○茨木市屋外広告物条例
令和6年3月26日
茨木市条例第15号
目次
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 広告物等の制限(第6条―第10条)
第3章 広告物等の許可等(第11条―第20条)
第4章 監督処分(第21条―第28条)
第5章 雑則(第29条・第30条)
第6章 罰則(第31条―第34条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、屋外広告物法(昭和24年法律第189号。以下「法」という。)の規定に基づき、屋外広告物(以下「広告物」という。)及び広告物を掲出する物件(以下「掲出物件」という。)について必要な規制を行うことにより、良好な景観を形成し、若しくは風致を維持し、又は公衆に対する危害を防止することを目的とする。
(1) 広告主 自ら広告物若しくは掲出物件(以下「広告物等」という。)を表示し、設置し、若しくは管理し、又は屋外広告業者その他の者に広告物等の表示、設置若しくは管理をさせる者をいう。
(3) 屋外広告業者等 屋外広告業者その他広告主から委託を受けて広告物等を表示し、設置し、又は管理する者をいう。
(4) 自家用広告物等 自己の氏名、名称、店名若しくは商標又は自己の事業若しくは営業の内容を表示するために、自己の居宅又は事業所、事務所、営業所、作業場等に表示し、又は設置する広告物等をいう。
2 前項に定めるもののほか、この条例における用語の意義は、法の定めるところによる。
(広告物等のあり方)
第3条 広告物等は、良好な景観若しくは風致を害し、又は公衆に対して危害を及ぼすおそれのないものでなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、この条例の目的を達成するため、広告物等に関する施策を実施するものとする。
2 市は、広告物等に関する施策を推進するに当たっては、市民に対する広告物等についての啓発、広告主及び屋外広告業者等に対する指導並びに関係行政機関及び関係団体との協力体制の確立に努めなければならない。
(広告主等の責務)
第5条 広告主は、その広告物等がこの条例の規定に違反し、良好な景観若しくは風致を害し、又は公衆に対して危害を及ぼすことがないよう、当該広告物等の表示、設置又は管理が適正に行われるために必要な措置を講じなければならない。
2 屋外広告業者等は、広告物等の表示、設置及び管理がこの条例の規定に適合したものとなるよう、広告主その他の関係者に対して助言を行い、その他必要な措置を講じるものとする。
3 市民、広告主及び屋外広告業者等は、市がこの条例の目的を達成するために実施する施策に協力するよう努めなければならない。
第2章 広告物等の制限
(1) 都市計画法(昭和43年法律第100号)第2章の規定により定められた用途地域が第1種低層住居専用地域又は第2種低層住居専用地域である区域
(2) 文化財保護法(昭和25年法律第214号)第27条第1項の規定により指定された重要文化財(建造物に限る。)の敷地、その周辺の地域のうち市長が指定するもの及び同法第109条第1項又は第110条第1項の規定により指定され、又は仮指定された史跡、名勝又は天然記念物の地域又は場所
(3) 大阪府文化財保護条例(昭和44年大阪府条例第5号)第7条第1項の規定により指定された大阪府指定有形文化財(建造物に限る。)の敷地、その周辺の地域のうち市長が指定するもの及び同条例第46条第1項の規定により指定された大阪府指定史跡、大阪府指定名勝又は大阪府指定天然記念物の地域又は場所
(4) 茨木市文化財保護条例(平成8年茨木市条例第14号)第4条第1項の規定により指定された茨木市指定有形文化財(建造物に限る。)の敷地、その周辺の地域のうち市長が指定するもの及び同条例第38条第1項の規定により指定された茨木市指定史跡、茨木市指定名勝又は茨木市指定天然記念物の地域又は場所
(5) 森林法(昭和26年法律第249号)第25条第1項第11号の規定により指定された保安林の区域のうち、市長が指定するもの
(6) 古墳及び墓地
(7) 前各号に掲げるもののほか、市長が指定する地域又は場所
3 市長は、禁止区域若しくは非自家用広告物等禁止区域を指定し、又は指定の変更若しくは廃止をしようとするときは、あらかじめ茨木市景観条例(平成24年茨木市条例第19号)第29条第1項の規定により設置された茨木市景観審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴かなければならない。
(1) 街路樹及び路傍樹
(2) 橋りょう及び地下道の上屋
(3) トンネル、高架構造物、道路の分離帯及び道路又は鉄道の擁壁
(4) 街灯(道路法(昭和27年法律第180号)第18条第1項に規定する道路管理者が設置するものに限る。)、信号機及び道路標識
(5) 道路上の柵及び駒止め
(6) 消火栓及び火災報知機
(7) 郵便ポスト及び電話ボックス
(8) 送電塔及び送受信塔
(9) 形像及び記念碑
