広報いばらき

特集 アートないばらき

 芸術の秋、という言葉をよく耳にしますが、芸術は秋だけのものではありません。特に茨木には、街中にたくさんのアート作品があって、季節を問わず一年中芸術鑑賞が楽しめます。またアートイベントなど芸術活動も盛んです。今月は、そんな茨木のアートを紹介します。

問合先 文化振興課 電話620-1810

発展する茨木アート

アートあふれるまちは活気あるまち

 まちを歩いているときに、モニュメントや彫刻などのアートを見かけたことはありませんか。阪急南茨木駅前の「サン・チャイルド」(ヤノベケンジさん作)や阪急茨木市駅前の「虹の塔」(木村光佑さん作)など、茨木にはたくさんのアート作品があります。また、市民を中心とした文化芸術団体も数多く活動しています。このように芸術活動が盛んに行われることで、まち全体が活気づいていきます。

アートと市民をつなぐ

 市ではこれまでにさまざまなアートの取組みを行ってきました。美術展や写真展、自由な表現が特長の現代美術展(関連イベントのミニアチュール展は「イベント」ページ参照)だけでなく、子ども向けのワークショップなど、内容や対象は多種多様です。そのほかにも、公共施設や公園などにモニュメントや彫刻作品を設置してきました。平成20年(2008年)からは、「Trans-Ren(Bump, White)」(名和晃平さん作)など、元茨木川緑地を中心に5つの作品を設置しました。

 さらに平成25年(2013年)には、人・まち・アートをつなぎ、地域の活性化をめざす、HUB-IBARAKI ART事業を開始。公募などで選定された作家の作品の設置やイベントの開催などに取り組んできました。期間限定の設置もありましたが、現在は、「言葉の眺め」(牛島光太郎さん作)がローズWAMやお店の窓ガラスに、「WM」(中島麦さん作)が市役所などの公共施設の壁面や備品に展示され、アートな環境をつくっています。

文化は市民がつくっていく

美術協会長 木村光佑さん

 茨木にはモニュメントや壁画などのアートがたくさんあって、文化的に優れているまちだと思います。私の作品もいくつか設置されているのですが、他の作家の作品も含め、市民に喜ばれ思い出に残るものになって欲しいですね。茨木は山や川があって、普段何気なく見ていたものでも、改めて見つめなおすと新たな魅力が発見でき、作品をつくるヒントになります。

 今年で美術協会は70周年を迎えました。アートの発展のため、これまでに展覧会や美術教室など、さまざまな活動を行ってきました。特に、毎年市と共催している市美術展は、周辺自治体の中でも大規模な展覧会となっています。文化は市民がつくっていくものです。協会がその中心になれるよう、今後も積極的に活動を続けていきます。

新たなプロジェクト

JR総持寺駅アートプロジェクト

 昨年の3月、新たなアートプロジェクトが始動しました。その名も「SOU」ーJR総持寺駅アートプロジェクトー。このプロジェクトは、駅の開業とともに、日常生活の中で、アートに出会い、アートを知るきっかけの場になればという思いから立ち上げられました。

 駅改札前の自由通路の壁面の高さ2.6メートルに合わせて、絵画や写真、現代アートや児童画などジャンルを超えた作品を拡大プリントして展示しています。展示作品は、約半年を目途に、継続的に入れ替えを行い、現在2回目の展示を行っています。

「やさしい贈り物」

 2回目の展示「やさしい贈り物」は、やわらかな時間や物語をテーマに、4つの作品で構成されていて、3月末まで展示しています。今回は、市内小学生の作品も展示。27人の小学生が描いた自分だけの花を一つの作品にしています。

アートに触れる1年に

 市では今後も、アートの発展に向けたさまざまな取組みやイベントを開催していきます。茨木は、いつでもどこでも誰でもアートを楽しめるまちです。まちのアートを見て回ったり、イベントに参加したり、自分の作品を展示会に出品してみたり、今年はアートに触れる1年にしてみてはいかかでしょうか。

まちにアートが溶け込み、文化として根付く

One Art Projectディレクター 稲垣元則さん

 私たちが取り組んでいる「SOU」ーJR総持寺駅アートプロジェクトーでは、さまざまなジャンルの作品を皆さんに楽しんでもらうために、こだわりを持って作品を選んでいます。また、通路の壁面や床、照明もギャラリーのような空間になるよう趣向を凝らすことで、作品により存在感を与えています。駅は自然と人が集まり、利用される場所なので、普段アートに触れることのない人にも作品を見てもらうには、絶好の場所だと思います。

 さまざまな作品に触れることで、自分の中で新たな感性が芽生えていきます。そのため「SOU」では、同じ作品をずっと展示し続けるのではなく、約半年で作品の入れ替えを行います。「アートは難しい」「何を描いてるのかわからない」とアートに距離をおいてしまう人もいるかと思いますが、「何となく好き」「前の作品の方が良かった」など、少しでも何かを感じてもらいたいです。たくさんの人が色々な作品に触れ、新たな感性が芽生える、その積み重ねによって、まちにアートが溶け込み、文化として根付いていく。そんなプロジェクトにしていきたいです。

 今後は写真など展示の幅を広げたり、海外の作家の作品も展示したり、ジャンルや国を超えたさまざまな作品を楽しんでもらいたいと思います。展示以外にも、ワークショップやアートツアーなどのイベントも開催し、アートに触れる機会をもっと提供していきたいと思います。

SOU関連イベント

【real SOU#2 やさしい贈り物「SOU」のほんもの作品展】

とき 1月26日(土曜日)〜2月3日(日曜日)、午前10時〜午後7時、ところ 本町センター(元町8-8)、内容 第2回作品の実物と各作家のほかの作品の展示、備考 立命館大学生による「BOOK CAFE」を併設

【まちなかアートウォーキングツアー】

とき 1月27日(日曜日)、午前10時〜正午、定員 20人(多数の場合抽選)、内容 JR総持寺駅から市役所周辺まで、作品を観賞しながら歩く(約3キロメートル)、申込 1月16日までに、メール(氏名・住所・年齢・電話番号を記入)で、文化振興課メールアドレス、bunkashinkou@city.ibaraki.lg.jp

【トークイベント「アートプロジェクトから街の活用・再生へ」】

とき 2月2日(土曜日)、午後1時から、ところDIY工房(元町3-39)、内容 出演 龍野アートプロジェクト・アートディレクター 加須屋明子さん

【ワークショップ(アートグッズを作る)】

とき 2月2日(土曜日)、午後3時から、ところ DIY工房、内容SOUの作品を使ってトートバックと缶バッチ、費用 500円、備考 材料がなくなり次第終了

【クイズラリー】

とき 1月26日(土曜日)〜2月3日(日曜日)、内容 JR茨木・阪急茨木市駅から会場までの各店舗にクイズを設置、参加者にコーヒー1杯プレゼント、備考 ラリー用紙はJR茨木・阪急茨木市駅、市観光協会のラック設置(「SOU」ホームページからダウンロード可)

各イベントの詳細は問い合せるか、SOUホームページ(https://www.sou-art.com/)をご覧ください。問合先 One Art Project稲垣 電話090-5967-4144