広報いばらき

コラム「映画 葬式の名人」

費用の記載がない場合は参加無料。定員・申込などの記載がない場合は事前申込不要または当日直接会場へ。

 8月16日からイオンシネマ茨木で先行公開の映画「葬式の名人」の脚本・プロデュースを担当した大野裕之さんによるコラム。映画の見どころや裏話、公開に関する最新情報等を紹介します。問合先、まち魅力発信課 電話620-1602

映画の舞台裏(3)

 皆さま、ネット上で予告編がアップされていますが、ご覧になっていただけましたか?茨木の各所がいい感じで写っております!

 さて、『葬式の名人』で、前田敦子さんはシングルマザーの役を演じますが、その息子役を選ぶオーディションを昨年6月17日に茨木で行いました。その時に選ばれたのが、阿比留照太くん。演技経験はないのですが、だからこそ自然な表情を見せてくれました。「これで映画は大成功する!」と確信した、その翌日のこと。あの大阪北部地震が起こったのです。ひょっとしたら映画製作は中止せざるを得ないのではないか、という考えも頭をよぎりました。

 しかし、被災されたロケ予定地の皆さんから、「ここは大丈夫です。絶対に映画を中止するなんて言わないでください!」「予定通り進めて、茨木を勇気づけてください!」と言っていただき、逆に大いに励まされました。その時、この映画に、「災害を乗り越えて市民を勇気づける」という新しい使命が生まれた気がしました。

 7月に入り、スタッフが続々と茨木入りし準備を開始。主人公の住む木造アパートは、阪急沿線のアパートを実際に借りて生活感を出すためにスタッフが一か月間住むなど、映画職人たちは細部までこだわります。私はその頃、関西以外の出身の俳優さんのために、台詞のイントネーションを録音しました。でも、その録音を聞いた大阪出身の出演者は「大野ちゃんの大阪弁はちょっとちゃうで」と。いやいや、これは茨木の映画なんですよ。やわらかい北摂言葉にこだわりますよ!と反論しました(笑)・・・。(つづく)