広報いばらき

特集 誰もが自分らしく、
ここちよく暮らせるまちをめざして

茨木がめざすのは、一人ひとりが、自分らしく、人やまちとゆるやかにつながりながら、ここちよく暮らせるまち。みんなが多様な価値観や生き方を理解し、尊重し合うことで、ここちいいまちがつくられていきます。

問合先、人権・男女共生課 電話 620-1640

個性を大切にしてこそ、まちは楽しく元気になる

誰もがここちよく暮らすためには、多様な価値観や生き方など人それぞれの「個性」を尊重すること、「ダイバーシティ(下記参照)」の考え方が大切です。
 市では、一人ひとりの「個性」を認め合い、誰もが幸せを実感しながら自分らしく暮らすことができるまちをめざしています。
 例えば、言葉や文化の違い等により、外国人住民や外国にルーツを持つ子どもたちが孤立しないよう、多文化共生の理解・促進に向けた交流会等を開催しているのも、その一つ。
 一人ひとりの「個性」を大切にし、いろいろな人がつながりあうことで、まちは楽しく、元気になっていきます。

ダイバーシティってなに?

「ダイバーシティ」は日本語で、「多様性」のことです。多様性は性別や国籍だけにとどまらず、知識や経験、ライフスタイルなどさまざま。一人ひとりちがう個性として尊重し、認め合うことで誰もが暮らしやすいまちに、そして組織やまちの活性化につながっていきます。

DIVERSITY

性的指向や性自認って?
“性”はどうやって決まるの?

以前は、性は身体の特徴から判断され、出生時に割り当てられた「男」と「女」というのが一般的でしたが、性のあり方はもっと多様で、4 つの要素に分けて考えることができます。例えば、異性を好きになることも性のあり方の 1 つです。

誰もが当てはまる「性を考える 4 つの手がかり」

身体の性

生まれたときに区別される、生物学的な性

性自認

自分が自分の性別をどう認識しているか

性的指向

恋愛感情がどの性別に向くか向かないか

性表現

言葉遣い、服装、しぐさなど

「自分らしく生きたい」願いはみんな同じ

近年、「LGBTQ」「セクシュアルマイノリティ(性的少数者)」という言葉をよく聞きませんか。でも、「今までそういった人に出会ったことがない」という経験や思いから、身近な問題として捉えることができない人が多いのが現状です。実際、多くのLGBTQ当事者は、「人は女と男のどちらか」「異性を好きになるのが当たり前」という意識や、「女らしく」「男らしく」しなければという感覚に、生きづらさを感じています。
 LGBTQ当事者の困難や生きづらさを理解し、自分に何ができるかを考える。私たちがこのような人権感覚や意識を常に持つことができるようになれば、誰もが「自分らしく」生きることができる、もっと住みよいまちになるはずです。

※本特集内では LGBTQ を「LGBTQ を含むセクシュアルマイノリティ」とします

「ありのままの自分でいたい」そんな思いに寄り添う

ありのままの自分でいられるように、市が取り組んでいるセクシュアルマイノリティに関する施策を紹介します。

6 色のレインボーカラー

6 色のレインボ―カラーは性の多様性を表しています。「LGBTQ を理解している」ことを表すシンボルとして、幅広く使用されており、今月の表紙のブランドロゴもレインボーカラーの特別仕様にしています。

安心して暮らせる権利を広げる
思いに寄り添う、茨木の取組み

環境づくりを推進
01 LGBT フレンドリー宣言

性の多様性の尊重に向けた環境づくり

市では、これまで人権擁護都市として、人権が守られた、豊かで住みよいまちづくりをめざしてきました。今回、新たにセクシュアルマイノリティの支援や性の多様性の尊重に向けた環境づくりなどに取り組む宣言を行います(7月2日)。

北摂地域で初めて
02 パートナーシップ宣誓制度

市が公に証明する制度

一方または双方がセクシュアルマイノリティである2人が対象。互いを人生のパートナーとし、日常生活において協力し合う関係であると宣誓したことを市が証明する制度です(7月1日から)。

大阪府内で初めて
03 パートナーシップを証明する公正証書の作成費を補助

民間サービスの利用の幅が広がる

公正証書を作成すると、パートナーと住宅ローンのペアローンを申し込んだり、生命保険の受取人にパートナーを指名したり、民間サービスを利用できる場合があります(取扱いの有無や必要書類は各サービス提供者にご確認ください)。市では、作成費を 50,000 円まで補助します(7月1日から)。

