広報いばらき

人キラリ

キラリと光る市民紹介コーナ−

農事功労者顕彰受賞
小田勝己さん(72)(忍頂寺)

 日本酒の材料となる「三島雄町」は米の品種のひとつ。小田勝己さんは、三島雄町の栽培により地域に貢献をした功績が認められ、平成27年(2015年)12月に、伊勢神宮で毎年新米献上の時期に行われる新穀感謝祭において、農事功労者顕彰を受賞しました。

茨木産の米で茨木の地酒を作りたい

 小田さんは幼少から祖父の農業を手伝っていました。中学校卒業後、就職。定時制高校に通いながら学業と仕事を両立しつつ、農業を続けました。

 「茨木の米を使った地酒を作りたいと酒造会社から熱心な誘いがありました。そこで、15年ほど前から、三島雄町を作り始めました」と小田さん。三島雄町は、稲の丈が高く、穂につく米粒の量が多いのが特徴です。収穫時は穂の重さで稲が倒れ、手で刈るため手間がかかります。そのため、以前は市内山間部一帯で栽培されていましたが、今は数軒の農家だけになりました。

 小田さんは、三島雄町の栽培で地酒の復活に貢献し、また、田植えの時期に田んぼや苗などをお祓いしてもらう行事を行い、農業を通じて地域の伝統文化の継承をした功績が認められ、今回の受賞に至りました。「三島雄町は手間がかかって大変ですが、その努力が認められたようで、続けてきてよかったです」と受賞の喜びを語ります。

 3年ほど前に、茨木地酒プロジェクトを立ち上げました。10人くらいの中心メンバーは、農業経験のない人が多く、他の仕事の空いた時間で、草刈りや土入れ、苗運びなど、その時々にできることを行います。また、活動を多くの人に広めるため、田植えや稲刈り体験も行っています。小田さんは、「今後も、米や無農薬野菜など農特産物を作り続けることで、地域に貢献したい」と思いを語りました。