人キラリ
キラリと光る市民紹介コーナ−
見る人が想像を膨らます作品を
「産経はばたけアート公募展2014」大賞受賞
小山祥三さん(83)(三島丘二丁目)
障害のある人たちの芸術活動を支援し、アート作品を公募・展示する「産経はばたけアート公募展」で、最優秀である大賞を受賞した小山祥三さん。心臓機能障害と付き合いながら、人生の長きにわたって洋画を中心に絵を描き続けています。
小山さんは、幼いころから絵を描くのが得意でした。転機となったのは、高校時代の恩師との出会い。「國領經郎先生という、のちに日本芸術院会員となるなど数々の画歴を積まれた先生に教わることができました。美術の大学に進みたかったのですが、高校卒業後は製薬会社に入社。薬の研究をする傍ら、会社の仲間と集まってよく絵を描いていました」と、小山さんは当時を振り返ります。
55歳で早期退職後、小山さんは自分の手で商売をやってみたいと、ギャラリーを20年間経営。また、勤めていた会社の退職者による絵画同好会で講師を10年間務め、自身も創作活動に精を出しました。
物心がついたころから、80年近く絵を描き続けている小山さん。73歳のときに心臓機能障害を患いましたが、絵を描くことはやめませんでした。「今回、大賞となった作品『俯瞰、中之島』は、中之島の夕景の美しさが忘れられなくて、何度も通ってこのモチーフに決めました。目で見たそのままのものを描くのではなく、どういう風に抽象化するかを考え、7回も描き直しました。大阪の中心部が開発され成長していくエネルギーを表現した作品です」と小山さんは語ります。「絵は、主題を決めて、それに基づいた自分のイメージどおりに描くのが理想。今、新しく取り組んでいるのは現代美術です。作品を見た人が、そこからいろんなことを考えて想像を膨らませる作品を描いていきたいです」。小山さんの絵画への探究は、これからも続きます。