特集 シニアライフの過ごし方
80,000時間をデザイン
平均寿命が延び、人生は長くなっています。60歳からの余暇時間は約80,000時間と言われており、この時間をどのように過ごすかは、これからの人生に大きく関わってきます。今月号では、老人福祉センターから新しく生まれ変わり、この4月にオープンした高齢者活動支援センター「シニアプラザいばらき」が行う、シニアライフを応援する事業をご紹介します。
問合先 高齢者支援課 電話620-1637
始まる シニアのための新しい取組み
超高齢社会へ突入
日本は急激に高齢化が進み、これまで経験したことがない超高齢社会を迎えています。本市も9年後の平成36年(2024年)には、市内の4人に1人が65歳以上となると想定されています。今後も続く急速な高齢化への対応に、本市も積極的に取り組む必要があります。また、高齢者は自身の生きがいや健康のためシニアライフをどのように過ごすかを考えることが大切です。
シニアに対する新しい施策
市では、超高齢社会に備え、施設や各種事業などこれまでの高齢者施策を抜本的に見直しました。
まず、市内にある6か所の老人福祉センターのうち5か所を高齢者と子どもが多様な交流を行える「多世代交流センター」として、今年度中に建物内の各設備を改修します。
そのほかにも、「街かどデイハウス」(福祉・人権ホームページ参照)や「いきいき交流広場」を今後拡充していきます。
そして、新しい施策の中でも一番の目玉は、新たな高齢者の活動拠点となる高齢者活動支援センター「シニアプラザいばらき」です。旧老人福祉センター桑田荘の役割を大きく変え、高齢者のさまざまな活動を支援する施設としてリニューアルしました。
シニアプラザいばらきは、高齢者事業に取り組む4つの団体(シルバー人材センター・社会福祉協議会・市老人クラブ連合会・茨木シニアカレッジ)が協働して運営をしています。スタッフは約40人で、高齢者が仕事を分かち合っています。シニアプラザいばらきには「社会参加支援」・「地域活動支援」・「生涯学習支援」・「就労・起業化支援」の4つのカテゴリーの事業があり、お互いに密接に連携しながら高齢者の活動を支援しています。シニアプラザいばらきで行っている事業を各団体の担当者が紹介します。
社会参加支援
就労・起業化支援
地域活動支援
生涯学習支援
多世代交流センターのご利用を
- 開館時間
- 午前9時〜午後9時
- 休館日
- 日曜日、祝日(ただし、9月の敬老の日は開館)
- 利用対象
- 市内在住の60歳以上の個人または団体、18歳以下の市内在住・在学者
※9月30日まで改修工事のため一時閉館しています。
センターの窓口へ利用証を提示してください。初めて利用する人は、身分証明書(健康保険証・学生証など)を持参し、各センターで利用証の交付を受けてください。
(※各項目、名称、ところ、事業内容(順次開始)の順で)
西河原多世代交流センター 電話623-9343
西河原二丁目17-4
(1)高齢者の介護予防・居場所、(2)ふれあい体験学習、(3)子どもの居場所、(4)中・高生の学習室など
葦原多世代交流センター 電話637-2422
新和町21-27
(1)高齢者の介護予防・居場所、(2)ふれあい体験学習、(3)子どもの居場所、(4)中・高生の学習室など
福井多世代交流センター 電話643-1300
東福井二丁目23-22
(1)・(2)・(4)
沢池多世代交流センター 電話624-1177
南春日丘五丁目1-8
(1)・(2)・(4)および小規模保育、つどいの広場
南茨木多世代交流センター 電話632-0101
東奈良三丁目16-14
(1)・(2)および発達障害児の療育、障害児の居場所
社会に出ていこう 社会参加支援
シニアいきいき活動ポイント
石井珠子さん(67歳)
活動のポイントをお金に交換
