広報いばらき

特集 放課後子ども教室

 小学生の放課後の安全・安心な居場所「放課後子ども教室」。開設から10周年を迎え、各校区の特色ある活動が活発になってきています。今回は、参加している児童や活動を支える地域の人の声とともに、放課後子ども教室の今をお伝えします。問合先 社会教育振興課 電話622-5180

放課後子ども教室って?

地域の人がスタッフとなり運営し、放課後などに子どもたちが、文化・スポーツ活動など色々な体験を行う場所です。

実施日時
平日の放課後〜午後5時、土曜日等(実施日時・回数は各小学校で異なる)
実施場所
校内(教室・体育館・グラウンド等)、校区内施設等
対象
1年生〜6年生
費用
無料(保険料や講座による費用が必要な場合あり)
参加方法
保護者が小学校区の実行委員会に参加申込書を提出

運営スタッフ

安全・安心な放課後子ども教室を運営するため、スタッフは次の4つの役割を担います。

コーディネーター

保護者や学校、関係団体等との連絡・調整、活動プログラムの企画等

安全管理員

宿題等の学習活動におけるアドバイス等の支援

地域ボランティア

講座等の活動支援、児童の見守り等

学習支援アドバイザー

参加児童の受付や活動中の安全確保と支援

放課後子ども教室の今

安全・安心な放課後の居場所 

 平成20年(2008年)4月に、市内小学校で「放課後子ども教室」の取組みが始まりました。放課後子ども教室は共働き家庭の増加などを背景に、子どもたちの安全・安心な居場所を作るため、また子どもたちがさまざまな体験ができる場所として、学校内を中心に実施しています。 

放課後子ども教室の4つの役割

 放課後子ども教室には、ほかにも、いくつかの役割があります。

 まず、子どもたちにとって、運営スタッフが企画する多様なプログラムを体験することで、自分が楽しいことを見つけるといった役割や、異なる学年の子どもたちと触れ合うことで、縦のつながりを作り、社会性を育む場としての役割です。

 また、運営スタッフにとっても、子どもと触れ合うことが生きがいになり、特に学生スタッフは子どもとの関わり方の学びになっています。さらに、運営スタッフと子どもたちが顔見知りの関係になることで、地域のつながりが深まり、見守りが強化されるなど、地域にも良い環境が生まれています。

10年間で教室も大きく成長

 取組みが始まってからの10年間で、放課後子ども教室のスタッフ数、児童の登録率、1年間の延べ参加人数・実施日数は増加し、大きく成長しています。

(※各項目、名称、平成21年度、平成29年度の順で)

登録スタッフ数
約1,700人
2,210人

延べ実施日数
2,401日
2,811日

児童の登録率
56.8%
65.9%

延べ参加人数
199,303人
333,013人

※学童保育児童含む

 運営スタッフが趣向を凝らしながら活動を企画実施し、一緒に活動を楽しみ、見守りを続けてきたことにより、放課後の居場所として定着しました。このことが、参加者の増加につながっています。

Interview
体験の幅が増え、色々な経験ができる場所に

水尾小学校区放課後子ども教室実行委員会
事務局アドバイザー 三木 昭さん

 私は水尾小学校区の放課後子ども教室の設立に携わり、はじめの4年は委員長を務めるなど中心となって活動してきました。茨木の放課後子ども教室は地域主体で運営していて、決まったプログラムがないため、各校区でオリジナリティあふれる活動が展開されています。一方、各校区のスタッフ同士が積極的に情報を交換し、他の校区の良いプログラムを自分たちも取り入れたりしています。このように放課後子ども教室同士で高め合うことで、市内の放課後子ども教室全体のレベルアップにつなげています。

 10年前と比べると、PTAや地域団体と連携するなど、地域が放課後子ども教室に関わる機会が増え、地域内のつながりも強化され運営スタッフが増えました。また、スタッフみんなが趣味や特技を活かしたことで、講座の数や種類が格段に増えており、子どもたちが、以前にも増してたくさんのことが経験できる、心身共に成長できる場所になっています。ぜひ一度、体験してみてほしいです。

 このように、10年間積みあげてきたものがみんなにいい影響を与えていると思います。これからも通い続けたい場所として運営していきたいです。

放課後子ども教室の1日

 1日の授業の終わりを告げるチャイムが鳴ると、子どもたちが続々とやってきます。受付を済ませて教室は一気に賑やかに。今日は何をしようかな?

