広報いばらき

特集
山とまちをつなぐ
安威川ダム
最新レポート

地域の皆さまの多大な協力を得ながら、長年にわたって進められてきた安威川ダム本体がまもなく完成。

この春から試験湛水(治水計画上の最高水位まで水を貯め、その後、最低水位まで下降させ、堤体や貯水池周辺斜面の健全性を確認する試験)がスタートされる予定です。

ダム建設のあゆみから今後の展開まで、最新情報をレポートします。

問合先、北部整備推進課 電話620-1609

100年に一度の豪雨からまちを守る安威川ダム

 安威川ダムの構想が始まったのは昭和42年。きっかけは、同年7月に起こった北摂豪雨でした。安威川流域では過去に何度も水害が起こっており、この時も市内で約2万5,000の家屋に床上・床下浸水が発生するなど大きな被害が出ました。災害はまた起こるかもしれません。抜本的な治水対策として100年に一度の大雨でも、治水によってまちを安全に保つことのできるダムの建設が始まりました。完成すれば、時間雨量80ミリ程度かつ日雨量250ミリ程度を想定した洪水被害を防ぐことができます。
 地域の皆さまの理解と協力のもと、平成26年から始まった大阪府施工のダム本体はまもなく完成します。本格稼働するのは令和5年度から。令和6年度には周辺施設もオープンする予定です。

Q どこにできるの?

 市街地といばきた(市北部地域)の中間にあたる地域に建設されています。新名神高速道路の茨木千提寺ICからもすぐ。市街地からも車で約20分と、交通アクセスが良く訪れやすい立地です。

Q 自然が破壊されない?

 ダム周辺には約4,500種の動植物が生息。環境への影響を最小限にするために、貴重な動植物は影響区外へ移す取組みなどを行っています。また下流部の自然環境も、ダムに貯めた水を一時的に流す「フラッシュ放流(定期的に人工的な川の増水を起こして元の川の環境に近づけようとする方法)」によって維持していく予定です。

Q ダムについてもっと知りたかったら?

 府安威川ダム建設事務所ホームページで、安威川ダムの役割や仕組み、これまでの取組みなどを紹介しています。

安威川ダムのあゆみ
昭和42年
北摂豪雨災害を契機にダム構想を立案
昭和51年
ダム建設に向けた調査に着手
昭和63年
ダム建設等の工事に着手
平成5年8月
付替道路工事に着手
平成7年3月~
各自治会と「基本協定」の締結
平成11年3月
補償基準協定書の調印 本格的な水没地等の用地取得に着手
平成17年8月
府の水源計画変更 安威川ダム利水機能を7万→1万立法メートル/日に縮小
平成19年6月
水没家屋等の代替地への移転を完了
平成21年8月
水需要予測の見直しにより、安威川ダムから利水事業が撤退
平成22年9月
付替府道 茨木亀岡線の全区間供用開始
国よりダム事業の検証の要請
平成24年6月
ダム事業の検証完了、国の対応方針決定《安威川ダムの事業継続》
平成24年12月
転流工工事を発注
平成26年3月
ダム本体工事を発注
平成26年6月
ダム事業の認定が告示
令和4年春
ダム試験湛水予定
令和5年度
ダム供用開始予定
令和6年度
ダム周辺施設オープン予定
ダムの本体工事は府、周辺整備は市が主に取り組んでいます

北部整備推進課 柴田昌和

ダム周辺を茨木の新名所に!
遊びも癒しもいっぱい!
水と緑のリフレッシュ空間を計画中

安威川ダムは高速道路の出入り口からも市街地からも近い、全国でもめずらしい都市型ダム。
ダムによって生まれる湖を含めた周辺の自然をまるごと楽しめる茨木の新たな魅力スポットとして整備する計画が進んでいます。関西エリアの新名所としても注目が集まりそうです。

CONCEPT

未来につなぐ美しい自然、創造と交流の湖畔の里
〜北摂の自然と人の織りなす美・自然と人の新たな調和をめざして〜

A ダム湖上空エリア

ここならではの眺望が楽しめるスカイウォーク

ダム湖の両岸を結ぶ全長410メートル、長さ日本一の歩行者用つり橋を設置し、ダム本体とダム湖、晴れた日は大阪市街まで一望できるスカイウォークを整備。バンジージャンプなどアクティビティも。

B ダム湖隣接平坦地エリア

つり橋をのぞめる広場があるいばきたの玄関口

府道に面するアクセスの良さをいかし、いばきたの情報発信や市民活動の拠点施設をオープン。レストランやカフェ、特産品を販売するショップや芝生広場、イベント広場なども。

