特集 「育てる広場」をみんなでつくる
3年後のオープンに向けて
市民会館跡地エリアの整備が進行中。
まちの真ん中にあったらうれしい「場」をみんなで一緒に。
まちはみんなのものだから、みんながつかうものはみんなで一緒に。そんな思いで、元市民会館の跡地整備を考える取組みが始まって約5年。たくさんのご意見をいただくなかで、市の中心部といえる立地をいかすなら、単なる建物の建て替えという“点”ではなく、広く南グラウンドまでの「市民会館跡地エリア」という“面”で整備することになりました。
キーコンセプトは「育てる広場」。つくるときも完成後も、つかう人が育んでいく「場」に。複合施設と広場からなる茨木の新しいランドマークになるような場をめざし、さまざまな取組みが進んでいます。
問合先 市民会館跡地活用推進課 電話655-2757
はじまりは5年前。たくさんの声をいかしながら前進中!
[これまで]
キーコンセプト「育てる広場」の具現化に向け、ワークショップや広場をつかった社会実験で、実際にやってみながら方向性やルールづくりを検討。新施設エリアについても、設計について考えるワークショップを整備事業者も参加しながら展開中。
[これから]
IBALAB@広場では今後も「つかう」「つくる」を繰り返しながら多様な人が「つながる」場づくりを。そして、新施設を「つかう」目線で考えるプロセスとも合わせて、完成後の展開に反映させ、エリア全体の将来構想にもつなげていく。
※令和3年以降は予定
市民会館閉館
平成28年
- 市民アンケート
- 市民会館100人会議
無作為抽出の年代別市民、市民会館利用者、市民団体などと市長が直接意見交換
平成29年
- 基本構想策定
平成30年
- 「育てる広場」ワークショップ
- 社会実験 IBALAB
期間限定の芝生広場を一緒につくり、こたつで過ごす、ひと箱サイズのフリマ、プラレール広場などさまざまな市民企画を実施 - 基本計画策定
令和元年
- 「暫定広場」みんなで育てるワークショップ
- 社会実験 IBALAB PLUS
通りの軒先や道路、オープンスペースなど、まちなかにある空間を魅力的な場にしてつかってみる企画として夜市などに挑戦
令和2年
- 新施設&広場の設計施工事業者決定、暫定広場整備
- 暫定広場を「IBALAB@広場」としてオープン
- IBALAB@広場のつかい方を考えるワークショップ
- 新施設と広場をつくるワークショップ
暫定整備エリアではIBALAB@広場、第1期整備エリアでは新施設エリアにつくる新たな施設と広場について考えるワークショップを、それぞれで実施
令和3年
- ワークショップ
IBALAB@広場を継続しながら、新施設エリアに対する意見と融合し、今後の展開への反映をさらに推進 - 新施設エリア工事着工
令和5年
- 新施設エリアオープン
大ホールのみ令和6年予定(令和3年以降は予定) - オープニング市民企画
令和6年
- IBALAB@広場クローズ
- 福祉文化会館解体、第2期工事着工
令和7年〜令和8年
市民会館跡地エリア全面オープン
PROJECT01 IBALAB@広場(イバラボひろば)
ハーフメイドでつくっていくみらいの心地よさ
みんながつかいたくなる心地よい空間を期間限定でつくり、つかってみる
元市民会館の跡地と人工台地を含んだエリアにできた「IBALAB@広場(イバラボひろば)」は、福祉文化会館解体までの約3年限定の広場です。ここは「育てる広場」の取組みをさらに進める最前線。利用者自身が実際につかいながら、ルールも含めて「つくる側」にもなって育てていく、「ハーフメイド」という考え方を取り入れた実験的な場でもあります。
昨秋にはカフェもオープン。朝から晩までいろいろな人が訪れてのんびりと時間を過ごす、穏やかな風景が生まれています。
IBALAB@広場は、芝生エリアと、横の階段を下りた下エリア、噴水広場を合わせたスペースの総称
今後もワークショップやイベントを予定
- 「広場会議」を実施
広場でやりたいことがある人ならだれでもOK。参加する楽しさに今年こそトライ! - さまざまなイベントが登場予定
春にはマルシェやミニコンサート、フリマなども
IBALAB@広場はだれでも利用可能!
