特集 障害のある人も、ない人も。ものづくりで笑顔つながるまち
12月3日~12月9日は障害者週間
ものづくりを通して人の輪が広がり、人それぞれに喜びを感じる‒。
市内の福祉施設で、ものづくりから
生まれる「笑顔」を訪ねました。
問合先 障害福祉課 電話️620‒1636
目標ややりがいで人生を豊かに
市内にある障害福祉施設では、それぞれの人に合わせた生活の支援や、精神面でのサポートが行われています。
その一つが「ものづくり」。支援するのは芸術的な創作活動から、ハンドメイドや製造に関わる軽作業などの生産活動までさまざまですが、「一つのものをつくりあげる」ことで達成感を感じ、日々の生きがいにもつながっています。また、つくり手と観覧者・購入者が触れ合うことで、新たな交流が生まれ、それぞれの活動の幅が広がります。この冬に開催する展示会で、作品や製品に触れてみてはいかがでしょうか。
インタビュー01
つくることは楽しくて、訓練になって、人にも喜んでもらえること。
障害福祉センターハートフル 利用者 竹澤嘉則さん
編み物好きは人との交流がきっかけ
「刺繍や編み物が好きで、職員さんに手伝ってもらいながら、スヌード(ネックウォーマー)をつくっています」
障害福祉センターハートフルに生活介護で通う竹澤さんは、笑顔でそう語ります。入浴や歩行訓練の空き時間を見つけては毛糸を使ってスヌードを編むのが日課です。外出支援員との交流の中で手芸に興味を持つようになり、それを知った職員から訓練の一環として薦められたことから始まりました。
「1つつくるのに、10か月くらいかかります。好きだから、続けられるんだと思います」
「人のために何かをしたい」その気持ちが原動力に
編み物は手先の訓練にもなるため、一石二鳥だと話す竹澤さん。
「呼吸を忘れてしまうくらい夢中になってしまうので、職員さんと話しながら進めます。自分が楽しいから、好きだからつくっているのですが、できあがったものはお世話になっている人や友達にプレゼントしています」
保育士の仕事にあこがれ、人の役に立ちたいという気持ちを常に持ち続けており、自分の作品が売り物になるのが夢だといいます。
「いつか自分の作品が商品になったら、たとえ10円でも稼げたらいいな、と。それが目標です。稼いだお金で、ここに通う仲間にコーヒーの1杯でもごちそうしてあげたいんです。人に笑顔になってほしい、というのが、私が作品をつくる理由の一つです」
行ってみよう 身近に生まれる芸術の数々 ハートフル作品展・アールブリュット展
ハートフル利用者と北摂地域のアールブリュット(何物にもとらわれない芸術)作家が出品。ダイナミックかつ緻密で心躍る作品の数々が展示される。
会場:障害福祉センターハートフル、日時:12月12日(火曜日)~16日(土曜日)午前9時~午後5時(最終日は午後3時まで)
インタビュー02
ものづくりを通して「きっかけ」を提供する
地域活動支援センター菜の花 施設長 岡真士さん
アートを楽しむことで生活の幅が広がる喜び
精神科に通院する方が通う「地域活動支援センター菜の花」で施設長を務める岡さん。3年前にアート関連プログラムを始めた際、利用者の意欲的な姿勢に喜びを感じました。
「展示会に出展する共同制作は、今では利用者の方々がメインで企画しています。それを見守りつつ、皆さんの主体的な活動を支援しています。社会活動への参加は個人では難しくても、仲間となら参加しやすいもの。そのようなきっかけづくりが大切だと感じました。また、外出が苦手だった方も展示を観るために出かけるなど、生活の幅も広がるんです」
利用者の吉谷さんもまた、岡さんに感激を与えた一人です。
「彼は体調不良の中でも絵を描き続け、2年ほどかけて完成させた作品をつい先日見せてくれました。『投げ出そうとしたこともあったけど、菜の花への感謝や恩返しの意味を込めて、完成させた』と言ってくれて。この2年ほどの支援の過程で彼の日々の努力を見てきたからこそ、胸にこみあげるものがありましたね」
行ってみよう ちかつアートフェスタ
「菜の花」をはじめ市内4か所の地域活動支援センターで制作した作品の展示や体験イベント、自主製品の販売など。年に2回~3回、イオンタウン茨木太田で開催。
インタビュー03
ここにいる人との交流で作品の形ができていく
就労継続支援B型事業所わかあゆ 利用者 村山祐子さん
制作の中で感じる周りの人のありがたさ
「ハンドメイドでレジン(透明な樹脂素材。液体を硬化させて成形する。)を始めたのは、ここで知り合った友達のリクエストでつくったアクセサリーを、喜んでもらえたのがきっかけなんです」
