広報いばらき

特集 山へ。原風景へ。

 実は、面積の半分以上が森林と農地という茨木。市街地から車で北に約30分。茨木の北部、略して“いばきた”には訪れる人をやさしく包み込む穏やかな自然があります。

北部整備推進課 電話620-1609

IBA-KITA01 銭原 zenihara
茨木最北にあるのは、空と山と田畑のパノラマ。

美しい棚田が広がる山里でほっこり

 茨木はタテに長く、上半分は山間部。なかでもキャンプ場でおなじみ、いばきたの最北端に位置する銭原は、ノスタルジックな棚田をあちこちで目にすることができる日本の原風景のような地域です。

 「このあたりでは1000年以上も前から稲作をしています。標高350メートル〜400メートルのこの地で、甘くおいしいお米ができるんですよ」と話すのは、自らも米作りを行う稲葉豊さん。「山間部だから朝晩の寒暖差が大きく、なにより水と空気がいい」ためで、とくに銭原は安威川の水源に近いのだそうです。

 山すその急傾斜地に作られた棚田の緑は場所によって色がさまざま。山や田んぼ脇の木々の緑色はさらに濃く、この表情豊かなグリーンと空のコントラストが心和む風景を作り出しています。

 「普段は意識しませんが、改めて眺めてみるといいもんですね。先祖から預かった大切な農地だから、この地に生まれた者の責任としてしっかり次世代につないでいかなくては。意欲的な担い手にも来てもらって、地域みんなで一緒になって」。

 この地に住む人により時代を継いで守られてきた貴重な棚田。これからも守っていきたい、茨木の財産です。

フォトツアーがおすすめ!

いばきたの棚田を探してみよう

いばきたには絵になる景色がいっぱい。美しい棚田をいろいろなアングルでカメラに収めて。田植えの頃から田が青々とする成長期、黄金色の稲穂、刈り取ったあとなど四季折々に訪ねても。

銭原自治会会長 稲葉 豊さん

棚田は、昔の人がここの地形にあわせて作りました。場所ごとに日当たりが違うので、よく見ると発育による色の違いなどもありますよ

銭原の棚田は、余野車作線(府道109号線)を北へ北へ上っていくと現れる

ホームページで紹介! いばきたのステキフォトを募集

いばきたにはフォトジェニックな光景がいっぱい。ステキな写真が撮れたら、ぜひ場所と一緒に教えてください。特集の写真も紹介します。

IBA-KITA02 車作 kurumatsukuri
奥山の中に息づく大自然。森と渓流の音。

自然の息吹を全身で感じて森の一部になる幸せ

 いばきたの東に位置する車作では、生い茂る木々の間を澄んだ川が静かに流れる、豊かな山の姿を目にすることができます。この地域にくわしい角野一雄さんによると「山のほとんどがカシやクヌギなどの自然林」なのだそう。このあたりの木は良質で、「車作」という地名は、昔、天皇に御所車を献上したことに由来するという説もあります。「スギやヒノキを植林したエリアもありますが、自然の雑木は景観的にもいいですし、根を深く下げるから治水能力があります」。いばきたの山の大部分はこうした自然林。同僚の角野力さんは「北部の水がいいのは、山の環境が大きく影響していると思います」と言います。

 森の中にはいろいろな動植物も生息しています。鹿やタヌキ、野ウサギ、アライグマなどの姿を見ることもあるのだとか。一緒に案内してくれた小橋信一さんは「一番気持ちいいのは新緑の時期でしょうか。6月頃はささゆり、秋にはあけびがあることも」と、教えてくれました。

 木漏れ日のなか、緑に包まれながら歩けば、聞こえるのは鳥の声やせせらぎの音。空気も新鮮でおいしく、心がやすらぎます。

村の庄屋の畑中権内が江戸時代中期に独力で造ったという深山水路(権内水路)。看板のある北広場から車作集落までの遊歩道を往復するのもおすすめ。子どもでも歩きやすい

道を歩いているだけでバッタやカマキリ、カブトムシに遭遇

安威川上流漁業協同組合代表理事組合長 角野一雄さん
副組合長 角野 力さん・小橋信一さん

手つかずの自然を味わうなら、歩くのが一番です。日頃の喧噪から離れて、森の緑と川のせせらぎを楽しみながらリフレッシュしてください

茨木の奥深い魅力を山歩きで

このあたりは、竜王山や下音羽方面、竜仙峡方面などとのハイキングコースに組み込む人も。史跡や巨石群とともに、森の中と集落の田園風景も巡って楽しめる。

いばきたをもっと楽しもう! いばきたでできること。

いばきたの楽しみ方はいろいろ。暖かくなるこれからの季節、改めて足をのばしてみれば、茨木の魅力をまたひとつ発見できるはずです。

ぐるり自然に囲まれてアウトドアレジャーを満喫

バーベキューで!キャンプで! 緑のなかで過ごす格別の時間

木工工作が楽しめる里山センターには、無料で使えるバーベキューコーナーや家族利用なら1泊300円のオートキャンプ場が。青少年野外活動センター(銭原キャンプ場)も、市民は利用・キャンプ用品貸出とも無料。いずれも食材などの用意は必要だが、お得に自然とふれあえる。要予約。

