広報いばらき

特集1 令和3年度 施政方針

 3月3日から市議会定例会が開かれ、福岡洋一市長が令和3年度の市政運営の基本姿勢を示す「施政方針」を発表しました。その一部を紹介します。
問合先、政策企画課 電話620-1605

「今」と「将来」に対応した次なる茨木へ。

 このたびの新型コロナウイルス感染症で、お亡くなりになられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、感染症の最前線でご尽力いただいております医療関係者をはじめ、市民生活を支えてくださっている皆さま、営業の自粛要請にご協力いただいている皆さまなど、コロナ対応に頑張っておられる全ての方々に、深く感謝申しあげます。

 昨年の感染拡大以来、第2波、第3波と感染の波が押し寄せた中、待望のワクチン接種が始まります。短期間で、多くの市民の皆さまを対象に実施するという過去に例を見ない取組みとなります。接種を希望する方へ迅速かつ円滑に実施できるよう、本市一丸となって、全力で取り組みます。

 これまで本市では、感染拡大防止策はもとより、日常生活等への支援や新しい生活様式への対応など、12回にわたる補正予算を編成し、即応性の高い支援に努めてきました。市民の皆さまの大切な命と未来を守り抜くという市長としての最大の使命の達成に向けて、一人ひとりの置かれている状況や環境を理解し、直面する課題に寄り添い、ともに解決していくことで、皆さまの今と未来を守ってまいります。

 また、コロナ禍において、ICTの重要性が急速に高まっています。本市としても、「デジタル技術を通じて社会・経済・生活等をより良い方向へ導く」とされているDX(デジタル・トランスフォーメーション)を今まで以上に推進します。

 さて、市民会館跡地エリアでは、令和5年秋の開館に向けていよいよ新施設の本体工事に着手します。当エリアは元茨木川緑地の緑やアートが見られる南北軸と、JR・阪急の両駅を結ぶ東西軸が交わる中心市街地の重要な拠点であり、この拠点を中心に「育てる広場」をキーコンセプトとして、市民の皆さまが主体となる「次なる茨木」のまちづくりを進めます。

 この「次なる茨木」のまちづくりは、安全・安心の礎のもと、一人ひとりのライフスタイルに応え、豊かさ・幸せが実感できるまちをめざすものです。外に出て、人や活動、自然に触れ、そこで温かみや共感を通したつながりやかかわりが生まれるといった、「ここちいい」日常や生活に貢献できるまちの姿を求めてまいります。

 令和3年度は、新型コロナウイルス感染症の影響等により、厳しい財政環境になると見込んでいますが、次なる茨木に向け、「今」と「将来」に対応したまちづくりに努め、この難局を皆さまと一緒に乗り越え、歩みを進めてまいります。市政の推進に一層のご支援とご協力を賜りますよう、お願い申しあげます。

茨木市長 福岡 洋一

主な施策

新型コロナウイルスへの対応

新しい生活様式への対応

行政手続きのオンライン化の推進

 新しい生活様式に対応した「行かなくてもいい市役所」を実現するため、各種行政手続きをオンラインで申請できるシステムを導入、DX推進を図るため民間デジタル専門人材を活用(1,358万円)

キャッシュレス決済推進に向けたポイント還元事業等の実施

 消費者の利便性の向上と新しい生活様式を推進するため、JPQR決済導入事業者に対して手数料負担を支援、消費喚起を促進するためにポイント還元を実施(1億4,400万円)

感染拡大防止対策

福祉・保育施設等の従業員等へのPCR検査費用の助成

 障害者(障害児)福祉サービス事業所、介護事業所、保育施設等の従業員等に軽度な発熱等の症状がある状況で、行政検査の対象外となる場合のPCR検査に係る費用を助成(4,939万円)

日常生活・事業者への支援

自宅療養者への日用品・食料品・乳児食等の配達支援

 自宅療養となった陽性者・濃厚接触認定者の生活に係る不安や負担を軽減するため、自宅療養支援パック(日用品・食料品・乳児食等)を無料配達(1,135万円)

自宅療養者への買物等支援サービスの実施

 自宅療養となった陽性者・濃厚接触認定者世帯の日常生活を支援するため、買物代行等のサービスを実施(171万円)