そう語る村山さんは、病気の治療などで就労が難しくなり「就労継続支援B型事業所わかあゆ」に通っています。事業所が受注する軽作業に取り組むかたわらでつくり続けているのは、レジンや刺繍を使ったアクセサリーなどのハンドメイド商品。事業所に寄附された部品を利用することも多く、それらを活かすために新しいデザインや手法に挑戦することもあるといいます。
「どんな感じに仕上がるかはいつも手探りで、実験のような感じです。ここに通う人たちの『こうしたらかわいいかも』『こういう物なら買いたい』という声をアイデアに取り入れています。周囲の人や物からヒントをもらい、気づいたら一つの商品が思いがけない形ででき上がっているんです。周りの人に恵まれていると、日々実感しながら制作しています」
障害も、性別も、国籍も超えた おにも見にクル アート展
昨年よりパワーアップしたアートの世界へようこそ。
12月5日(火曜日)~12月8日(金曜日)Inおにクル
4つの展示会が、一つの会場に集まって行われる今年の「おにも見にクルアート展」。絵画から立体造形、ハンドメイド作品まで、多種多様な作品が楽しめるアートの世界を繰り広げます。展示期間にあわせて、作品の販売やワークショップなどのさまざまなイベントも行われます。
- アールブリュット展
- ちかつアートフェスタ
- 障害者の手づくり作品展
障害者週間にあわせた啓発イベント。障害福祉サービス等事業所の利用者がつくった作品の展示や自主製品を販売。 - ダイバーシティアート展
人権週間にあわせたイベント。障害の有無や年齢・性別・国籍もさまざまな方がつくった個性あふれる作品を展示します。 下記参照
おにクル きたしんホール
12月5日(火曜日)午後1時~5時 オープニングセレモニー・イベント
和太鼓や手話エンターテイメントが展示会のスタートを彩ります。
1階オープンギャラリー・エントランス広場
午前9時~午後7時(最終日は午後4時まで) 作品展示
午前9時~午後5時(最終日は午後4時まで) 福祉マルシェ
午前10時~午後4時ワークショップ
ワークショップは日替わりで多彩なプログラムが楽しめます。おにクル館内を巡るクイズラリーも開催!
そのほか詳しくは市ホームページで
“だれにとっても”快適な会場づくりにこだわりました!
車いすの方でもスムーズに展示を観覧できるように、会場レイアウトの3D図面の作成や、実際のレイアウトのシミュレーションを行うほか、障害当事者の方からご意見をいただきながら検討を重ねました。ぜひ、お気軽にお越しください。
障害福祉課 井本裕基
コチラもチェック!
【ダイバーシティアート展SORA(創楽)】おにも見にクルアート展での展示物も一部展示します。
12月12日(火曜日)~16日(土曜日) 場所:沢良宜いのち・愛・ゆめセンター
12月19日(火曜日)~23日(土曜日) 場所:総持寺いのち・愛・ゆめセンター ※来年1月12日(金曜日)~17日(水曜日)はウクライナアート展を開催。
12月27日(水曜日)~来年1月10日(水曜日) 場所:豊川いのち・愛・ゆめセンター ※12月28日(木曜日)~来年1月4日(木曜日)は休館。
わくわく! おにクル de イベント
今年の冬にあるおにクルやその周辺の楽しいイベントをピックアップ!思う存分楽しもう!
おにクル編 謎解き×ウォーキング
茨木鬼物語 WALK リアルナゾトキ オニモノガタリウォーク
おにクル編
参加費 無料
2023年12月15日(金曜日)~2024年2月14日(水曜日)
AR(拡張現実)を使った、新感覚の謎解きゲームを体感しよう
豪華景品が当たるチャンス!!
詳細は「謎解きゼペッツ」ホームページから
問合先 スポーツ推進課 電話620‒1608
Winter Garden
第4回 BOOK TRAVEL in茨木 おにクル
2023年12月24日(日曜日)午前9時30分~午後4時
本を片手に、ゆったりとしたひとときを、おにクルで過ごしませんか
詳細は「BOOK TRAVEL茨木」ホームページから
問合先 中央図書館 電話627‒4129
おにクル案内ツアー
問合先 共創推進課 電話631‒0277
おにクルの各フロアを案内して特徴や見どころを解説するおにクル案内ツアーを受け付けます(見学は12月20日以降に実施)。受付開始日や見学可能な場所、日程等詳細は市ホームページからご覧ください。
その他にも
「もっくる」の利用予約は「パパママクラブ」ページ・おにクルのその他のイベント情報は「おにクル」ホームページをご覧ください