里山センター

大字泉原20-2 電話646-7531 午前9時〜午後5時(火曜日休/祝日の場合は翌日休)

青少年野外活動センター

大字銭原115 電話622-5180(社会教育振興課)

※施設や利用案内、利用期間や方法などはホームページまたは電話で確認を

山を巡るならサイクリングもおすすめ

田園風景や木々のなかを風を切って走れば、空気もにおいも、まるごと体感できる。寄り道も自由自在。

山の魅力と恵みがギュッ! 自然の中で産直のお買い物

”茨木産”が集結するいばきたのランドマーク「見山の郷」

地産地消ライフをかなえてくれる直売所。とにかく新鮮なのが特長で、例えば葉ものなら、近所の農家が早朝に採ったものがそのまま店頭に並ぶ。市内より気温が3〜4度低く昼夜の寒暖差がある山の気候と、きれいな水に育まれた農産物は「甘みが強く、歯ざわりもいい」とリピーターも多い。もちろん低農薬。原料の良さを生かしたオリジナルの加工品も人気。最近は学生とコラボした商品やイベントなども増え、ますます魅力的に。

de愛・ほっこり 見山の郷

大字長谷1131 電話 649-3328
午前9時〜午後5時(火曜日休/11月〜3月は午後4時まで)

見山の郷 交流施設組合 代表理事 原田忠節さん

同じ野菜でもほかとは味が違うと言われます。食事もできますし、周辺をぐるっと散歩するのも気持ちいいですよ

スタッフ 田中さん

大粒の見山産大豆で作る豆腐や納豆もおいしいですよ

スタッフ 岡さん

巻き寿司やお赤飯も人気があります

スタッフ 大植さん

お総菜はその日届いた野菜で。うす味で油控えめです

旬の地場野菜が安く手に入るのが直売所の魅力。これからは山菜や春キャベツ、新じゃがなどの春野菜が出回る時期。鍋に入りきらないほど大きいがやわらかいタケノコも楽しみ

施設の前を流れるのは下音羽川。橋を渡っていくと、知る人ぞ知る和みポイント、小さな滝や水車小屋が目に入る。春は桜が美しく、周囲にはあじさいや彼岸花が群生するところも

季節の手作りジェラート

見山産豆乳+牛乳がベース。季節の野菜や龍王みそを使用したユニークなフレーバーも

見山ジュレ

追手門学院大学の学生との開発商品。「赤しそとあまっこ」「ゆず」の2つの味

赤紫蘇サイダー

茨木の名産品「見山の赤紫蘇」を使用。鮮やかな赤色は見山産の赤紫蘇ならでは(季節限定)

龍王みそ

見山産の米・大豆を自然発酵で熟成させたオープン当初からのロングセラー。市内の小学校給食のみそ汁でも使用

米粉パン

いばきたのおいしいお米を生かしたいと17年前に開発。もっちりした食感と自然な甘味がある。種類も豊富

精米したてのものを販売。ブレンドせず生産者ごとに精米するため、味の違いが楽しめるのも特長。レンゲを肥料にしたレンゲ米もおすすめ

平飼い、自然養鶏で育てた鶏の自然卵

無肥料・無農薬、雑草を抜かず耕さない「自然農」を行うとともに、4種約70羽の鶏を平飼い。いばきたの自然のなか、地元の古米と菜園の草を食べてのびのびと育った鶏の卵は卵かけごはんがおすすめ。

雨蛙菜園

大字銭原440 電話090-2048-4333
日曜日午前7時〜午後3時頃まで営業

鶏を見て、納得していただいてから買ってもらえます。餌やり体験やカフェコーナーもあります

オーナーの兒玉重成さん。自然に囲まれた菜園にはゆったりした時間が流れている

参加して楽しむ! イベント&自然体験&ワークショップ

隠れキリシタンの里で山菜採りとたけのこ掘り見学

地元の方の案内で千提寺の見どころを巡って、手作りのおばんざいバイキングが楽しめる。

4月25日(土曜日)午前10時〜午後3時

電話090-4036-4232(中谷 ※午前10時〜午後1時)

茨木里山まつり

里山を生かした多彩な催しを実施。巣箱作りや魚のつかみ捕りなど体験も充実。

5月下旬 午前10時〜午後3時

電話646-7531(里山センター)

いばらき農業はじめ隊

農業に興味のある人におすすめ。泉原で季節の野菜を植えるところから収穫まで実習できる。

5月〜12月(全22回)、午前10時〜午後2時

電話620-1622(農とみどり推進課)

マス、アマゴの渓流釣り

車作の森にある下音羽川で。釣り具セットのレンタルや、釣った魚のバーベキューも可能。

3月1日〜5月6日の土曜日・日曜日・祝日、午前9時〜午後3時

電話649-3636(安威川上流漁業協同組合)

※くわしくは各問い合わせ先に確認を。広報誌でも随時お知らせ

いばきたのロゴができました!

「いばきたの環境や景観保全に重要な関わりを持つのは米作り」と、米をデザインモチーフに。今後、いばきた産の農産物や加工品のパッケージなどに活用予定。

「いばきた」フェイスブックもスタート

いばきたに関する情報を随時発信。 山とまちをつなぐ取組みにも注目