広報いばらき

特集1 市長と歩く。てくてく、モトイバさんぽ。

公園を利用する際は、人が少ない時間帯を選び人との距離を取る、マスクを外すときはひも部分を触るよう注意し、適時手指消毒や、手洗い・うがいなど新型コロナウイルス感染症対策にご留意ください。

川端通りと桜通りに沿った細長い緑地帯、通称「モトイバ」と親しまれる元茨木川緑地は茨木を代表するスポットのひとつです。

酷暑の夏を越えて、少し色づきはじめた樹々を眺めたり、虫の音に移りゆく季節を感じたり。

市長もお気に入りという元茨木川緑地にはこのまちをもっと好きになる魅力が詰まっています。

問合先 公園緑地課 電話620-1654

 茨木の田中町から横江二丁目まで、まちの中心を全長5キロメートルに渡ってつらぬく元茨木川緑地。ここは、その名の通り、昭和24年に廃川となった茨木川を埋め立てたもの。細長い形を生かしエリアごとに個性を持たせた緑地には、いつも思い思いに過ごす人の姿があります。

 まちの真ん中に自然を感じられるゆったりとした空間があるのは、茨木に住む大きな魅力。お出かけにぴったりの時季、日常的に親しんでいる市長と一緒に、モトイバで過ごす時間をもっと楽しく、豊かにしてくれるヒントを探してみました。

元茨木川緑地をもっとここちよい場所に

整備されて約40年。市民に愛されているこの緑地帯を、現在の良さを生かしつつ、より魅力的にリ・デザインしていく取組みを市民と一緒に進めています。

「モトイバは、まちなかでは数少ない癒しの空間」。朝はモトイバを通って市役所に通い、休日はモトイバ沿いの公園で子どもと遊んでいるという市長。茨木高校前の、緑の中に何気なくアートがある空間は好きな場所のひとつ

気になるカフェの近くを散策。背の高い木が多い川端通りは、森の中にいるような気分になれる

MOTOIBA MAP ちょっとくわしく

茨木川

モトイバのスタート!

[安威川茨木川合流の碑]

碑のそばの川堤に植えられたソメイヨシノの古木は幹周りも枝振りも立派

春は田中橋まで見応えある桜スポットが続く

[田中の丸また]

公園の脇の旧街道にあるレンガトンネル。明治9年の京都〜大阪間の鉄道開通時に造られた現役で、斜めにねじれた天井は全国でも珍しい

人気の豆腐屋さんのそば

[佐介(助)の樋跡]

文学館の前はアメリカフウやメタセコイアの紅葉スポット

川端康成文学館

幼少期から旧制茨木中学卒業まで茨木で過ごしたノーベル文学賞作家・川端康成ゆかりの品約400点を展示

新緑も紅葉も楽しめるケヤキ並木の小道

[丹波橋]
[櫓(やぐら)門(茨木城跡)]

茨木城跡推定地に建てられた茨木小学校の正門は城の櫓門を想定復元したもの

[六軒町橋跡]

しだれ桜も多い桜スポット。人気は児童遊園の横の桜

高橋交差点
[茨木神社]

境内には「黒井の清水」がある

[被爆石]

非核平和都市宣言をした際に広島市から贈られた

木々の木陰が気持ちよく、森林浴気分で散策できる

[茨木童子像]

郷土に伝わる民話の主人公を茨木青年会議所がキャラクター化。さらに広く市民に知ってもらいたいと製作、市に寄附した

[柳の樋(とい)跡]
新庄ガード

ここから横江までは、桜の名所としておなじみのゾーン

[あやめ花壇]

付近にあったあやめ橋にちなんで造られた。見頃は5月

[オリーブの森]

姉妹都市の小豆島町から贈られた木が大きく成長

[モニュメント「桜通り」]
佐和良義神社

銅にまつわる名を持ち、10世紀の「延喜式」にも記載された

神社にはイチョウの大木があり、モミジやタイワンフウの紅葉も。

[道祖(どうそ)神社]

