広報いばらき

川端康成と茨木

日本人初のノーベル文学賞受賞作家で本市名誉市民である川端康成と茨木とのかかわりについて紹介します。問合先、川端康成文学館 電話625-5978

川端康成と松本清張

 2019年は川端康成生誕120年ですが、松本清張生誕110年でもあります。二人に直接的な接点は少なかったようですが、松本清張が1952年(昭和27年)に発表した『或る「小倉日記」伝』で第28回芥川賞を受賞した際の選考委員であった川端は、「私は終始これを推した」と高く評価しました。

 二人のつながりはこれに留まりません。松本清張は、1959年(昭和34年)に川端の『伊豆の踊子』と同じ時代、同じ伊豆を舞台にした小説『天城越え』を発表します。修善寺から天城を越えて下田へ抜ける『伊豆の踊子』とは逆に、『天城越え』の主人公は下田から修善寺へと向かいます。『伊豆の踊子』の「朴歯の高下駄」を履いて天城を越える一高生を反転させたような設定をされた「鍛冶屋の倅」である『天城越え』の主人公は、「裸足」で天城を越える道中で、ある事件に巻き込まれます。ここからはミステリー作家・松本清張の真骨頂、怒涛の展開が待ち受けています。

 川端康成文学館では、11月22日に1963年(昭和38年)に吉永小百合主演で映画化された「伊豆の踊子」、29日には1983年(昭和58年)に田中裕子主演で映画化された「天城越え」の上映会を開催します。30日には、『伊豆の踊子』と『天城越え』についての文学講座も開催いたしますので、ぜひご参加ください。

川端康成生誕120年記念 映画上映会と関連文学講座
一時保育あり

とき、ところ、内容、下記のとおり、定員、(1)各当日先着150人、(2)先着60人、費用、(2)700円、備考、(2)一時保育は11月20日までに要申込、申込、(2)11月9日、午前9時30分から、電話または直接、同館窓口

(※各項目、内容、とき(11月)、ところの順で)

(1)映画 伊豆の踊子(1963年、吉永小百合、高橋英樹)
22日(金曜日)午後2時〜4時
ローズWAMワムホール

(1)映画 天城越え(1983年、田中裕子、渡瀬恒彦)
29日(金曜日)午後2時〜4時
ローズWAMワムホール

(2)講話 川端康成『伊豆の踊子』から松本清張『天城越え』へ(豊橋技術科学大学非常勤講師 藤田祐史さん)
30日(土曜日)午後2時〜4時
上中条青少年センター