○茨木市議会議員政治倫理条例

令和元年9月9日

茨木市条例第16号

茨木市議会は、公正性及び透明性を重んじ、市民に信頼される開かれた議会を目指し、茨木市議会基本条例を制定した。

この茨木市議会基本条例のもとに議員は市民の代表者として、自らの倫理性と責任を自覚し、行動することが求められている。

そのためには、議員が明確な政治倫理基準に基づき、市民の代表者としての責務を果たしていくことが必要である。

ここに茨木市議会は、市民と議員の信頼関係の基盤を築くため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、茨木市議会議員(以下「議員」という。)の政治倫理に関する規律の基本となる事項を定めることにより、議員活動における政治倫理を確立し、議員が市民の信頼に応え、公正で開かれた民主的な市政の推進に寄与することを目的とする。

(議員の責務)

第2条 議員は、市民の代表者として市政にかかわる権限と責務を自覚し、第4条に規定する政治倫理基準を順守して行動しなければならない。

2 議員は、法令及び条例を順守し、公正な職務執行を妨げるいかなる不当な要求にも屈してはならない。

3 議員は、政治倫理に反する事実があるとの疑惑を持たれたときは、真摯かつ誠実に疑惑を解明しなければならない。

(市民の責務)

第3条 市民は、議員に対し、その権限又は地位による影響力を不正に行使させるような働きかけをしてはならない。

(政治倫理基準)

第4条 議員は、市民の代表者として倫理性と責任を自覚し、次の各号に掲げる政治倫理基準を順守しなければならない。

(1) その地位を利用して不当に金品を授受しないこと。

(2) 政治活動に関し、政治的又は道義的批判を受けるおそれのある寄附を受けないこと。議員の後援団体にあっても同様とする。

(3) 市及び市の関係団体であって議会規則で定めるものが行う許認可、地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者(以下「指定管理者」という。)の指定、行政指導又は補助金その他の給付の決定若しくは請負その他の契約に関し、特定の個人、企業及び団体等に対して有利又は不利となる働きかけをしないこと。

(4) 市職員の公正な職務執行を妨げ、その権限を不正に行使するよう働きかけないこと。

(5) 市職員の採用、昇任、降任、転任その他の人事について、特定の個人が有利又は不利になるよう働きかけをしないこと。

(6) その地位を利用して嫌がらせをし、強制し、又は圧力をかける行為をしないこと。

(7) ハラスメント等公序良俗に反する言動又は行為をしないこと。

(8) 前各号に掲げるもののほか、名誉と品位を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関して不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。

(議員個人の請負の状況の報告)

第5条 議員は、毎年6月1日から同月30日までの間(当該期間内に任期満了又は議会の解散による任期終了により議員でない期間がある者で当該任期満了又は議会の解散による選挙により再び議員となったものにあっては、再び議員となった日から起算して30日を経過する日までの間)に、当該6月30日の属する会計年度の前会計年度(議員である期間に限る。第1号エにおいて同じ。)における市に対する請負(地方自治法(昭和22年法律第67号)第92条の2に規定する請負をいう。以下この条及び第8条において同じ。)(当該前会計年度において支払を受けたものに限る。)について、議長に対し、次に掲げる事項を報告しなければならない。

(1) 請負ごとに、それぞれ次に掲げる事項

 請負の対象とする役務、物件等

 契約締結日

 契約金額(契約金額が定められている請負に限る。)

 当該6月30日の属する会計年度の前会計年度において支払を受けた総額

(2) 前号エに掲げる総額の合計額

2 議員は、前項の規定による報告を訂正する必要があるときは、議長に、当該訂正の内容を届け出なければならない。

(報告の一覧の作成及び公表)

第6条 議長は、前条第1項の規定による報告(同条第2項の規定による訂正があった場合にあっては、当該訂正後の報告)の一覧を作成し、公表しなければならない。

(報告等の保存及び閲覧等)

第7条 第5条の規定による報告及び訂正は、議長において、当該報告をすべき期限の翌日から起算して5年を経過する日まで保存しなければならない。

2 何人も、議長に対し、前項の規定により保存されている報告及び訂正の閲覧又は写しの交付を請求することができる。

3 前項に規定する閲覧は無料とし、写しの作成及び送付に要する費用は請求者の負担とする。

(請負等に関する順守事項)

第8条 議員は、地方自治法第92条の2の規定の趣旨を尊重し、市民に疑惑の念を生じさせないようにするため、その3親等以内の親族が役員をしている会社その他の法人又は次に掲げる会社その他の法人(議会規則で定めるものを除く。)に、市に対する請負(準備行為を含む。)を辞退させるよう最大限努めなければならない。ただし、災害等特別の事情があるときは、この限りでない。

(1) 議員が資本金、基本金その他これらに準ずるものの3分の1以上を出資している会社その他の法人

(2) 議員が役員をし、又はその経営方針に関与している会社その他の法人

(3) 議員が報酬を受領している会社その他の法人

第9条 議員は、前条に規定する会社その他の法人が、指定管理者となることがないよう最大限努めなければならない。ただし、他に適当な指定管理者がない等やむを得ない事情のあるときは、この限りでない。

第10条 前2条に規定する請負及び指定管理者の指定があった場合は、当該請負及び指定管理者の指定に関係する議員は、速やかに議長に報告しなければならない。

(調査請求権)

第11条 地方自治法第18条に定める選挙権を有する市民は、議員が第4条第8条及び第9条の規定に違反する疑いがあると認めるときは、その総数の100分の1以上の者の連署をもって、その代表者(第4項において「調査請求代表者」という。)から議長に対し、調査請求書に議員が第4条第8条及び第9条の規定に違反する疑いのあることを証する資料を添えて、調査を請求することができる。

2 議長は、前項の規定による調査の請求を受けたときは、当該請求が同項に定める要件を満たすものであることを確認した後、速やかに茨木市議会政治倫理審査会に調査を求めなければならない。

3 茨木市議会政治倫理審査会は、前項の規定による調査の請求があったときは、速やかに調査を行い、その結果に関する報告書(次項において「調査報告書」という。)を作成し、議長に提出しなければならない。

4 議長は、調査報告書の提出を受けたときは、その要旨を速やかに公表するとともに、その内容を調査請求代表者に通知しなければならない。

(政治倫理審査会)

第12条 政治倫理について調査審議をするため、議長の諮問機関として茨木市議会政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置する。

2 審査会は、次に掲げる事務を行う。

(1) 前条第3項の規定によりその権限に属することとされた事項について調査審議を行うこと。

(2) 前号に掲げるもののほか、政治倫理の確立を図るため、議長の諮問に応じ、調査審議を行うこと。

3 審査会は、前項の規定による調査審議を行うため必要があると認めるときは、関係者の出席を求め、説明若しくは意見を聴き、又は資料の提出を求めることができる。

4 前3項に定めるもののほか、審査会の組織及び運営について必要な事項は、議会規則で定める。

(職務関連犯罪等の有罪確定後の措置)

第13条 議員が刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4までの規定及び第198条の規定に定める罪により有罪判決の宣告を受け、その刑が確定したときは、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第11条第1項の規定その他の法律の規定に該当することにより失職する場合を除き、議会はその名誉と品位を守り、市民の信頼を回復するため、必要な措置を講じるものとする。

(委任)

第14条 この条例の施行について必要な事項は、議会規則で定める。

この条例は、公布の日から施行する。

(令和5年条例第26号)

この条例は、公布の日から施行し、令和5年4月1日に始まる会計年度における請負から適用する。

茨木市議会議員政治倫理条例

令和元年9月9日 条例第16号

(令和5年12月20日施行)