- 休憩、食事&お茶、ひとりで、グループで……普通の公園と同じようにどうぞ
- ボール遊びやストリートスポーツなどアクティブにつかえるエリアも
- 利用申請すれば、いろいろな目的のイベントや活動にも
これまでのイベント例
楽器演奏やコンサート
産直、ハンドメイドマルシェ
フードやカフェイベント
ヨガやリトミック
など
チャレンジ&アレンジでみんなが過ごしやすいルールを考え、つくっていく
広場のつかい方やルールは、ワークショップを通じて考えています。昨年は、広場で「やってみたいこと」をもとに「できること」を検討。設定したルールを試すため実際に「やってみる」イベントも行いました。今後も実際のつかい方を踏まえてルールはバージョンアップしていきます。
この「つかう」「つくる」を繰り返しながら、みんなの広場としてさらに居心地のよい場に育て、新施設エリアへ、そして、市民会館跡地エリア全体の「場」づくりへと引き継いでいきます。
ワークショップでは“やってみたいこと”をもとに自らルールを考える。実験イベント「やってみるDAYS!」の前にはみんなで広場の下見に
「IBALAB@広場のつかい方を考えるワークショップ」はオンラインでスタート。画面上でもいろいろな意見が
ワークショップに参加して
自分が生まれたまちにやりたいことで関われるのが楽しい
平松諒大さん
前の広場(社会実験 IBALABの芝生広場(平成30年))のときから来ています。今回も行ってみたらやっぱり楽しかった。「やってみるDAYS!」では木工工作を企画しました。必要なものを集めたり、助けてくれる人を見つけたり、準備は大変だったけどできてよかったです。来てくれた友だちも楽しんでくれました。できることを考えて、実行するのはおもしろい。これからもこの広場に関わっていきたいです。
ママのひとこと
大人と一緒にまちづくりに関わることが楽しくて仕方ないみたいです。
自由に意見を言いながらゼロからつくるっておもしろい
角間貴也さん
大学の先生から聞いて興味を持ったのですが、幅広い年齢の人がいろいろなことを自由に言い合える雰囲気がよかったです。とくにホワイトボードにやりたいことを貼っていくのはわくわくしました。焚き火をしたり、スクリーンに映してゲームしたり、試してみたら意外とできる。市民の声を聞きながら一緒につくっていこうとする茨木っていいまちですね。
広場運営事業者インタビュー
人の輪が広がるほどもっと楽しい茨木になる気がする
いばらきコモンファクトリー店主 藤井茂男さん
広場などでの社会実験にキッチンカーで出店するようになり、市民と一緒に公共の場のにぎわいをつくるという試みがおもしろいなと思っていたので、IBALAB@広場にもぜひ関わりたくなりました。
カフェのオープン後、広場を利用する人は増えたのではないでしょうか。この広場はとてもおおらかな雰囲気です。たまたま隣合わせた人と会話が始まるなど、来るほどに輪を広げていくような場になっていけば、まちはもっと楽しくなるはず。イベントも多いと思いますが、だから来てというよりは、日常的になんとなく行きたくなるような、押しつけない場所にしていきたいですね。
※いばらきコモンファクトリーは、カフェ運営とともに、IBALAB@広場の管理運営業務の一部も担っている。
午前11時〜午後9時(土曜日・日曜日・祝日は午前9時〜午後8時/天候などで変更になる場合あり)、水曜日・木曜日休み
PROJECT02 新施設エリア
立体的な公園のようなゆるやかにつながる新施設&広場
令和5(2023)年秋ごろオープン予定(ホールは翌年4月)
上下階を「縦の道」でつなぎ 機能を融合、訪れる人をつなぐ
中条図書館とプラネタリウム、市民活動センターも移転
緑の広場や外へとつながるテラス、屋上広場で何する?
自然とのふれあいも、遊びも、学びも、イベントも、自由自在
妊娠から子育てまでのワンストップ拠点
見て見て!「こんなのいいな」が詰まってるイメージムービー(イメージムービーは新施設エリアの設計・施工を行う竹中工務店・伊東豊雄建築設計事務所共同企業体が提案時に作成したもの。ここからみなさんの意見を参考に、設計を検討中)公開中!
