広報いばらき

特集 まちの景色にいつも、アート!

いつもの道で、公園で‒茨木では、まちを歩くだけで自然にアートとふれあえます。長い歳月をかけて、今も広がるアートな空間をご紹介します。
問合先 文化振興課 電話620-1810

アートが暮らしに溶け込むまち

 まちのあちこちにパブリックアート(美術館、ギャラリーなど以外の公共的空間に設置される作品)がある茨木。屋内外を問わずさまざまな場所で、期間限定のものを含め、アート作品を楽しむ機会が数多く提供されています。
 平成20年からは、元茨木川緑地や阪急南茨木駅前に有名作家の彫刻やモニュメントが設置され、話題に。さらに平成25年以降は市民とともにまちを舞台にしたアートプロジェクト「HUB‒IBARAKI」も展開するなど、暮らしのなかにアートが溶け込んでいます。

アートとの出合いを日常の中に

 まちなかで出合うアートは、普段アートにふれることがない人の目にも入ります。ある日ふと感じた「何か」は、どこかで新たな気づきにつながるかもしれません。
 JR総持寺駅開業に合わせてはじまったアートプロジェクト「SOU」は、駅の自由通路に半年ごとに入れ替わるアート作品を展示。いつもの駅を歩きながら、時には立ち止まって、日常の中で自分なりにアートを楽しむことができます。

木村光佑「希望の泉」(高橋交差点)
中央公園の噴水とともに昭和61年に設置。
木村光佑さんの作品は駅前、市公共施設などに多数

HUB‒IBARAKI ART PROJECT 2020
永井寿郎《特別な場所‒FIXATIF 2020》
※令和2年3月~9月

中西 學「共生/GOLD CIRCLE」
(元茨木川緑地)※茨木高校向かい

One Art Project「CACOIBA(元市民会館解体工事仮囲いアートプロジェクト)」
※令和元年~令和2年

HUB‒IBARAKI ART PROJECT
2016‒2017 中島 麦《WM》
(市役所本館1階市民課前ほか)

岩村俊秀「はじまり‒Deep Forest」
(元茨木川緑地)※茨木高校向かい

SOU第5回展示「Walking」
※令和2年3月~9月

ヤノベケンジ「サン・チャイルド」(阪急南茨木駅前)
東日本大震災からの復興と再生への願いを託した作品

林 宰久「変様‒空へ」
(元茨木川緑地)※茨木税務署東側

SOU

改札前の通路の壁に拡大プリントで展示された作品は、絵画や写真、現代アートなどさまざま。有名・無名、地域、年齢に関わらずテーマに合わせた作品を展示しています。現在は第11回展示「ハレーション」。
展示期間中に“ほんもの”の作品をまちなかの空き店舗などで各作家の他の作品とともに展示する「real SOU」も開催。駅とは違った角度から作品を感じられます。
詳しくはSOU‒art.com参照

〔SOU11〕

展示中~9月30日(土曜日)

〔SOU12〕

10月1日(日曜日)~令和6年3月末

〔場所〕

JR総持寺駅改札口前自由通路壁面

〔real SOU11〕

8月4日(金曜日)~8日(火曜日)

〔場所〕

Socio‒1 2階特設会場

まち全体を活用して楽しませてくれます

「SOU」と「real SOU」常連のアートファン
横川隆行さん

「アートなまち」の魅力はこれまでも、そしてこれからも

長きにわたり育んできた芸術文化

 近年、全国各地で現代アートによる芸術祭が盛んですが、茨木では50年も前から現代アートに特化した「現代美術ー茨木」を開催するなど、以前から文化芸術活動が活発なまちでした。
 市民の創作、鑑賞活動を促進するための場として「市立ギャラリー」などを整備してきたほか、国際的に活躍されてきた市美術協会名誉会長の木村光佑さんの作品をはじめとする芸術作品を市内各所に設置するなど、長きにわたりアートに親しめるまちづくりを進めてきました。
まちなかや市公共施設など、あちこちで見られる木村光佑さんの作品。設置場所は次のとおり。上中条青少年センター、文化財資料館、クリエイトセンター、中央図書館、天王中学校、阪急茨木市駅東口駅前広場、彩都西駅前広場。

11月開館の「おにクル」でも

 11月26日に開館する文化・子育て複合施設「おにクル」は、世界的な建築家である伊東豊雄さんが建築を手掛け、施設自体にも芸術的な側面が。施設内には市民の文化芸術活動の場となるホールや貸室が整備され、壁面やテラスには特徴的なアートが登場予定。「アートなまち」の魅力は、今後もますます広がります。

南面の壁に巨大なアート

夕方以降、おにクルの外壁に展開されるのは、国内外で活躍する名和晃平さんのアートワーク。円環の内外に設置されたLED照明による光の表現は、日食や惑星の公転といった天体の運動へと繋がり、大きな時間の流れを想起させる。

名和晃平 Nawa Kohei

彫刻家。茨木高校出身。多彩な素材と技術を用いた領域横断的な表現で知られる。国内外で精力的に活動しており、2023年には、フランス・セーヌ川のセガン島に高さ25メートルの彫刻作品《Ether(Equality)》が完成。

Trans‒Ren(Bump,White)
(元茨木川緑地)※茨木高校向かい

2階テラスに絵本を楽しむ緑のおうち

おにクル2階のえほんひろばからつながるテラスにある「おはなしのいえ」は、井上直久さんがデザイン監修したもの。まるでおはなしの中に出てきそうな空間には、大型絵本や紙芝居などが。子どもたちが絵本の世界を存分に楽しめる。

