広報いばらき

コラム「映画 葬式の名人」

費用の記載がない場合は参加無料。定員・申込などの記載がない場合は事前申込不要または当日直接会場へ。

 今年の夏に公開予定の映画「葬式の名人」の脚本・プロデュースを担当した大野裕之さんによるコラム。映画の見どころや裏話、公開に関する最新情報等を紹介します。

問合先、まち魅力発信課 電話620-1602

映画の舞台裏(1)

脚本・プロデュース

大野裕之さん

 市制施行70周年を記念して、茨木を舞台にした映画製作のお話をいただいた時、本当に嬉しく思いました。僕自身が、人生でもっとも多感な時期を過ごしたこの街、愛する母校・茨木高校のある街を舞台に映画を作れるなんて!愛する茨木だからこそ、まず思ったのは、地元だけで喜ぶ「ご当地映画」ではなく、茨木から発信して世界中の人々に愛される映画にしたいということです。

 歴史と文化の蓄積を誇る茨木には映画向きの題材が多くありますが、今回はやはり川端康成にこだわりたいと思いました。当初、茨木での康成の青春を映画化しようかと思いましたが、敷居が高くなりそうだし、ありきたりな気もしました。そんな時、山田洋次監督の『母と暮せば』など、多くの傑作をプロデュースした榎 望さんから、康成の小説をヒントに現代の茨木を舞台に脚本を書いてはどうかと助言を受けました。そこで、康成が茨木を舞台にして書いた『葬式の名人』『十六歳の日記』『師の棺を肩に』『少年』や、不思議な短編『片腕』などからモチーフを得て、オリジナル脚本を書きました。

 本作のために、監督は著名な評論家でもある樋口尚文さん、撮影は『帝都物語』など数々の傑作を担当した大御所 中堀正夫さん、美術は日本アカデミー賞や紫綬褒章も受章された部谷京子さん、編集は『戦場のメリークリスマス』も手がけた大島ともよさんなど、超豪華スタッフ陣が集まってきてくれました。

 なにより、主演として前田敦子さん、高良健吾さんという、日本映画界をリードするお二人にご参加いただくことが決まり、いよいよ茨木を舞台に映画を製作する準備が整ったのです・・・(つづく)