受付

午後2時30分から

参加カードを受け取って出席確認!

宿題

時間は小学校によって異なる

優しく教えてくれて安心!

自由遊び・講座

午後5時まで

多彩な自由遊び・講座

※各小学校区によって活動内容は異なる

帰宅

午後5時

放課後子ども教室の未来

ますます特色あふれる場所に

 本市の放課後子ども教室はこの10年間で大きく成長してきました。ここで紹介した以外にも、平成29年(2017年)からは、市内事業者と連携し、ジャムや豆腐等の食品作りやアクセサリー作りを実施するなど、新たな活動が生まれています。このように子どもたちにとってより充実したプログラムが企画され、ますます特色あふれる場所になっています。

子どもの未来を育む場所

 これまで紹介したように、子どもたちが多様な体験活動を楽しむことができ、子どもたちの未来を育むことができる場所が毎日通う学校にあります。この4月に小学校に入学する人、まだ利用したことがない人は、ぜひご利用ください。

保護者・児童の声

太田小学校区 福井いづみさん

 小学3年生の子どもが放課後子ども教室を利用しています。色々な体験を通じて、できることが増えていくのが嬉しいです。また、ここに通うようになってから、スタッフの皆さんと顔見知りになり、子どもが学校の外でもあいさつを交わすようになりました。地域みんなに見守られているので安心です。

郡小学校6年生 有馬功起さん

 校庭や体育館などを広々と使って遊べるのがうれしいです。違う学年の人ともサッカーをできるのがいつも楽しみです。

 スタッフの皆さんは、宿題が分からないときは教えてくれたり、遊んでいるときにけがをしないように注意してくれたり、僕たちのことをいつも見守ってくれているんだと感じています。

運営スタッフ募集中!

子どもが大好き!
地域で活躍したい!

 放課後子ども教室の運営スタッフを募集しています。年齢は不問です。興味がある人は社会教育振興課へお問い合わせください(校区によって募集を停止している場合あり)。

文部科学大臣表彰を受賞

茨木小学校区安全管理責任者 桧木 勝さん

 私は放課後子ども教室の立ち上げから携わり、ずっとボランティアをしています。今は、安全管理責任者を務めていて、遊び道具の点検や独自の安全管理マニュアルを作っています。こうした工夫もあって、10年間で大きなけがをした子どもはいません。また、学童保育室と連携して避難訓練を行うなど、安全・安心に向けた取組みも行っています。これまでの活動が評価され、平成28年(2016年)度に文部科学大臣表彰を受賞しました(郡・太田・水尾小学校区も受賞)。子どもたちのためにやってきたことが評価され、嬉しかったです。これを励みに、取組みを継続し、子どもたちの安全を守っていきたいです。

子どもとの触れ合いの場所

太田小学校区大学生ボランティア 藤田脩平さん

 私は小学3年生の時、放課後子ども教室でお世話になっていました。当時は、友だちと一緒にミニバスケットボールをしていて、皆で過ごした放課後はとても楽しかったのを覚えています。10年が経って、今は運営スタッフとして子どもたちを見守る立場になりました。子どもは元気いっぱいで、一緒に遊んでいると楽しく、自分の毎日の活力にもなっています。私は子どもと触れ合うのが好きで教員になりたいという夢があり、放課後子ども教室は子どもとの接し方などが学べる、とても良い場所になっています。子どもが好きな人や教員をめざす人は、ぜひ一緒に運営スタッフとして参加しませんか。