(10) 景観法(平成16年法律第110号)第19条第1項の規定により指定された景観重要建造物及び同法第28条第1項の規定により指定された景観重要樹木
(11) 前各号に掲げるもののほか、市長が指定する物件
2 次に掲げる物件には、はり紙、はり札等、広告旗又は立看板等を表示し、又は設置してはならない。
(1) 電柱及び電話柱
(2) 街灯(前項第4号に掲げるものを除く。)
(3) アーケード柱及びアーチ
3 市長は、禁止物件を指定し、又は指定の変更若しくは廃止をしようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。
(禁止広告物等)
第8条 次に掲げる広告物等は、表示し、又は設置してはならない。
(1) 著しく汚染し、退色し、又は塗料等のはく離したもの
(2) 著しく破損し、又は老朽化したもの
(3) 倒壊又は落下のおそれのあるもの
(4) 信号機若しくは道路標識に類似し、又はこれらの効用を妨げるおそれのあるもの
(5) 道路交通の安全を阻害するおそれのあるもの
(1) 公職選挙法(昭和25年法律第100号)による選挙運動のために使用するポスター、立札等又はこれらの掲出物件
(2) 前号に掲げるもののほか、法令の規定により表示し、又は設置するもの
(3) 道先案内図その他公共上やむを得ないもののうち、公共団体、公益社団法人若しくは公益財団法人又は自治会その他これに類する団体が表示し、又は設置するもの
(4) 自家用広告物等のうち、規則で定める基準に適合するもの
(5) 冠婚葬祭又は祭礼のため、一時的に表示し、又は設置するもの
(6) 講演会、展覧会、音楽会その他これらに類する催物のため、当該催物を開催する会場の敷地内に表示し、又は設置するもの
(1) 自己の管理する土地又は物件に当該土地又は物件の管理上の必要に基づき表示し、又は設置する広告物等のうち、規則で定める基準に適合するもの
(2) 公益上必要な物件に寄贈者名等を表示する広告物のうち、規則で定める基準に適合するもの
(3) 前項第3号に掲げるもの以外の道先案内図その他の公衆の利便に供する広告物等のうち、規則で定める基準に適合するもの
(4) 前項第4号に掲げるもの以外の自家用広告物等のうち、都市計画法第11条第1項第5号若しくは第6号に掲げる施設を利用して表示し、若しくは設置するもの又は当該施設の敷地内に表示し、若しくは設置するもの
(5) 電柱、電話柱又は停留所標識を利用して表示し、又は設置するもの
(6) 車両、船舶、航空機等(以下「車両等」という。)を利用して表示し、又は設置するもの
(7) 前各号に掲げるもののほか、営利を目的としない広告物等のうち、規則で定めるもの(規則で定める基準に適合するものに限る。)
(1) 公共団体、自治会、商店街振興組合法(昭和37年法律第141号)に規定する商店街振興組合、特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号)第2条第2項に規定する特定非営利活動法人等(以下この号において「公共団体等」という。)が行う地域における公共的な取組(規則で定める取組に限る。)に要する費用の一部に充てるため、広告主との契約に基づき道路(道路法第2条第1項に規定する道路をいう。以下この項において同じ。)又は当該道路に接続する公共団体等の所有若しくは管理に属する場所に表示し、又は設置するもの
(2) 公共団体が管理する道路の維持、修繕その他の管理に要する費用の一部に充てるため、広告主との契約に基づき当該管理する道路に表示し、又は設置するもののうち、規則で定めるもの
4 市長は、この条例の規定を適用しない広告物等を定め、変更し、又は廃止しようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。
第3章 広告物等の許可等
(事前協議)
第11条 茨木市景観条例第6条第3項の規定により景観形成地区に指定された地区における広告物等の表示又は設置について次条第1項又は第13条第1項の許可の申請をしようとする者は、あらかじめ、規則で定めるところにより、表示し、又は設置しようとする広告物等の内容について、市長と協議しなければならない。
2 市長は、前項の協議において、広告物等の表示又は設置に関し必要な助言又は指導を行うことができる。
(許可)
第12条 広告物等を表示し、又は設置しようとする者は、規則で定めるところにより、市長の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる広告物等については、この限りでない。
(2) 規則で定める車両等を利用して表示し、又は設置する広告物等
(3) 規則で定めるはり紙、はり札等、広告旗又は立看板等であって、表示し、又は設置する期間が30日を超えないもの
2 前項の許可の基準は、規則で定める。
3 市長は、第1項の許可に必要な条件を付することができる。
4 第1項の許可の期間は、2年を超えない範囲内において、規則で定める。
