広報いばらき

文化財めぐり

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Vol.119

上段の間・継の間・湯殿(郡山宿本陣)

 上段の間・継の間・湯殿は郡山宿本陣にある部屋の名前です。郡山宿本陣は、江戸時代には、京都と西国を結ぶ西国街道沿いの宿駅として、西国の大名が参勤交代の時によく利用しました。入口の門のそばにあった椿の木が、毎年五色の花を咲かせたことから、「椿の本陣」と呼ばれています。

 上段の間は、本陣の中で最も格式の高い8畳敷きの部屋で、大名などの主たる客人の休泊に使われました。他の部屋より一段高くなっていて、最も格の高い人に使われる畳のへりを飾る布が繧繝縁になっている畳が2枚敷かれています。

 継の間は、上段の間の向かいにあり、家老等が控えていた8畳敷きの部屋で、側用人や本陣の主人などが大名に会うときにも使用されていました。

 上段の間・継の間の北側には、うぐいす張りの縁側が続き、そこから庭園が一望できます。大名たちは上段の間からその景色を楽しむことができました。現在は、庭園には庭石が置かれていますが、灯籠や石は侵入者が潜みやすいので、昔はありませんでした。

 湯殿は、現在でいう風呂場のことで、建物の一番奥にあり、大名などが使っていました。備え付けの風呂桶はなく、本陣にある大きな釜で湯を沸かし、大名側が持参した風呂桶に絹の布でこした湯をはって使用していました。

 郡山宿本陣では3月4日〜12日に特別公開を行います。予約なしで本陣内を見学できますので、ぜひお越しください。