとらなければならない。

(徴収停止)

第10条 市長は、市の私債権等で履行期限後相当の期間を経過してもなお完全に履行されていないものについて、次の各号のいずれかに該当し、これを履行させることが著しく困難又は不適当であると認めるときは、以後その保全及び取立てをしないことができる。

(1) 法人である債務者がその事業を休止し、将来その事業を再開する見込みが全くなく、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるとき。

(2) 債務者の所在が不明であり、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるときその他これに類するとき。

(3) 債権金額が少額で、取立てに要する費用に満たないと認められるとき。

(履行延期の特約等)

第11条 市長は、市の私債権等について、次の各号のいずれかに該当する場合においては、その履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合において、当該債権の金額を適宜分割して履行期限を定めることを妨げない。

(1) 債務者が無資力又はこれに近い状態にあるとき。

(2) 債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、その現に有する資産の状況により、履行期限を延長することが徴収上有利であると認められるとき。

(3) 債務者について災害、盗難その他の事故が生じたことにより、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であるため、履行期限を延長することがやむを得ないと認められるとき。

(4) 損害賠償金又は不当利得による返還金に係る市の私債権等について、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、弁済につき特に誠意を有すると認められるとき。

(5) 貸付金に係る市の私債権等について、債務者が当該貸付金の使途に従って第三者に貸付けを行った場合において、当該第三者に対する貸付金に関し、第1号から第3号までのいずれかに該当する理由があることその他特別の事情により、当該第三者に対する貸付金の回収が著しく困難であるため、当該債務者がその債務の全部を一時に履行することが困難であるとき。

2 市長は、履行期限後においても、前項の規定により履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合においては、既に発生した履行の遅滞に係る損害賠償金その他の徴収金(次条第1項及び第13条第1項において「損害賠償金等」という。)に係る市の私債権等は、徴収すべきものとする。

(免除)

第12条 市長は、前条の規定により債務者が無資力又はこれに近い状態にあるため履行延期の特約又は処分をした市の私債権等について、当初の履行期限(当初の履行期限後に履行延期の特約又は処分をした場合は、最初に履行延期の特約又は処分をした日)から10年を経過した後において、なお、債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、かつ、弁済することができる見込みがないと認められるときは、当該債権及びこれに係る損害賠償金等を免除することができる。

2 前項の規定は、前条第1項第5号に掲げる理由により履行延期の特約をした貸付金に係る市の私債権等で、同号に規定する第三者が無資力又はこれに近い状態にあることに基づいて当該履行延期の特約をしたものについて準用する。この場合における免除については、債務者が当該第三者に対する貸付金について免除することを条件としなければならない。

(放棄)

第13条 市長は、市の私債権等について、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該債権及びこれに係る損害賠償金等を放棄することができる。

(1) 債務者が著しい生活困窮状態(生活保護法(昭和25年法律第144号)の適用を受け、又はこれに準ずる状態をいう。)にあり、資力の回復が困難であると認められるとき。

(2) 破産法(平成16年法律第75号)第253条第1項その他の法令の規定により債務者が当該債権につきその責任を免れたとき。

(3) 当該債権(時効の援用を要しない債権を除く。)について、債務者から時効の援用をしない旨の意思表示がある場合を除き、消滅時効に係る時効期間が満了したとき。

(4) 債務者が死亡、失踪、行方不明その他これに準ずる事情にあり、かつ、徴収の見込みがないと認められるとき。

(5) 第6条の規定により強制執行等の手続をとっても、なお完全に履行されない当該債権について、強制執行等の手続が終了したときにおいて債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、弁済する見込みがないと認められるとき。

(6) 第10条により徴収停止の措置をとった当該債権について、徴収停止の措置をとった日から相当の期間を経過した後においても、なお債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、弁済する見込みがないと認められるとき。

2 市長は、前項の規定により市の私債権等を放棄したときは、これを議会に報告しなければならない。

(委任)

第14条 この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

この条例は、平成23年4月1日から施行する。

茨木市債権の管理に関する条例

平成23年3月29日 条例第14号

(平成23年4月1日施行)