こんな取組みも

公立保育所等におけるオンライン相談等の実施

 新しい生活様式に対応した相談体制等の充実を図るため、公立保育所でオンラインでの相談や保育講座等を実施、子育て支援総合センター等にICT機器を導入(375万円)

私立認定こども園や民間の学童保育室等のICT機器の導入経費の補助

 保育現場等の接触機会の低減や業務負担の軽減を図るため、タブレット端末等のICT機器導入経費を補助(3,025万円)

中小企業等事業再構築促進事業の申請に係る計画策定経費の補助

 業態転換や事業再編等による新たな挑戦を支援する国の事業再構築補助金の申請に係る事業計画の策定に要する費用の一部を補助(400万円)

国民健康保険料の負担軽減

 国民健康保険加入世帯の保険料負担を軽減するため、繰越金を緊急的に活用し、保険料の上昇を抑制

1 まちづくり
人と自然が共生する持続可能なまちに

市民会館跡地エリアにおける新施設・広場の整備

 新施設の実施設計・本体工事や福祉文化会館を含む第二期整備地の整備方針・事業手法等の基本計画策定、市民参加によるルールづくり、IBALAB@広場における社会実験の実施等(25億2,440万円)

中心市街地等における景観形成の推進

 公共空間を中心に質の高いデザインのまちづくりを実現するため、沿道権利者等向けのワークショップ、デザインガイドラインの策定や景観計画の見直しの検討を実施(716万円)

元茨木川緑地リ・デザインの推進

 多くの人が集い憩える空間をめざし、植栽維持管理実施計画の策定やモデル箇所の改修に向けた設計を実施(2,108万円)

安威川ダム周辺整備事業

 北部地域の魅力向上や活性化につながる拠点の創出のため、ダム周辺の整備にかかる造成工事等を実施(1億7,949万円)

こんな取組みも

マンション管理適正化推進計画の策定

 管理組合による主体的な維持管理を推進するため、分譲マンションの現状を調査し、マンション管理適正化推進計画を策定(1,340万円)

バリアフリー基本構想の見直し

 バリアフリー施策の進捗状況を把握するとともに、今後の施策展開を示す(274万円)

公園トイレの環境改善

 トイレの洋式化等の推進とバリアフリーに配慮したトイレの改修に向けた設計(800万円)

エコショップ制度の実施

 食品ロス・廃プラスチック問題等に積極的に取り組む店舗をPRするエコショップ制度を創設し、ごみ減量と集客を促進(74万円)

2 教育・子育て
次代の茨木を担う人を育むまちに

小学校・中学校における1人1台タブレット端末の活用

 児童・生徒に1人1台タブレット端末を貸与等(2億519万円)

中学校給食センターの整備運営事業実施方針等の作成

 中学校での全員給食の実現に向けた給食センターの整備運営事業者候補者の選定等を行う選定委員会の設置と事業者に提示する実施方針等の作成(2,427万円)

私立保育所等の建設補助

 待機児童の解消と保育環境の充実のため、私立保育所、認定こども園の新設等にかかる費用を補助(8億5,355万円)

こども医療費助成の拡充

 子どもの健全な育成と子育て世帯への経済的な負担軽減を図るため、10月からこども医療費助成制度の年齢上限を18歳まで拡充(8,350万円)

こんな取組みも

保育士確保に向けた奨学金支援補助の創設

 保育人材の確保と就業継続支援を目的に、市内の私立保育所等に保育士として勤務する人に奨学金返済に係る費用を補助(480万円)

学童保育の夏休み期間の預かりの拡充

 学童保育の夏季休業期間のみの預かり事業の実施箇所を拡充(995万円)

児童虐待に係る相談体制の充実

 児童虐待に精通した弁護士から助言を受ける機会の確保や関係機関との情報共有を図るICT機器を導入(148万円)

西河原公園南庭球場の整備

 西河原公園南庭球場のコート拡張や駐車場の増設、管理棟の整備を実施(4億2,151万円)

3 福祉
ともに支え合い・健やかに暮らせるまちに

病院誘致に向けた基本整備構想の策定等

 基本理念や必要な医療機能等をまとめた基本整備構想の策定と実施事業者の選定に向けた取組み(1,701万円)

重度障害者・高齢者福祉タクシー料金助成の充実

 タクシー料金利用助成に係る利用券の1乗車あたりの利用枚数を拡充(984万円)