今後もワークショップやアイデア募集を予定
新施設エリアのワークショップを実施中!
「新施設と広場をつくるワークショップ」で、やりたいことにもとづく設計プランを検討中。これまでの経過はニュースレターでチェック可能。ワークショップの新情報もここで。
施設&広場への意見・アイデア募集、参加企画などを今後も予定
今後もオープンに向けた企画などを予定。まちの新魅力スポットづくりに参加する楽しさを、ぜひ!
まちの真ん中だからこそ「日々何かが起こり、誰かと出会う場」に
「育てる広場」の中心となるのが、このエリアにつくる新施設と広場です。JRと阪急両駅からも近い茨木の中心地だからこそ求められる機能を集約しつつ、めざすのはだれにとっても過ごしやすい、まちなかの“サードプレイス(第3の居場所)”のような場。訪れる目的は一人ひとり違っても、常にいろいろな発見や出会いがあり、人やまちとのつながりがゆるやかに広がっていくようなイメージを、立体的な公園のような空間として形にしていきます。
やりたいこと、できること、過ごしたい場所……多様な可能性を設計に反映
新施設エリアに関するワークショップでは、実際に設計・施工を行う専門家と市民が一緒になって、多種多様にふくらむアイデアをどのように設計にいかしていくかを考えています。模型や図面を使いながら、付箋や写真を使ったり、書き込んだり。それを設計の専門家がスケッチにおこし、フロアを超えたつかい方を考えたり。ときにはびっくりするようなユニークな発想も。新施設エリアの無限大の可能性は、茨木ならではの多様なつかい方が生まれる空間を創り出すに違いありません。
グループに分かれて意見交換しながらブラッシュアップ
「階によって香りを変える」「『縦の道』を使った流しそうめん」など、立体空間ならではの自由なアイデアが続々
みなさんが自分の家や庭のように感じられる場所になったら。
市民会館跡地活用推進課 向田明弘、的場 理
IBALAB@広場にいると「この広場いいね!」という声をたくさんいただきます。そんな空間が、数年後にはもっと大きく広がります。これからもみなさんに関わっていただきながら一緒に考え、だれもが楽しくつかったり、ゆっくり過ごしたりできる居場所となるよう育てていきたいと思っています。今後もいろいろな機会を考えていますので、ぜひご参加ください。
ワークショップに参加して
実は茨木のまちづくりに参加していたという不思議
村上貴信さん
憧れの設計事務所の建築に関われるワークショップは想像以上の楽しさでした。私はここでシェア屋台をつかったイベントをしたいのですが、みんなで出し合ったアイデアが完成後どう展開されるのか、なんともいえない期待感があります。茨木は市民活動が盛んということも知り、いつの間にかそのなかにいたことに驚きました。今後は自分も中心となっていきたいです。
設計・施工事業者インタビュー
竹中工務店 市川雅也さん
伊東豊雄建築設計事務所 神崎夏子さん
刺激をくれるワークショップわくわくするような場づくりをめざしたい
神崎 茨木は市民のみなさんがすでにワークショップや市民活動に慣れていて、アイデアがどんどん出てくると感じています。
市川 「だめ」「できない」という前提がなくて、なんでもやってみようという姿勢がありますよね。私たちも刺激を受けています。
神崎 確かに。設計者として、みなさんと同じ目線でこのまちの未来を考えていけるのは、とても貴重な経験です。茨木には自由を楽しむ雰囲気がありますよね。
市川 そう思います。先行するIBALAB@広場には、いつも人がたくさんいて、過ごし方も個性豊かで市民の活力があふれているようです。
神崎 新施設はIBALAB@広場が7階建てになったような、自由な空間にしたいですね。
市川 まさに立体的な公園のような、想像もできない広がりのあるつかわれ方が始まるのではないでしょうか。
神崎 みなさんの意見をたっぷり含んだ、茨木らしいシンボルにしていきたいです。
市川 広場に植えた樹が育ったり、ここをつかった子どものさらに次の世代がまたつかったり、まさに時間とともに育っていく場にもなればステキですね。
神崎 このまちに住むみなさんの生活が豊かになるような場になればうれしいです。
市川 私たちも今からわくわくしています。