特集 もしかして認知症?
市内には認知症やその疑いのある人が2万人弱いると推計されます。しかし、初期の段階で相談している人は多くありません。今月の特集では、認知症に関する不安や悩みを気軽に相談できる場をご案内します。
問合先 相談支援課 電話655-2758
今日は何月何日だったかな?
あれ、鍵はどこに置いたっけ?
認知症とは
認知症は誰もがなりうる
今日の日付がわからない、人や物の名前が思い出せない、5分前に話したこと、ご飯を食べたことを忘れている…。どれか思い当たれば、認知症かもしれません。
認知症とは、脳の働きが低下し、生活のさまざまな場面で支障が出てくる状態のことを言います。現在、市内の65歳以上の人口約6万8千人のうち、認知症高齢者とその予備群は、合計で2万人弱いると推計され、これは65歳以上人口の約28%に当たります。
茨木市の認知症高齢者数の推計
認知症高齢者 約10,200人(15%)
認知症予備群 約8,800人(13%)
認知症の疑いのない人 約48,800人
(今年8月末現在の市の65歳以上人口と平成24年内閣府認知症高齢者推計値より算出)
認知症は決して他人事ではありません。65歳以上の4人に1人が認知症になると予測されている今、自分自身はもちろんのこと、家族や周りの人、みんなが認知症について正しい知識をもつことが大切です。
早期発見・早期対応が大切
バランスのとれた食生活や適度な運動を行い、高血圧症や糖尿病等の持病をしっかりと治療することで、認知症の発症や進行を遅らせることができます。また、初期の段階で気づき、専門機関に相談するなど、早めに対応することで、本人も家族も今までどおりの生活ができる可能性が高くなります。
早期発見・早期対応のポイントは、認知症のことを正しく知り、「自分は認知症になんかならない」「きっとこれは老化のせいだ」と決めつけないことです。また、日常生活の言動などで、少しでも変わったことがあれば、身近な人が意識して見守ることも重要です。
もしかして?と思ったら
認知症の疑いがあるかどうか、確認してみましょう。少しでも「もしかして?」と思うことがあれば、ためらわずにかかりつけ医や相談窓口にご相談ください。
確認してみましょう!
今日は、何年何月何日何曜日ですか?
現在、何時何分ですか?
今いる場所はどこですか?
チェックしてみましょう!
- 財布や鍵など、物を置いた場所がわからなくなる
- 5分前に聞いた話を思い出せない
- 一日の計画を自分で立てることができない
- 貯金の出し入れ、家賃や公共料金の支払いを一人でできない
- 自分で、薬を決まった時間に決まった分量を飲むことができない
チェックがつく、不安を感じる場合は、相談窓口にまずご相談を!
※MMSE(ミニメンタルステート検査)、地域包括ケアシステムにおける認知症アセスメント(DASC-21)を参考
Interview
進行を遅らせるために早期対応を
認知症地域支援推進員(医療系) 田窪美由記さん
市には、現在二人の認知症地域支援推進員がいます。私たち推進員は、認知症の人や家族から認知症に関する相談を受け、一人ひとりの生活状況や悩み等に応じて、地域包括支援センターや認知症の診断が可能な病院への架け橋となっています。
認知症は早期発見が大切です。早く気づくことで本人と家族の悩みや介護の負担が軽くなるほか、治療の選択肢が広がったり、暮らし方を見直すことができたり、今後の生活設計がしやすくなるメリットがあります。しかし、本人が認知症であることを認めたくなかったり、家族や周りの人も、「もう少し様子を見よう」と相談をためらったりしたため、気になり始めてから相談するまでに約1年かかったという事例もあります。それだけ認知症の相談には不安や迷いがあるのかもしれません。
でも、私が対応している「認知症オレンジダイヤル」・「認知症オレンジメール」は、匿名での相談も受け付けることができますので、安心してご利用ください。もちろん相談は本人だけでなく、周りの人でも可能です。
認知症を予防する、また、進行を遅らせるためには早め早めの対応が重要です。ご自身や周りの人に「もしかして認知症?」と感じることがあれば、まずは一度ご相談ください。
Interview
話すことで楽になる
認知症家族教室に参加した 永露 曻さん
私の妻が認知症を発症したのは、7年程前だったと思います。近所のスーパーへの道が突然わからなくなったり、電話の相手が誰だったか思い出せなくなったりするなど、当たり前のようにできていたことができなくなったのが最初の違和感でした。不安に思った私は「医者に診てもらったら」と言いましたが、最初は「認めたくない」とかたくなに拒み、「じゃあ、2人で一緒に診てもらおう」という条件で説得し、なんとか診てもらうことができました。診断結果は「アルツハイマー型認知症」。もしかしてとは思っていましたが、ショックでどうしていいかわからず、落ち込む日々が続きました。そんな時、病院を通じて「認知症家族教室」を知りました。認知症の介護について学べることはもちろんですが、何より同じ境遇の参加者と交流することで前向きな気分になったり、認知症に対する知識が増えて考え方が変わったりして、徐々に気持ちが楽になっていきました。それから約4年間ずっとこの教室に通い続けています。
