商店街に魅せられて
皆さんは商店街へ行っていますか?
「商店街は、決まった店にしか行かないよ」
「商店街?行かないなあ…」
ちょーっとお待ちください!商店街にはひょっとすると、皆さんの知らない魅力が隠されているかもしれませんよ。
まち中にいろんなお店があふれる今だからこそ、改めて知ってほしい、商店街の魅力。春日商店街を例に、ご紹介します。
問合先 商工労政課 電話620-1620
春日商店街の不思議
JR茨木駅から徒歩3分。「春日商店街」の看板が頭上に見えれば、そこから保健医療センターの前までが商店街です。
春日商店街は、市と一緒に中心市街地の活性化に取り組むなど、行政と連携しながら、地元の人に愛される商店街として歴史を重ねてきました。
そんな春日商店街ですが、最近、少し雰囲気が変わってきています。通学・通勤などでよく通る人の中には、「あれ?もしかして…」と気付いている人も多いかもしれません。そう、この春日商店街、ここ数年のあいだに続々と新しい店がオープンしているのです。その数なんと10軒以上。老舗とあわせ、今では約60軒のお店が200メートルほどの距離のあいだにひしめき、これまで以上にお客さんを魅了しています。
一見、「何の変哲もない商店街」。でも、お店に関わる人たちからお話を聞くと、見落としがちな意外な魅力が見えてきました。それは、ある部分は春日商店街特有の、そしてある部分はほかの商店街にも共通する魅力です。
それでは、さまざまな人の声から、その魅力に迫ってみましょう。
人の温もりを感じる商店街
春日商店街の特徴を、対談形式で店と客の立場から分析します。
久保田潤児さん
平成25年に春日商店街に「カフェレードル」をオープン。コーヒーとパンケーキで人気を集める。昨年から春日商店街振興会長に就任。
五宝美奈子さん
人気ブログ「茨木ジャーナル(いばジャル)」の管理人。市内の新店舗やイベントなど幅広い情報を自らの足で収集し、いち早く発信。
いばジャルhttp://ibajal.com/
久保田 商店街は、地域によっていろんなカラーがありますよね。そこが面白いところです。じゃあ春日商店街はどんなところが特徴かと考えると、「今と昔が絶妙に融合している」ところじゃないかと思うんです。
五宝 分かります!新しいお店がたくさん増えていながら、昔ながらのお店も根付いている。お店の人には当たり前の風景も、利用する私たちには春日商店街の面白さとして伝わってます。
久保田 最初にこの商店街に来たとき、すごく印象に残ったんですよ。飾りすぎてなくて、なんだか懐かしい。こんなディープなところが茨木にあったんだ!って。
五宝 春日商店街の入り口はカーブになっているでしょ。それで場所が分かりづらいという声もありますけど、私は逆に隠れ家みたいでステキだな、と思うんですよ。だからそこで見つけたお店を、「見て見て!」ってブログに書いちゃう(笑)。
久保田 何よりも、人の温もりを感じられるんですよね。僕、店が暇なとき外に出たりしてるんですけど、いつも通る人が声をかけてくれたり、僕自身ほかのお店やそこのお客さんと話をしたりしてます(笑)。そのくらい緩やかな時間が流れているんです。
五宝 そういう雰囲気、伝わってきてます。お店と人が商店街の空気を作っているんですね。
久保田 商店街は、地元を盛り上げられる大切な場所だと思うんです。いつもどこかのお店が開いていて、安心なまちづくりに貢献することもできますし、店と店、店とお客さん、そしてお客さんとお客さんがつながれる場にもなれますから。
五宝 それに、いろんなお店が並んでいるから、目的を決めずにぶらぶらする楽しみもありますね。どこかのお店が満席でも、「じゃあ次はここ!」が簡単にできる。
久保田 これからは、昔からある店の人たちからたくさんのことを学びながら、歩いて心地いい空間を作っていけたらと思います。春日商店街の「温もり」を大切にして、いつか「地元にこんな場所があるんだよ」って言ってもらえるようにがんばります。
五宝 楽しみにしています!