C ダム湖上流せせらぎエリア

せせらぎや自然歩道をいかした山遊び

木々に囲まれた自然歩道や権内水路、下音羽川のせせらぎなどに癒される落ち着いたエリア。豊かな自然を体感できるハイキングツアーをはじめとするプログラムを計画中。

D ダム湖及びダム湖内平坦地エリア

自然に囲まれた湖を遊ぶ水上アクティビティ

ダム湖を活用し、緑に包まれた空間のなかでカヌーやカヤックなど水と親しむ水上アクティビティが満喫できるエリアに。ボートデッキも整備予定。

山とまちをつなぐいばきたのハブ拠点に

 安威川ダム周辺は、市街地と山間部の中間という立地をいかして、人・情報・文化が交流するハブ拠点として山とまちをつなぎ、茨木全体を活性化させていく役割も期待されています。ダム供用開始後の令和6年度にはダム周辺を交流・観光レクリエーションの場として、いばきたに新たな価値を生みだす新名所がオープンする予定です。
 
 多彩なレジャーやイベント、地元のグルメを思い切り楽しんだり、自然の中でのんびり癒されたり。茨木の自然の豊かさを体感し、地域の人とふれあい、学び、訪れた人が改めて茨木を好きになるような発見がある。そして、地域の魅力をみんなでつなぎ、育てていけるような場となることをめざしています。

※整備イメージは令和3年9月時点のものです。今後の事業の状況により変更となる可能性があります。

これまでも、これからも。ダム周辺の魅力をみんなと一緒に。

 いばきたをさらに魅力あふれる地域へと発展させていくため、安威川ダム周辺では以前から、地域の皆さんと一緒にさまざまな活動を行ってきました。
昨年末からはさらに、みんなの力で新名所をつくるための取組みもスタートしています。

これまでの取組みもいかした魅力づくりを継続

ダムに、いばきたにふれあう機会をこれからも

地域と市街地の人が一緒に取り組んできた、安威川ダムと周辺エリアに親しむ活動や自然環境保全活動。
今後も、これまでの活動を基盤とし、人と自然が交流することで生まれる魅力づくりを行っていきます。

環境保全活動

地域の若い世代を中心に昨年発足した北部活性化支援グループ「RISE」が、安威川上流漁業協同組合などとともに竜仙峡の清掃・保全活動を実施。今後も活動の幅を広げ、関わる人を増やしていく予定です。

食育イベント

安威川ダム建設地の上流部にある竜仙峡で行われた「竜仙峡アウトドアクッキング」。お米や野菜、川魚といった地元産の食材を、大自然の中で調理して味わいました。
茨木の新しい特産品づくりをめざす取組みとして地元産の卵と蜂蜜を使った「山のカステラ」を開発(イベント時に販売)

安威川フェスティバル

安威川ダム ファンづくり会が主催する「安威川フェスティバル」は、平成26年から毎年開催。6度目となる令和元年には、安威川ダム建設地近くに約1,600名もの人々が訪れました。
※令和2年、3年は新型コロナの影響により中止

安威川ダムカレー&安威川ダムカード

安威川ダムのPRの一環として、市内の飲食店で「安威川ダムカレー」を展開。ダムの建設状況をカードにした「安威川ダムカード」も、府安威川ダム建設事務所などで配付中。
安威川ダムカレーの一覧は市ホームページで

安威川ダムカレーを注文するともれなく「安威川ダムカレーカード」がもらえる

近隣にもいばきたをアピール

茨木千提寺PAイベントなどでさらなる魅力発信を

安威川ダムから車で約10分の場所にある新名神高速道路の茨木千提寺PAで、3月19日(土)、「茨木千提寺PAあおぞらキッチン」を開催。同日は、付近でマルシェイベントも(「イベント」ページ参照)。地元の農産物やテイクアウトグルメを販売し、いばきたに足を運ぶきっかけづくりをしていきます。

当日は茨木の飲食店・農産物販売所、キッチンカーなどが登場。徒歩でのみ市道からPA内に入場可。詳しくは市ホームページで

市民参加型の公園をつくるワークショップが始動

こんなことしたい! を出し合ってみんなの力で茨木の新名所をつくる

安威川ダム周辺に整備する公園づくりについて意見を出し合い、実際の設計に反映することをめざすワークショップが昨年12月に始動。大学生や主婦、事業者など、「いばきたを自分たちで盛り上げたい」という熱い想いを抱いた人たちが集まり、活発な意見交換が行われています。

第1回目参加者Voice 安威川ダムをこんな場所に!

安威川ダムでいばきたをより身近に

誰もが訪れたくなる場になればと思っています。ここで生まれた交流から、みんなで安威川ダム周辺を、さらにいばきた全体を良くしていこうとする活動が生まれたらうれしいです。

※イベントやワークショップ、安威川ダムカードの配付などは、新型コロナの影響により中止、変更することがあります。

安威川ダムへのサイクリングなど、さまざまな情報を市のホームページで紹介中!