5 市長は、第2項の許可の基準を定め、変更し、又は廃止しようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。
6 市長は、前項の規定に定めるもののほか、広告物等の規制その他広告物等に関する事項について必要があると認めるときは、審議会の意見を聴くことができる。
(変更の許可等)
第13条 前条第1項の許可を受けた者(以下「許可広告物表示者等」という。)は、規則で定める事項を変更し、又は当該許可に係る広告物等を改造し、若しくは移転しようとするときは、規則で定めるところにより、市長の許可を受けなければならない。
3 許可広告物表示者等は、規則で定める事項に変更があったときは、変更のあった日から5日以内に、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。
(1) はり紙又ははり札等 100枚までごとに250円
(2) 広告幕 1枚につき350円
(3) 広告旗 1枚につき350円
(4) 立看板等 1基につき200円
(5) アドバルーン 1個につき650円
(6) 車両等を利用して表示され、又は設置される広告物等(表示面積(1車両等に2個以上の広告物等が表示され、又は設置される場合は、それらの合計面積をいう。)が4平方メートル未満のものに限る。) 1個につき250円
(7) 車両等を利用して表示され、又は設置される広告物等(前号に掲げるものを除く。) 1車両等につき2,000円
(9) 広告塔又は広告板(表示面積が2平方メートル以上5平方メートル以下のものに限る。) 1件につき1,000円
(10) 広告塔又は広告板(前2号に掲げるものを除く。) 1件につき1,000円に、5平方メートルを超える表示面積が5平方メートルまでごとに1,000円を加算した額
2 市長は、公益上必要があると認めるときその他特別の理由があると認めるときは、手数料を減額し、又は免除することができる。
3 既納の手数料は、還付しない。ただし、市長が特別の理由があると認めるときは、その全部又は一部を還付することができる。
(点検義務)
第19条 広告物等の所有者等は、所有し、占有し、又は管理する広告物等について、2年を超えない期間ごとに屋外広告士(法第10条第2項第3号イに掲げる者をいう。)又はこれと同等以上の知識を有する者として規則で定める者に、当該広告物等の本体、接合部、支持部分等の劣化及び損傷の状況の点検をさせなければならない。ただし、規則で定める広告物等については、この限りでない。
第4章 監督処分
2 市長は、法第7条第2項の規定により掲出物件を除却する場合においては、5日以上の期限を定め、その期限までにこれを除却すべき旨及びその期限までに除却しないときは、市長又はその命じた者若しくは委任した者が除却する旨を公告しなければならない。
(広告物等を保管した場合の公示事項)
第22条 法第8条第2項の条例で定める事項は、次に掲げる事項とする。
(1) 保管した広告物等の種類及び数量
(2) 保管した広告物等の放置されていた場所及び当該広告物等を除却し、又は除却させた日時
(3) 当該広告物等の保管を始めた日時及び保管の場所
(4) 前3号に掲げるもののほか、保管した広告物等を返還するために必要と認められる事項
(広告物等を保管した場合の公示方法)
第23条 法第8条第2項の規定による公示は、前条各号に掲げる事項を、保管を始めた日から起算して14日間(法第8条第3項第1号に掲げる広告物にあっては、2日間)、規則で定める場所に掲示することにより行うものとする。
2 市長は、前項に規定する方法による公示を行うとともに、保管した広告物等を登載した一覧簿を規則で定める場所に備え付け、かつ、これを関係者の閲覧に供しなければならない。ただし、保管した広告物等が法第8条第3項第1号に掲げる広告物である場合は、この限りでない。
(1) 法第7条第4項の規定により除却された広告物 2日間
(2) 特に貴重な広告物等 3月間
(3) 前2号に掲げる広告物等以外のもの 2週間
(保管した広告物等の価額の評価の方法等)
第25条 法第8条第3項の規定による保管した広告物等の価額の評価は、取引の実例価格、当該広告物等の使用期間、損耗の程度その他当該広告物等の価額の評価に関する事情を勘案して行うものとする。この場合において、市長は、必要があると認めるときは、広告物等の価額の評価に関し専門的知識を有する者の意見を聴くことができる。
(保管した広告物等を売却する場合の手続)
第26条 法第8条第3項の規定による保管した広告物等の売却は、競争入札に付して行うものとする。ただし、競争入札に付しても入札者がない広告物等その他競争入札に付することが適当でないと認められる広告物等については、随意契約により売却することができる。
2 市長は、前項本文の規定による競争入札のうち一般競争入札により売却をしようとするときは、当該入札期日の前日から起算して5日前までに、当該広告物等の名称又は種類、数量その他規則で定める事項を規則で定める場所において行う掲示その他の適切な方法により公告しなければならない。