境内には水神社も。藤棚がある

カシの木が多く、どんぐりスポット

[高浜橋跡]

木をモチーフにしたモトイバらしい遊具のある公園

真っ赤なモミジが主役の庭園風の遊歩道

黄色やピンクなどカラフルな八重桜がトンネルのように咲く

[梅園]

色も形も多種多様な梅が咲き誇る早春の名所

気持ちいいケヤキの木立と芝生の広場

[白砂青松風庭園]

松林が続く美しい海岸線をイメージした一角

沢良宜公園

Healthy
歩く、走るが気持ちいい!
まちなかの緑で元気をチャージ。

ここちよく過ごせる空間は運動不足にもちょうどいい

 車が通らないモトイバは散歩にぴったり。緑に包まれながら、安心して気持ちよく歩けます。ウォーキングやランニングなど、日常的に利用する人もたくさん。砂地なので足にやさしく、進むにつれ景色も遊歩道の雰囲気も変わっていきます。時間がある日はいつも行かないところまで、探検気分で出かけてみるのも楽しそう。

 全長5キロメートルという長さは、歩数にすると約7000歩〜8000歩、歩くと1時間前後。距離を測るおおよその目安をアタマに入れておけば、自分の運動量が簡単に把握できます。ランニング初心者がまずめざすのも5キロメートル完走。トイレがところどころにあるのも安心です。

おトクに健康づくりできるポイント制度も

府のおおさか健活マイレージ「アスマイル」には茨木独自のポイント制度があり、ダブルでおトク。ウォーキングやランニング、健康診断など、健康づくりに取り組むほどポイントが貯まり、QUOカードや電子マネーへの交換が可能。

Voice 40歳代男性

運動不足解消に、毎朝40分ほどウォーキングしています。

Voice 堀田雅美さん 愛犬の空ちゃん

砂地が空(ソラ)の足にやさしいのがいい。毎日、桜通りを小一時間ほど散歩しています

Nature
訪れるたびに変化を感じる
自然の営みがつくる四季折々の表情。

多種多様な季節の植物は違いがわかるとちょっと楽しい

 モトイバといえば春のさくらまつりが定番ですが、「大阪府緑の百選」にも選ばれた貴重な空間です。端から端まで見てみれば、場所ごとに違う植物に出合えることがわかります。よく見ると木の葉の形はさまざま。常緑樹と落葉樹がバランスよく植えられ、緑に交じって咲く花も季節の移ろいを教えてくれます。生命が息づく空間には鳥や昆虫も。四季を通じて、楽しみ方を選ばない懐の深さがここで過ごす大きな魅力です。

 サルスベリやムクゲが終わると、紅葉の季節。赤や黄色に染まった一角は、緑の季節とはまた違った美しさがあります。

ソメイヨシノを中心にしだれ桜や八重桜などが咲き誇る。10種70本以上の梅園にはメジロが訪れることも。オリーブの森では秋にはたくさんの実がなる。どんぐりスポットはカシやクヌギの木の下。トウカエデやアメリカフウ、モミジやイチョウ、ラクウショウ、エノキ、タイワンハゼなど紅葉が楽しめる木が多い。もちろん桜も

実をつける木があれば野鳥がやってくるので、秋はまちなかでバードウォッチングするチャンス。年中見かけるムクドリ、コゲラ、ヒヨドリなどに交じって、エナガやツグミ、シロハラなどを見ることができる。遭遇率をあげるなら朝がおすすめ

Voice 山田静子さん

緑に癒されます。春は桜が美しく、アートや茨木童子の着せ替え、ライトアップなどお楽しみも盛りだくさん

茨木バラとカシの会 高原富佐子さん

川端康成文学館前が好き。秋は紅葉、春はバラのアーチがきれいです

茨木バラとカシの会 池上千代枝さん

秋はエノキの赤い実などに野鳥がやってきます。小鳥たちがかわいいです

茨木バラとカシの会 宇佐文哲さん

名札がある木を探して歩くだけでもいろいろな発見がありますよ

History
昔は川だった!?へぇーがいっぱいのモトイバまわり。

歴史を感じて歩く楽しみ知るほどに興味が尽きない

 茨木川は天井川で堤防の土がもろく、昔からたびたび決壊したため、昭和24年には田中町から下流が廃川となり、元茨木川という名に。それを車道と遊歩道、緑地帯に整備したのが元茨木川緑地です。