シニアいきいき活動ポイントは、高齢者が指定の施設等で活動することでポイントが貯まり、申請するとポイントに応じて、年間5千円を上限としてお金に交換できる事業です。
活動には事前の登録が必要で、市内在住の65歳以上の人が登録できます。活動場所は市内の高齢者施設や街かどデイハウスなど46か所(8月5日時点)で、徐々に数も増えています。
登録者はこれらの施設で、施設利用者の話し相手、チラシ折りやポスティング、マジックといった特技の披露など、さまざまな活動を行っています。
活動場所はもちろん、時間帯や内容などは活動メニューの一覧から自分で選ぶことができます。
「資格や経験がなくても活動でき、自分の能力や希望に合わせて、できることから気軽に始められます」とお勧めするのは、シニアいきいき活動ポイント事業事務局のコーディネーター石井珠子さん。石井さんたちが登録者と受け入れ施設のマッチングを行い、活動開始後も登録者のサポートを行います。
「現在、約200人の高齢者が登録し、多くの人がいきいきと活動しています。皆さんのお話を聞くと、『自分の活動が人の役に立っている』と生きがいややりがいを感じているようですよ」と石井さんは話します。
生きがいややりがいを感じる活動をしたいという人は、まずは同事務局までご相談ください。
問合先 同事務局 電話657-8819
シニアいきいき活動ポイント登録者
今年88歳です。家にずっといるより、外に出て活動した方が認知症予防になると思い登録しました。今は街かどデイハウスの庭で野菜を作り、それをランチに使ってもらっています。皆さんに喜んでもらえるのが嬉しくてやりがいを感じます。
ほかにもあります、シニアプラザいばらきの取組み
いばらきシニアマイスター倶楽部
いばらきシニアマイスター倶楽部では、高齢者が個人や団体でこれまで培ってきた「多彩なスキル」を登録したハンドブックを作成し、市内の学校等に置き、講師派遣などの要望に応えます。
市内各地域には、さまざまな伝統行事、祭礼等の場面で活躍している「その道の達人」が多くいます。こうした得意技を次の世代につなげる手立てを講じます。また、高齢者が持っている漬物作りなど生活の知恵と知識や芸能、工芸、スポーツ技能をお互いに教えあい、学びあう場を作ります。現在、登録者を募集中です。詳しくはお問い合わせください。
問合先 茨木シニアカレッジ 電話657-8814
地域を支えよう 地域活動支援
老人クラブの会員拡大・活性化
阪本武さん(71歳)
加入したくなり、活動しやすくなるように
老人クラブとは、地域で生活するおおむね60歳以上の人で自主的に結成された組織で、地域の担い手としてさまざまな活動を行っています。
市内老人クラブの連合組織である市老人クラブ連合会では、組織活性化のため、同会の若手部会員の中から選ばれた「活動推進員」を、シニアプラザいばらきに配置しています。
「加入促進のため、客観的なメリットを作ろうと思いました」と話す阪本武さんは活動推進員のリーダーを務めています。「具体的には、市内商店等の協力のもと、老人クラブの会員カードをそのお店で見せたら割引きになるなどの特典をつけました。現在、26店が会員優待加盟店舗となっており、今後、さらに協賛店舗の開拓を行っていきます。また、老人クラブのない地域に住む人でも事務局に連絡すれば加入できるようにしたり、会員募集のリーフレット等を作成したりしました。今後は、組織の活性化のため老人クラブが運営している市内12か所にあるいきいき交流広場の活動促進などを行っていきます」と今後の展望を語ります。
また、同連合会では、会員対象の高齢者リーダー養成講座としてパソコン・体力測定・ウォークラリーの3つの講座を行っています。講座の修了生が地域のリーダーとして地域活動の活性化・推進を図ることを期待しています。
地域力を上げるには高齢者の力が必要です。老人クラブに加入し、地域づくりの担い手として活躍しませんか。