3 市長は、第1項本文の規定による競争入札のうち指名競争入札により売却をしようとするときは、やむを得ない理由があるときを除き、3人以上の入札者を指名し、かつ、それらの者に当該広告物等の名称又は種類、数量その他規則で定める事項をあらかじめ通知しなければならない。
4 市長は、第1項ただし書の規定による随意契約により売却をしようとするときは、2人以上の者から見積書を徴さなければならない。ただし、市長が特に必要がないと認めるときは、この限りでない。
(保管した広告物等を返還する場合の手続)
第27条 市長は、法第8条第1項の規定により保管した広告物等(法第8条第3項の規定により売却した代金を含む。)を当該広告物等の所有者等に返還するときは、当該返還を受ける者に、その住所及び氏名を証するに足りる書類を提示させる等の方法により、当該広告物等の返還を受けるべき者であることを証明させた上で、規則で定める受領書と引き換えに返還するものとする。
(広告主に対する指導等)
第28条 市長は、広告物等がこの条例の規定に違反し、良好な景観若しくは風致を害し、又は公衆に対して危害を及ぼすおそれがあると認めるときは、規則で定めるところにより、当該広告物等の広告主に対し、当該広告物等の表示、設置又は管理の委託を受けた者へのその違反に係る状態の是正の要請その他の適切な措置を講じるように指導することができる。
2 市長は、前項の規定による指導に従わない者に対し、当該指導に従うよう勧告することができる。
3 市長は、前項の規定による勧告を受けた者が正当な理由なく当該勧告に従わないときは、その者の住所及び氏名(法人その他の団体にあっては、その所在地、名称及び代表者の氏名)並びに当該勧告の内容を公表することができる。
4 市長は、前項の規定による公表をしようとするときは、当該公表に係る者に、あらかじめその旨を通知し、その者又はその代理人の出席を求め、釈明及び証拠の提出の機会を与えるため、意見の聴取を行わなければならない。
第5章 雑則
(報告及び立入検査)
第29条 市長は、良好な景観を形成し、若しくは風致を維持し、又は公衆に対する危害を防止するため必要があると認めるときは、この条例の施行に必要な限度において、許可広告物表示者等その他必要と認める者から報告若しくは資料の提出を求め、又はその職員に、広告物等の存する土地若しくは建物に立ち入らせ、広告物等若しくは資料を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入りをする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
(委任)
第30条 この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。
第6章 罰則
(罰則)
第31条 第21条第1項の規定による命令に違反した者は、500,000円以下の罰金に処する。
第32条 次の各号のいずれかに該当する者は、300,000円以下の罰金に処する。
(2) 第20条第1項の規定による除却をしない者
第33条 次の各号のいずれかに該当する者は、200,000円以下の罰金に処する。
(両罰規定)
第34条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前3条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、各本条の罰金刑を科する。
附則
(施行期日)
1 この条例は、令和7年1月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)前に府条例の規定により行われた許可、命令その他の処分及び申請、届出その他の手続は、この条例の相当規定によって行ったものとみなす。この場合において、施行日前に府条例の規定により行われた申請に対して施行日以後に許可を行うに当たっては、なお府条例の例による。
3 この条例の施行の際現に適法に表示し、又は設置する広告物等のうち、施行日においてこの条例の規定に抵触し、又はこの条例の規定により規則で定める許可の基準に適合しなくなるものについては、この条例の規定にかかわらず、前項の規定によりこの条例の相当規定によって行ったものとみなされた許可(施行日前に府条例の規定により行われた申請に対して施行日以後に行われた許可を含む。)を受けた広告物等にあっては当該許可の期間、それ以外の広告物等にあっては1年6月間(堅ろうな広告物等にあっては規則で定める期間)は、当該広告物等を表示し、又は設置することができる。
8 第12条第1項の規定は、車両等を利用して表示し、又は設置する広告物等のうち、施行日前に表示し、又は設置したものについては、適用しない。
9 この条例の施行前にした府条例の規定に違反する行為に対する罰則の適用については、なお府条例の例による。
(茨木市景観条例の一部改正)
10 茨木市景観条例の一部を次のように改正する。
第29条第1項中「この条例」の次に「又は他の条例」を加える。