だから、この商店街が好きなのです。
昔ながらのお店も、気鋭の新店も。業種は違えど、熱い気持ちは変わらない。数多くのお店の中から、4人の店主さんに春日商店街について話してもらいました。
お客さんとの距離が近いのがいい
昭和51年創業「珈琲専門店NAKAO」中尾敏雄さん
珈琲専門店 NAKAO
営業時間 午前9時〜午後6時(木曜日休み)
40年前からここで店をやっていますが、最近は新しい店も増えてにぎやかになってきました。でも、変わらずお客さんは上品だし、新しい店も昔からの店もこぢんまりしていていい雰囲気です。こうした小さい店は大型店と違ってたくさんのお客さんを入れることはできないけど、その分一人ひとりとの距離が近くなる。この店もカウンターがメインですが、お客さんと顔を合わせて話ができるし、目の前でコーヒーを淹れることができるからいいですね。店のすべてを見せてお客さんに接するやり方は40年前から変わらないし、これからも変えませんよ。
店が刺激し合いながら魅力作りを
平成27年創業「cafe cactus(カクタス)」田中 剛さん
cafe cactus
営業時間 午前11時〜午後11時(水曜日休み)
開業するために春日商店街に来たとき、すぐに空気感が気に入りました。地元に愛されている昔ながらの店があって、いい意味で「使いこまれた感」があったからかもしれません。それでいて、新しい店もすっと受け入れてくれる柔軟性や多様性がある。ここ数年で開店した店の人たちはそこにひかれた人が多いんじゃないでしょうか。
うちはカフェですが、決まった時間に昼休みが取れない人にも来てほしくて、昼から夜までずっと開けています。開店して日が浅いので、色々試行錯誤していますが、そんなとき、ほかの店から学ぶことは多いですよ。これからも、店同士が刺激し合いながら商店街の魅力を作っていく、そんな関係が続けばいいですね。
地元のいいところを見直すきっかけに
昭和51年創業「カワサキ写真スタジオ」川崎正夫さん
カワサキ写真スタジオ
営業時間 午前10時〜午後7時(土曜日・日曜日と祝日は午後6時まで、木曜日休み)
40年間地元で写真屋をやっていると、昔関わった人と再びつながることがあります。子どもの頃に写真を撮った人が大人になって来てくれたりね。思わぬ道を歩んでいる人もいて、本当に人生は面白いです。写真屋は、結婚式とか成人式とか、人生の大切な場面に立ち会うことが多いもの。そこから新たなつながりができることもあって、仕事は楽しいですね。
たくさんの人と出会って感じたのが、大人になってもみんな不思議なほど茨木に残ってくれているということ。茨木ってええとこなんやと再認識しました。商店街が地元のいいところを見直すきっかけになれたらうれしいですね。
日の光が差す商店街です
平成27年創業「hair design joie's(ジョワ)」喜多乾介さん
hair design joie's
営業時間 火曜日〜土曜日=午前10時〜午後7時、日曜日=午前9時〜午後6時(月曜日休み)
春日商店街のいいところは、空が見えるところだと思います。商店街はアーケードがあることが多いですが、春日商店街にはないんですよね。僕は日の光が差しこむお店にしたかったので、そこはとても大切なポイントでした。道も石畳風でいい感じだし、立地も少し入り組んだまちなみの中にあって、落ち着いた雰囲気が好きですね。
春日商店街はお店の人もお客さんもとても気さく。特にほかのお店の人とは話しやすい環境で、色々アドバイスをもらえるのがありがたいです。昔からのこの雰囲気を残しつつ、今後は活気のあるおしゃれな場所になっていったらいいなと思います。
商店街でステキな1日をぶらり商店街さんぽ
たまには違う楽しみ方を
商店街へ行っても、「いつも同じお店に寄って、そのまま帰るだけ」 なんて人もいるかもしれませんね。もちろんそれもいいですが、たまには目的を持たずにぶらっと出かけてみる、そんな楽しみ方をしてみてはいかがでしょうか。いろんなお店が軒を並べる商店街では、このページで紹介しているように、その気になれば一日を過ごすことだってできるんです。ゆっくり歩いて見回せば、「まだ見ぬステキなお店」に出会えるはずです。
午前10時50分 待ち合わせ
午前11時 がっつり中華でエネルギー補充!
天山
営業時間 午前11時〜午後2時30分、午後5時〜10時(木曜日休み)
午後2時 セレクトグリーンショップで癒しのひととき
Roji Plants
営業時間 正午〜午後8時(水曜日休み)
午後3時 駄菓子屋さんで童心に返る
みのちゃん
営業時間 午前11時〜正午、午後2時〜6時(土曜日・日曜日と祝日は午前10時から、月曜日休み、祝日は営業)
午後6時 アッツアツのおでんであったまる
花車
営業時間 午後6時〜10時30分(日曜日・祝日休み)
午後9時 燻製の香りにひかれもう1軒!夜はふける…
燻製ビストロ 中
営業時間 午後5時〜11時(日曜日休み)
どのお店も店主さんとの距離が近くて落ち着ける空間でした。これからも通いたいな!
ステキな発見がたくさん!アットホームで、「ただいま」と言ってまた戻りたくなるような商店街でした。
もっともーっと、商店街へ!
いかがでしたか? 商店街に行きたくなってきましたか?
今回は一例として春日商店街を紹介しましたが、市内にはほかにもたくさんの商店街があり、それぞれが独自の魅力を作り出しています。でも、共通していることは、地域の人たちにとって身近な存在であり、たくさんの人とつながれる場であるということ。それは、地域に根ざし、地域で発展し、地域を見守り続ける商店街ならではのことかもしれません。
短い距離のあいだにひしめく、個性豊かなお店たち。さあ、あなただけの「惚れた!」を見つけに行きましょう。もっともーっと、商店街へ!