井上直久 Inoue Naohisa

画家。市内在住。茨木市をモチーフにした架空都市「イバラード」をテーマとした作品を描いた「イバラードの旅」で講談社絵本新人賞を受賞。スタジオジブリ映画『耳をすませば』では背景美術を手掛けた

9月10日(日曜日)に「おにクル」おはなしのいえのタイルをはっちゃおう!を実施。
詳しくは「イベント」ページにて

市立ギャラリー

阪急茨木市駅の駅ビルの一角に常設された市立ギャラリーは、市民の創作活動の発表の場として広く利用されています。8月には、コピー機を使うアーティスト2組による企画展を開催。詳細は「イベント」ページをご覧ください。

〔場所〕

阪急ロサヴィア2階

〔開館〕

午前10時~午後7時(施設休館日を除く・水曜日休み)

みるば

昨年12月、市立ギャラリーの隣に誕生した文化事業情報の発信拠点「みるば」。市の文化芸術事業に特化した情報を映像で発信しています。さまざまな映像作品が見られる場にもなっています。

現代美術‒茨木

昭和43年に始まった美術展。油絵からさまざまな素材を使った立体作品、映像作品まで、豊かな表現に出合えます。
無審査で誰でも自由に出品できるアンデパンダン部門もあり、これまでの出品作家は未就学児から90代までのべ約2,300人。次回で50周年を迎えます。

開催予定

時間や場所など詳しくは市ホームページで

現代美術‒茨木50周年特別企画展

来年1月14日(日曜日)~1月21日(日曜日)

第50回現代美術‒茨木2023展

来年1月15日(月曜日)〜1月21日(日曜日)

インタビュー One Art Project 稲垣元則さん
アートで心が動くきっかけを日常に

 市の事業に関わるようになったのは、彫刻設置事業への協力がきっかけでした。SOUの企画運営を担当することになってOne Art Projectを結成してから、茨木のまちとアートの関わりについて深く考えるようになったと思います。今は美術作家として、アートに興味がない人にも届くような活動をしていかないといけない、と考えています。
 市外では、茨木はアートに関する取組が多く、美術や芸術文化活動が活発なまちとして知られているんです。この10年間は、とくにまちが変わってきているように感じますが、まだまだ「アートは難しい」「敷居が高い」というイメージを持つ人が少なくありません。茨木だからこそできる形や方法で、アートに触れられる機会をつくっていきたいですね。
 アートは「個人の感性への問いかけ」だと考えています。今までの考え方や価値観を疑うようなきっかけに出合う体験が多いほど、人生は豊かになるはず。もうすぐ誕生する「おにクル」も、多くの人がアートに出合う場所になればいいな、と思いますね。

稲垣元則さん

生まれも育ちも茨木の美術作家。ドローイングをベースに写真・映像作品を制作。国内外で活躍するとともに、One Art Projectのディレクターとして市と協働でアートを身近にする活動も精力的に展開
One Art Projectでユニットを組む藤本聖美さんと稲垣さん

「あしたのこと」(イオンタウン茨木太田)
市民に取材した言葉をしりとりでつないだCACOIBAに続く言葉のアート。2年かけてひと月ずつ増やしながら完成させた

茨木映像芸術祭
立ち上げ時よりディレクターとして参画

プロジェクト「PLUS」
アートを通して高齢化社会や老いを考えるプロジェクト「PLUS」をドイツから招き、ワークショップや作品制作などの交流プログラムをサポート

アートに気軽に楽しめる環境をどんどんつくっていきます!

アートは茨木の文化であり、魅力です。さまざまな表現にふれ、体験する機会は、暮らしを豊かにしてくれます。今後も新しい発見が生まれる企画にチャレンジしていきますのでご期待ください。
文化振興課 澤坂一樹

子ども向け
アートを体験できる企画もぞくぞく

創造する体験は、きっとどこかで生きてくる。学校ではできないアート体験が人気です

小学生対象
茨木こども芸術文化講座

アーティストが講師となって、さまざまな表現手法で参加者が自由に創作するワークショップ形式の講座を毎年数回展開。他ではできない体験が感性を育みます。9月24日開催の「立体スナップショット!石膏で手をつくろう」の申込方法等詳細は「講座・講習」ページをご覧ください。

コピー機を使って、レゴブロックやフィギュアで漫画風の作品にしました!
参加者 織田瑛大さん

ギャラリー企画展と連携しコピー機を使ったコラージュ作品の制作や、段ボールで未来のお店づくりなどの講座を実施

未就学児対象
茨木親子芸術文化講座

3歳以上の未就学児と保護者を対象にした体験型の講座。親子一緒に、いろいろな表現を楽しめます。子どもたちののびのびとした自由な表現に、驚く保護者も。9月3日開催の「輪っかであそぼう」の申込方法等詳細は「講座・講習」ページをご覧ください。

6歳~15歳対象
maru

描いても作ってもOK。maruは、一人ひとりの個性とペースを大切に、考えたり試したり、さまざまな方法で「想像」と「創造」を体験する年間講座です。総持寺いのち・愛・ゆめセンターで実施しています。申込方法等詳細は募集時に広報いばらきなどに掲載します。
詳しくはmaru‒space.com

アートな企画はほかにもたくさん!

市や文化振興財団では、ほかにもさまざまなイベントや講座を開催しています。詳しくは「イベント」ページからのイベント・講座講習紹介や、市ホームページをご覧ください。