広報いばらき

特集1 LGBTを知る

 6色の虹を街中で見かけたことはありますか。6色の虹は、性的少数者であるLGBTのシンボルで「人の多様性を認め合う」という思いが込められています。

 LGBTについて知り、人の多様性を認め合い、誰もがありのままに生きることができるよう、私たちにできることを考えていきましょう。

問合先、人権・男女共生課 電話620-1640

LGBT

レズビアン
同性を愛する女性
ゲイ
同性を愛する男性
バイセクシャル
両方の性別を好きになる、または好きになる性別にこだわらない人
トランスジェンダー
からだや戸籍上の性別とは異なる性別として生きていきたいと望む人

性のあり方は人それぞれ

LGBTとは

 LGBTとは、女性で女性を、男性で男性を好きになる人や、からだとこころの性別が異なる人など、セクシャリティ(性のあり方)が少数派の人たちのことをいいます。その中で代表的なレズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーの4つの頭文字が言葉の由来です。

LGBTは身近にも

 日本の全人口の約7.6%がLGBTであるという調査結果(電通ダイバーシティ・ラボ「LGBT調査2015」)があります。これは13人に1人がLGBTで、左利きの人や、血液型がAB型の人の割合とほぼ同じです。

 セクシャリティは見た目で判断できません。また、セクシャリティの違いを理由に、差別やいじめをする人がいるため、多くのLGBTはありのままの自分を隠して生活しています。

 知人の中にLGBTはいないと思っていても、それはあなたが気づいていないだけかもしれません。

セクシャリティは無数に

 セクシャリティがどういったものかを考える際に、「からだの性」、「こころの性」、「好きの性」、「表す性」といった4つの視点から見ると、理解しやすくなります(下記参照)。セクシャリティはこれらの要素の度合いによって、無数の組み合わせがあるため、単に男性か女性かのどちらかだけに分けられるものではありません。そのため、セクシャリティは人それぞれ違います。

セクシャリティの4つの視点

セクシャリティは4つの視点それぞれが、どれくらい男性的か・女性的かによって多様な組み合わせがあります。

(1)からだの性:身体つき、遺伝など、生物学的な性

(2)こころの性:自分の性別をどう思うか

(3)好きの性:好きになる人の性別

(4)表す性:服装、しぐさ、言葉使いなど

例えば…

interview 性を決めつけないで

LGBTの当事者やその家族・友人のための交流会や相談を行っている、NPO法人QWRC理事の近藤由香さんに、当事者のことや配慮すべきことについて、インタビューしました。

NPO法人QWRCくぉーく 近藤由香さん
 友人の誘いがきっかけで、LGBTの当事者団体で活動を始める。13年前からQWRCに参加。LGBTに限らず誰でも参加できるお茶会「QWRCデー&ナイト」、LGBTなど多様な性を生きる人で精神面に悩みがある人の集い「メンヘル!」、毎月第1月曜日、午後7時30分~午後10時30分の電話相談(電話06-6585-0751)などを行っている。

セクシャリティは個性

 LGBTと一言で言っても、セクシャリティは人それぞれ違います。そのため、LGBTとの関わりの中では、セクシャリティで決め付けず、当事者を知ることが大切です。例えば、何か困ったことがあった場合に、「この人はゲイだから」「トランスジェンダーだから」とセクシャリティから解決策や対応を考えてしまいがちです。LGBTに限った話ではありませんが、人をイメージで決めつけず、話をじっくり聞くことでのような工夫ができるかを一緒に考えてみてください。

心が落ち着ける場を提供したい

 LGBTの中には、いじめの被害にあったり、LGBTである自分を責めたりして、自分を大切に思う気持ちを失ってしまう人がいます。また、家族にさえLGBTであることを打ち明けられず、ありのままの自分で過ごす場を持てない人もいます。QWRCでは、そうした人たちの心が落ち着ける場を提供するため、交流会などを行っています。当事者がありのまま過ごし、話をすることを通じて、自信を取り戻していってもらいたいです。

