広報いばらき

川端康成と茨木

日本人初のノーベル文学賞受賞作家で本市名誉市民である川端康成と茨木とのかかわりについて紹介します。問合先、川端康成文学館 電話625-5978

夢をかなえた康成

 旧制茨木中学2年生のころから、作家になることを考え始めた康成。中学3年生のときには、病の床にあった祖父の様子を日記に記しながら、「自分は切に小説の傑作が祖父のモデルで出来るをうたがわない 一つ書いて中央公論に出して見ようかと思う」と、自信のほどを見せています。

 中学4年生のときの日記には、こんなことが記されています。「俺はどんな事があろうとも英仏露独位の各語に通じ自由に小説など外国語で書いてやろうと思ってるのだから そしておれは今でもノ(ー)ベル賞を思わぬでもない」。

 当時康成は、アジアで最初にノーベル文学賞を受賞したインドの詩人・タゴールに強い関心を持っていました。少年らしい意気込みが感じられるこの言葉は、52年後に現実のものとなります。

 昭和43年(1968年)、康成はノーベル文学賞を受賞しました。日本人初の快挙にふるさと茨木も喜びに沸き、茨木市議会は満場一致で「茨木市名誉市民」に推挙することを決めます。

 名誉市民推挙式は翌年の10月26日に行われました。午前中に母校茨木高校で行われた「以文会友」の文学碑の序幕式に引き続き、市役所での式典に臨んだ康成は、推挙状と名誉市民章を受けたあと、謝辞を兼ねたあいさつのなかで、ノーベル賞について「わたくしがもらったというよりも、日本の文学がもらったのだ」と述べています。

 康成のノーベル文学賞受賞から50年目に当たる今年、川端康成文学館では恒例の夏休み企画「川端康成って知ってる?」(夏休み!!子どもイベント参照)に加え、「夢をかなえた川端康成」と題して、康成のノーベル賞賞状やメダルなどを展示します。どうぞふるってご来館ください。

川端康成ノーベル文学賞受賞50周年特別展示

「夢をかなえた川端康成」 市制施行70周年関連イベント

とき、7月14日(土曜日)〜8月20日(月曜日)(火曜日休み)、午前9時〜午後5時、ところ、同館