高齢者の自立支援・重度化防止の推進

 ケアプランのアセスメントに関わるリハビリテーション専門職の配置や通所型サービスC(短期集中予防サービス)の実施場所の増設、多世代交流センター等での介護予防教室等を実施(3,001万円)

特定相談支援事業所開設補助金の創設

 障害者の相談支援事業所の新規開設に係る経費や人件費と開設後の運営経費を補助(560万円)

こんな取組みも

介護人材確保に向けた高齢者介護職就職奨励金の創設

 不足する介護人材を確保するため、介護職に再就職した60歳以上の人に奨励金を支給(50万円)

地域包括支援センターの増設

 住み慣れた地域で暮らす高齢者等の支援体制強化のため、地域包括支援センターを1か所増設(750万円)

生活困窮者等の自立相談支援体制の強化

 地域社会における社会的孤立の防止等を図るため、アウトリーチ支援員と相談員を増員(908万円)

後期高齢者への保健事業と介護予防の一体的な実施

 生活習慣病の重症化予防や介護予防を一体的に実施するため、コミュニティデイハウスやいきいき交流広場の運営スタッフ等に対してフレイル予防に関する学習会の開催と保健師による保健指導等を実施(76万円)

4 経済
都市活力があふれる心豊かで快適なまちに

商店街・小売市場振興事業補助金の拡充

 商店街の環境整備の促進や商業の振興を図るため、街路灯や防犯・防災設備の設置等、共同使用の施設整備費に係る補助金を拡充(167万円)

文化財資料館(仮称)郷土資料室 の開室

 郷土の歴史や魅力を再発見し、郷土愛の醸成を図るため、市史編さん過程で収集した資料を閲覧できる(仮称)郷土資料室を開室(1,161万円)

こんな取組みも

市ホームページのトップ画面のリニューアル

 情報を探しやすいホームぺージとするため、トップ画面のレイアウト等の改修や利用者の情報端末の種類・サイズに対応できるデザインに改める(363万円)

障害児による文化芸術活動の推進

 障害のある児童・生徒が自分のペースで創作し、美術を通じて交流を図る場を提供(105万円)

5 安全
ともに備え命と暮らしを守るまちに

災害時医療救護体制の整備

 市と市内救急病院を結ぶ無線の設置と市内関係機関での災害医療コーディネーターの養成に向けた研修を実施(235万円)

クラウド型避難所開設状況管理システムの導入

 コロナ禍での避難所対策として分散避難を支援するため、スマートフォン等から避難所の開設・混雑状況の確認や、避難所までのルート検索が可能となるクラウド型避難所開設状況管理システムを導入(77万円)
 

木造住宅の耐震改修補助金の拡充

 安全安心なまちづくりを推進するため、木造住宅の耐震改修の補助上限額を40万円から70万円に拡充等(1,200万円)

こんな取組みも

地域版避難所運営マニュアルの作成

 避難者が安心して避難所の利用・運営参加ができる体制を確保するため、自主防災組織や施設管理者等とのワークショップ等を通じて、実効性のある地域版避難所運営マニュアルを作成(520万円)

自治会等防犯カメラ設置補助の拡充

 自治会等への防犯カメラ設置に対する補助率と補助上限額を拡充(300万円)

通学路等見守り用カメラの更新・拡充

 地域の防犯環境の向上を図るため、小学校区の通学路等見守り用カメラの更新・拡充の準備(経費は運用が開始される令和4年度から)

6 対話
対話重視で公平公正な市政運営

おくやみ関連手続きのワンストップコーナーの設置

 各種申請書の作成や関係機関への案内等を行うワンストップコーナーを設置(551万円)

地域課題の解決に向けた取組事例集の作成

 各地域における課題解決に向けた取組みを共有し、さらなる地域活動の活性化を図るため、各地域の創意工夫のある取組みをまとめた事例集を作成(412万円)

こんな取組みも

多文化共生の地域づくりの推進

 外国人住民等が地域で安心して生活できるよう、いのち・愛・ゆめセンターでオンライン交流や日本語学習会、多文化共生サロンを開催(107万円)

市税・保険料の納付に係る口座振替の利用促進

 登録手続きを迅速に行えるキャッシュカードの読み取りシステムを導入(568万円)