特集2 Let`s Enjoy English!
茨木の英語学習
国際化といわれる時代、子どものころからの英語学習はとても大切です。苦手意識を持たず、楽しく英語に接するにはどうすればいいのでしょう。今月の特集では、茨木の子どもたちが取り組む英語学習を紹介します。
問合先 学校教育推進課 電話620-1683
みてみよう! 進む英語学習
力を注ぐ英語教育
市では8年前から、3年に一度、学力・体力向上の3か年計画を立てています。これまでの「茨木っ子プラン22」、「茨木っ子ステップアッププラン25」に続いて、平成26年度から28年度までの3年間の取組みである「茨木っ子ジャンプアッププラン28(以下、プラン28)」が現在進行中です。プラン28は、保育所・幼稚園から小・中学校までの子どもたちが着実に成長できるようにするため、保幼小中連携を重要視しています。
市では、これまでにも外国語活動・英語教育に力を入れてきましたが、このプラン28の中で、小学校での外国語活動・中学校での英語教育の強化が初めて重点項目になりました。
高まる関心 始まる小学校英語教育
ではなぜ今、英語に力を入れるのか。理由は2つあります。ひとつは、国際化する中で外国語を通じて積極的にコミュニケーションを図ることができる能力の育成が求められており、平成32年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、特に英語学習への関心が高まっていることです。もうひとつは、平成30年から32年にかけて、小学校5年・6年生で英語が教科として始まることです。
このような状況の中で、市でも、英語学習に力を入れています。
英語の授業も保幼小中連携
プラン28で重要視されている保幼小中連携は、英語の授業でも実践されています。例えば、保幼小中の先生がお互いの授業を見せ合ったり、教育について討論したりする「学びのシンポジウム」。10月27日には、東雲中学校で英語の授業を61人の保幼小中の先生が参観し、学び合いの場が設けられ、多くの先生に見守られながら、子どもたちも真剣に授業に取り組みました。保育所や幼稚園の先生は、英語の授業に関わることはあまりありませんが、子どもたちが将来、小学校・中学校でどんな授業を受けるのかを知ることで、今、子どもたちに何をするべきなのかを改めて考える機会としています。
また、中学校の先生が、校区内にある小学校に出向いて授業をする「乗り入れ授業」も実施しています。水尾小学校では、南中学校の英語科の先生が、月1回のペースで授業を行っています。小学生のうちから英語に触れることで、中学校での英語の授業への導入がスムーズになります。また、中学校に行っても知っている先生がいると、子どもたちが安心できるというところも乗り入れ授業の良い点です。
ほかにも、英語を母国語とする英語の先生、NET(Native-speaking English Teacher)も、校区内の小学校・中学校で同じ人を配置し、小中連携を進めながら子どもたちが安心して学習できる環境をつくっています。
楽しもう! 英語シャワーデイ
シャワーデイで英語を浴びる
英語シャワーデイは、今年10月から始まった新たな取組みです。シャワーを浴びるように英語に触れる時間を設け、英語だけの世界を子どもたちに味わってほしいということから始まりました。
普段のNETの授業は、1クラスを1人のNETが教えます。それに対し、英語シャワーデイでは、NETを2人配置し、子ども一人ひとりがNETと直接話す時間を増やし、英語に密に触れる機会を多くしています。
楽しく英語のスキルアップ
シャワーデイには「clear voice(声が聞こえやすい)」「eye contact(目を合わせる)」「smile(笑顔)」の3つの大切なポイントがあります。NET1人に対する子どもの数が減ることで、声が届きやすく授業に集中でき、NETとよく目が合うことで自分のことを見てくれていると感じ、英語が通じる喜びや達成感で笑顔が増えます。その結果、英語を学ぶことが楽しくなり、子どもたちが意欲的に学習でき、英語能力の向上につながるのです。
コミュニケーション能力を伸ばそう
英語を使って、NETや友達と話すと、英語の能力が身につくだけでなく、コミュニケーション能力の向上にもつながります。相手の目を見て、話をよく聞き、自分の意思を伝えることは、子どもたちの学習によって伸ばしたい力です。そうした能力を身につけるために、茨木の子どもたちは、明るく、元気に、意欲的に、今日も学んでいます。
西河原小学校
1クラスをふたつに分けて少人数制に。NETが、イラストと英語が書かれたカードを使って「What is this?(これは何ですか)」と聞くと、子どもたちは「This is a brush!(これはブラシです)」と元気に答えていました。
体を動かして楽しみながら英語を学ぶのも大切。軽快な英語の曲に合わせて、子どもたちはNETと一緒に英語を口ずさみながら踊りました。
那須琴音さん
NETの先生が、近くに来て話しかけてくれて、授業より先生を身近に感じられました。いつもの外国語の時間よりNETの先生と触れ合える時間が増えて、自分のことを見てくれていると感じられたのでうれしかったです。
アヤ・イトウ先生
40人くらいのクラスだと声が後ろまで届きにくいのですが、今回は約20人のクラスで声が届きやすく、児童も話を聞いてくれてよかったです。児童が、最後まで楽しんで授業に参加してくれたのがうれしかったです。
春日丘小学校
「When is your birthday?(誕生日はいつですか)」とNETに尋ねられ、代表の3人が順に答えていました。誕生月を英語で上手に答えられると、クラスの皆から拍手がわきました。
パブリート・モラレス先生
少人数クラスだとゲームをしてもスムーズにできますし、質問をしても、よく聞いてくれて、答えてくれます。私たちNETにとってもやりやすいと思います。
太田中学校
2人のNETが登場し、授業の始めのウォーミングアップはあいさつの練習から。NETと「How are you?(お元気ですか)」「I'm fine!(元気です)」などと会話を楽しんでいました。
西本英吉さん
いつもの先生に加えて違う先生が来てくれたことと、英語のネイティブスピーカー同士の会話を直接聞けたことが新鮮でした。2人での授業はいつもより雰囲気が明るく、楽しかったです。
英語スピーチ大会
西陵中学校 永津星佳さん
市・市教育委員会・国際親善都市協会が毎年開催している英語スピーチ大会は、市内在住・在学の中学生と高校生が英語力を披露する場になっています。
今年の大会では、中学生16人が与えられた課題文を暗唱し、高校生10人が自由テーマでスピーチを行い、表現力・発音・イントネーションなど、さまざまな項目において高いレベルで競われました。
同大会のように、学校以外の場でも英語力の向上が図られています。