認知症の疑いがあっても、本人だけで気づくことは難しいものです。身近にいる人が日頃から気にかけ、少しでも不安があれば、すぐにかかりつけ医や「交流できる場所」に相談・打ち明けることが最も大切なことだと思います。
交流できる場所
いばらきオレンジかふぇ
認知症の人やその家族、地域住民等誰もが気軽に集い、交流や情報交換ができる憩いの場です。
詳細は認知症地域支援相談員(介護系)電話657-7717
家族教室
認知症に関する情報を得る講座と認知症の家族が交流する機会を設けています。
「認知症家族教室」
(医療法人恒昭会)藍野病院地域医療連携室 電話621-1321
「認知症家族介護教室」
(社会福祉法人)慶徳会地域相談支援室 電話657-7717
気軽に相談
思い当たればすぐに相談
自分や身近な人の行動などに違和感を感じ、認知症かなと思っても、「勘違いだったら悪いかな」「まだまだ大丈夫」と、そのまま何も行動を起こさない人が多いかもしれません。しかし、大切なのは「早めに相談する」こと。相談するのに早すぎることは決してありません。かかりつけ医を受診したついでに相談してみる、市役所に行くついでに相談してみるなど、何かのついででもかまいません。思い当たることがあればすぐに相談しましょう。
市には認知症オレンジダイヤルやチーム・オレンジいばらき、地域包括支援センター等認知症の相談ができる場がたくさんあります。気軽に相談して、不安の解消・早期発見につなげましょう。
認知症を理解する
認知症は誰もがなる可能性があります。家族や周りの人だけでなく、まち全体で認知症を正しく理解し、当事者や家族に寄り添い支える環境をつくることが重要です。他人事ではなく、「自分事」として一緒に考えてみませんか。
もしかして認知症?と思ったら
認知症オレンジダイヤル
「病院に行くのはちょっと」「少し気になるだけ」、そんな時は、認知症地域支援推進員にお電話ください。
フリーダイヤル 0120-556-806(ココロ 晴れる)(平日、午前9時〜午後5時)
認知症オレンジメール
気軽にメールで相談できるように専用フォームで受け付けています。「認知症オレンジメール」で検索。
チーム・オレンジいばらき
認知症の早期発見・早期対応のために、保健師・社会福祉士等が家庭訪問を行い相談に応じます。認知機能のチェックや生活の様子から適切な医療・介護サービスを受けられるようサポートします。
チーム専用ダイヤル 電話622-0655(相談支援課内)(平日、午前9時〜午後5時)
地域包括支援センター
同センターは、地域で暮らす高齢者やその家族を支える、健康・医療・介護・福祉等の「高齢者の総合相談窓口」です。担当小学校区については下記参照。
(※各項目、圏域、小学校区、センター名、住所、電話番号の順で)
北圏域
清溪校区・忍頂寺校区・山手台校区
清溪地域包括支援センター・忍頂寺地域包括支援センター・山手台地域包括支援センター
山手台3-30-16-1
電話649-1808
北圏域
安威校区・福井校区・耳原校区
天兆園
安威2-10-11
電話640-3960
北圏域
豊川校区・郡山校区・彩都西校区
常清の里
清水1-28-22
電話641-3164
東圏域
太田校区・西河原校区・三島校区・庄栄校区
エルダー
庄2-7-38
電話631-5200
東圏域
東校区・白川校区
東地域包括支援センター・白川地域包括支援センター
鮎川1-6-4
電話636-8686
西圏域
春日校区・郡校区・畑田校区
春日地域包括支援センター・郡地域包括支援センター・畑田地域包括支援センター
上穂積1-2-27
電話646-5685
西圏域
沢池校区・西校区・春日丘校区・穂積校区
春日丘荘
南春日丘7-11-48
電話625-6575
中央圏域
茨木校区・中条校区
茨木市社会福祉協議会
駅前4-7-55、4階
電話627-0114
中央圏域
大池校区・中津校区
大池地域包括支援センター・中津地域包括支援センター
園田町8-17、1階
電話697-8067
南圏域
玉櫛校区・水尾校区
玉櫛地域包括支援センター・水尾地域包括支援センター
玉櫛1-2-1、1階
電話652-5810
南圏域
玉島校区・葦原校区・天王校区・東奈良校区
葦原
真砂2-16-15、1階
電話636-8000
地域のみんなで支えよう
茨木童子見守りシール
行方不明になる心配のある、おおむね65歳以上の人の早期発見や事故防止を図るために見守りシールを配付しています。衣服やかばん等に貼り付けることができます。詳細は本人がお住まいの地域を担当する地域包括支援センターにお問い合わせください。
認知症サポーター養成講座
同サポーターは認知症を正しく理解し、本人やその家族を温かく見守る応援者で、本市には今年8月末時点で約2万人のサポーターがいます。友人や家族に学んだ知識を伝えたり、認知症で困っている人に声をかけたり、寄り添いの輪を広げるために養成講座を開催しています。
講座の申込・問い合わせ等は慶徳会地域相談支援室までご連絡ください。