覚えておきたい LGBTQ の意味

レズビアン(L)

女性を好きになる女性

ゲイ(G)

男性を好きになる男性

バイセクシュアル(B)

好きになる対象が、女性・男性の両性である人

トランスジェンダー(T)

性自認が、生まれた時の性別とは異なる人

クエスチョニング・クィア(Q)

自分の性別や好きになる相手の性別を決めていない人、LGBT だけでは表せない性的指向・性自認の人

Interview
市が取り組むことでまち全体に理解が広がれば

人権・男女共生課 源本 円

市が LGBT フレンドリー宣言をして、LGBTQ 当事者への支援や環境整備に取り組むことで、市民の皆さんや事業者の方など、まち全体に性の多様性への関心や理解、取組みを広げていきたいと考えています。もし、LGBTQ 当事者の方が「悩みを誰かに聞いてもらいたい」「でも、身近な人には相談しづらい」と感じているなら、一人で抱え込まずに、次ページの「にじいろスペース」や「にじいろ相談」をご利用ください。同じ思いを抱いている人に出会えたり、誰かと話をしたりすることで少し気持ちが軽くなるかもしれませんよ。

必要としている人のために
安心して話せる、過ごせる場を用意

詳細は市ホームページで

専門の相談員に
04 いばらきにじいろ相談

秘密は必ず守られるので安心

名前は名乗らなくて大丈夫。LGBTQ 当事者やその家族、学校や職場の関係者などからの相談を、専門の相談員が電話でお受けしますので、安心して相談してください(毎月1回)。

7月のいばらきにじいろ相談

とき、7月23日(土曜日)、午後3時~午後8時
電話 080-4668-9510

毎月1回開催
05 いばらきにじいろスペース

気軽に話せて過ごせる

LGBTQ 当事者やそうかもしれないと思っている人、その周囲の人や支援者などが、性のあり方のことはもちろん、日常のことや、時には愚痴なんかも、気軽に話せて過ごせるスペースです。

7月のいばらきにじいろスペース(予約不要)

とき、7月21日(木曜日)、午後6時~午後8時
ところ、ローズ WAM401・402

私たちが担当しています

アットホームな雰囲気のスペースです。ゆるっとどうぞ!
れんさん

初めてくるのは緊張すると思いますが、気軽にきてください
コジさん

いばらきにじいろスペース参加者 Voice

まずは“気付く”ところから
寄り添うことは、だれにでもできる

周囲の差別や偏見を恐れて、誰にも悩みを打ち明けられない人はたくさんいます。社会からこれらの差別や偏見をなくすためには、誰もが正しい知識を身につけ、寄り添うことが大切です。

当事者とカミングアウト(自分の性のあり方を自ら他の人に伝えること)の割合

LGBTQ 当事者の割合=全人口の約3%~10%
→ 例えば左ききの人は全人口の約10%です
カミングアウトは…
親にしている=当事者の22%
職場や学校でしている=当事者の27.6%
(出典:LGBT 当事者の意識調査)

悩んでいる人は近くにいる?

LGBTQ 当事者は身近に「いない」のではなく、「言えない」可能性があります。周りが自分の性を受け入れてくれる・肯定してくれると感じることができれば、当事者は悩みを打ち明けやすくなります。

不安や悩みに寄り添う ALLY になろう

ALLY とは、LGBTQ 等のセクシュアルマイノリティを理解し、支援する人のことで、声に出して宣言したり、資格のようなものがあったりするわけではありません。理解や支援する気持ちさえあれば、あなたも“ALLY”です。当事者に寄り添うために、できることから行動しましょう。

寄り添うためにできること

6色のレインボーカラーのグッズを身に着けているだけでも、「LGBTQ を理解している」の合図になります。決して差別的な用語は使わず、多様な性があることを知り、人それぞれの性のあり方を尊重することが大切です。

啓発リーフレット
「だれもがありのままの自分でいられるいばらきへ」

性の多様性に関する啓発リーフレットを、市の公共施設や人権・男女共生課で配付しています。市ホームページからもご覧いただけます。