LGBTを知って欲しい

 最近になってLGBTが取り上げられる機会は増えました。しかし、世の中のLGBTへの関心はまだまだ低く、理解は広まっていません。多くの当事者は周囲にLGBTであることを受け入れてもらうのは、依然難しいと考えています。そのため、より多くの人にLGBTのことを正しく知ってもらい、理解して欲しいです。

私たちにできること

言葉やふるまいに気を付けましょう

 おネエ、おかま、ホモ、レズといった言葉を使っていませんか(下記参照)。当事者の中には、そうした差別的な言葉により、いじめられた経験のある人がいます。そういった言葉は使わず、ゲイやトランスジェンダー、レズビアンと正しく表現し、LGBTをからかうような言動は、冗談でもしないでください。また、本人の承諾なくその人のセクシャリティを他の人に教えるのはやめましょう。こうしたふるまいをしている人がいたら、控えるように伝えることも大切です。

 「彼女はいるの」「どんな男性がタイプ」など、性別を表す代名詞や相手の好きな性別を決め付けるような質問を不快に感じる人もいます。例えば、パートナー・恋人といった表現を使うようにしましょう。こうした多様なセクシャリティを認める姿勢は、あなたの周りの人にも伝わり、互いを認め合う雰囲気づくりにつながります。

こんな言葉に傷つきます

ホモやレズなどという言葉を使ったり、LGBTをからかうような振る舞いをしていませんか。心当たりがあれば見直してみましょう。

「あいつホモらしいよ」
「ホモっていう言い方はあいつホモらしいよ傷つくなぁ…」
「あの人ってそっち系なんじゃないの?」
「そっち系って嫌な言い方だなぁ」
「男同士ベタベタしてて気持ち悪くない?」
「気持ち悪いって言わないで」
「あいつって本当は元男なんでしょ?」
「隠しているのにバラさないで」
「あの人って男も女も誰でも好きになるらしいよ」
「誰でも好きになるわけじゃないよ…」
「女同士手をつないでレズみたい」
「レズビアンだったらいけないことなの?」

LGBTをもっと知りましょう

 10月11日は世界カミングアウトデーです。これはLGBTをより広く知ってもらうための記念日で、これに合わせて、10月7日にレインボーフェスタ(下記参照)が開催されます。このイベントは当事者でなくても参加できます。また、市では、第2次市人権施策推進基本方針において、LGBTへの差別や偏見をなくすことを主要な取組みとして位置づけ、啓発活動を行っています。

レインボーフェスタ

LGBTのことをもっと知るチャンス。実際に見聞きして理解を深めましょう。

とき、10月7日(土曜日)、午前11時~午後4時
ところ、扇町公園(大阪市北区扇町一丁目1)
内容、多様な性のあり方を知るパレード、ステージ、ブース出展など

互いを認め合える社会へ

 LGBTに偏見を持たず、理解を深めることが大切です。人はそれぞれ違っていて当たり前です。その違いを多様な個性の一つとして認め合える社会は、誰もが生きやすいと思える社会ではないでしょうか。

 全ての人が差別やいじめなどの心配をせず、ありのまま自由に過ごせるよう、あなた自身が人の違いを尊重する姿勢を周りの人に示しませんか。互いの多様性を認め合う素敵な6色の虹の旗を、まずはあなたの心に掲げましょう。

電話相談はお気軽に

LGBT のことで悩んでいませんか。悩みは抱え込まず、ご相談を。

人権センター 電話622-6613
平日(祝日除く)、午前9時~午後5時

豊川いのち・愛・ゆめセンター 電話643-1470
月曜日~土曜日(祝日除く)、午前9時~午後5時

沢良宜いのち・愛・ゆめセンター 電話635-7667
月曜日~土曜日(祝日除く)、午前9時~午後5時

総持寺いのち・愛・ゆめセンター 電話626-5660
月曜日~土曜日(祝日除く)、午前9時~午後5時

ローズWAM 電話620-9920
月曜日、水曜日~土曜日(祝日除く)、午前10時~午後4時