 元茨木川緑地には、橋や樋跡の石碑が多く点在しています。意識して歩けば、道をくぐるトンネルや、土手のようなところがあったり、緑地脇の交差点やバス停に「橋」のつく名前が多かったり、川だった名残りがたくさんあることに気付くはず。茨木川は水の美しさに定評があったため、とくに川端通りには千利休の時代の茶人にまつわる史跡も。ぶらり、歴活に出かけるのもおすすめです。

丹波橋跡

トンネルの上の車道は今の丹波橋。亀岡街道に合流して丹波や池田方面へと続く道だった

安威川茨木川合流の碑

元茨木川緑地の北のはじまり。茨木川は昭和16年にまず安威川と合流。その後、昭和24年に廃川となった

柳の樋(樋:川から水を引いた水門)跡

日本で最初につくられた学校のプール、旧制茨木中学(現茨木高校)のプールの水はここから茨木川の水を引いていた

旧河川土手跡

土手のほとんどが取り壊されたが、JRの鉄橋近くのこの部分だけ昔の姿が残っている

黒井の清水

豊臣秀吉が大坂城で茶会を催すときに取り寄せたと伝わる。「嶋下郡(嶋下郡:昔のこの地域の名称)三清水」のひとつで、黒井、赤井は茨木神社境内に、青井は宿久庄の彗光院にあったのだとか

佐介(助)の樋跡

小字「佐助屋敷」地域にあった、茨木川からの取水口の樋跡

Voice 向井義雄さん

豊かな緑が疲れている時でもリフレッシュさせてくれる。昔の川を思いながら歩くのも楽しいです

市観光協会観光ウォーク・ボランティアガイド 石田正雄さん

元々川というだけあって橋や樋の跡がたくさん。緑地の端や外の道路脇にひっそりたたずんでいるものもあるので、探してみては

Break
のんびりしたいときお気に入りの場所が
いつも身近にあるしあわせ。

ひと休みできるベンチがたくさん

 ウォーキングやランニングに、散歩の休憩に。テイクアウトして外カフェするのもおすすめ。木漏れ日にきらめく緑は目にやさしく、通り抜ける風がのせてくる季節の香りにほっと心が和らぎます。

周囲にはカフェやスイーツショップなど、お出かけスポットもたくさん

通り過ぎるにはもったいないパブリックアート

 アートを身近にするアートプロジェクトなどが盛んな茨木。わざわざ見に来る人もいるモトイバの現代アートは、茨木ゆかりの有名作家によるものもあります。日常的に触れ合い、自分なりの感性で楽しむことができます。

林 宰久「変様空へ」(川端通り/税務所向かい)

名和晃平「Trans-Ren(Bump,White)」、中西 學「共生/GOLD CIRCLE」、岩村俊秀「はじまり―Deep Forest」(桜通り/茨木高校向かい)

Voice 深沢愛里さん 海くん

ここは日常生活の一部。落ち着く場所。ほっこりする場所。平和を感じ、幸せな気持ちになります

市長 Voice
緑豊かな癒しの空間をあなたの
「第三の居場所」にしてもらえれば

まちの中心にここまで自然に恵まれた緑地があるのが茨木の価値のひとつだと思っています。どこかへ行くための「道」ではなく、日々の喧騒を忘れられる「空間」として、家でも職場でもない、自分らしくここちよく過ごせる場として、ぜひ日常的に足を運んでみてください。

自然の中で食べるとうまい!
沢良宜公園手前のケヤキと芝生の広場で休憩。桜通りを南に行くとエリアごとに趣向が違う
行きつけのショップでジェラート。実はスイーツ男子?