問合先 同連合会事務局 電話657-8819
ほかにもあります、シニアプラザいばらきの取組み
介護予防リーダー養成講座
介護予防リーダー養成講座は、地域の身近な拠点で介護予防や健康づくりができるよう、介護予防リーダーを育成・支援しています。すでに第1回目の講座の修了生全員が団体を作り、いばらきシニアマイスター倶楽部に登録し活動することになりました。今後は、メンバーが指導者として市内全域で活動し、介護予防に効果的なニュースポーツ等を広め展開していくことになっています。
今後もシニアプラザいばらきで新たな介護予防リーダー養成講座を実施する予定です。詳しくはお問い合わせください。
問合先 茨木シニアカレッジ 電話657-8814
学び、夢を持つ 生涯学習支援
いこいこ未来塾
阿久根昌夫さん(69歳)
知識と仲間を得る
シニアカレッジ「いこいこ未来塾」は、地域活動に意欲がある高齢者が学ぶ生涯学習の場で、「現代社会」「プラチナ」「わがまち茨木」「地域デビュー」の4コースがあります。現在130人の受講生がシニアプラザいばらきで学び、これまで7年間で624人の修了生を送り出すことができました。
「いこいこ未来塾では修了後、地域活動への参加につながるように、高齢者の知識の習得と仲間づくりの機会を提供しています」といこいこ未来塾の企画・運営を担当しているカレッジアドバイザー(CA)代表の阿久根昌夫さんは話します。
「受講することが楽しく、役に立つような講座を心がけています。また、早い時期にクラスメンバー同士が仲良くなれる機会を作り、仲間づくりをお手伝いしています。私たちCAは、受講生に講座が修了するまでに自分の地域でやりたいことを見つけ、修了後にはその夢を実現してほしいと思っています。今後もそのお手伝いをしていきます」と思いを語ります。
次回の募集は来年4月の予定です(広報いばらき掲載予定)。皆さんも仲間とともに学びませんか。
問合先 茨木シニアカレッジ 電話657-8814
いこいこ未来塾受講生
いこいこ未来塾を受講して自分の生活や考え方の幅が広がりました。また、さまざまな受講生と交流できています。現在は、良い人間関係を築くためのコミュニケーション力向上活動を、いこいこ未来塾の仲間と地域で行っています。
想いを実現 就労・起業化支援
いきがいワーカーズ
小西紀一郎さん(70歳)
起業化等を実現する
いきがいワーカーズは高齢者で構成された団体に対して、高齢者等を地域で支える事業を開始するための事業企画づくりや立ち上げ資金等を支援する事業です。
いきがいワーカーズ事務局の小西紀一郎さんは、「NPO法人の立ち上げ方など起業化の方法や、資金や仲間の集め方など高齢者の皆さんの相談を受ける窓口を毎週金曜日、午後1時から5時まで開設しています」と話します。
「私たちは高齢者の皆さんの『何かしたい』という想いの実現をお手伝いします。相談の内容によっては、シニアいきいき活動ポイントやいばらきシニアマイスター倶楽部への登録など起業化以外の方法も提案しています。皆さんにとってどの方法が適切か一緒に考えます。また、市で行っている、事業立ち上げ資金の補助制度を勧めることもあります。まずはお気軽にご相談ください」と笑顔で話します。
皆さんも心に抱いている熱い想いや夢を地域で実現しませんか。
問合先 いきがいワーカーズ事務局 電話657-8814
ほかにもあります、シニアプラザいばらきの取組み
シニア就労相談会
シニア就労相談会は「元気なうちは働きたい」と希望する高齢者のための相談会です。シルバー人材センターの会員が相談にあたり、同センターの説明や入会等を案内します。
- とき
- 毎週金曜日、午前10時〜午後0時30分、午後1時〜3時30分
- ところ
- シニアプラザいばらき第3会議室
- 内容
- 高齢者の仕事に関する相談、同センターの説明
- 問合先
- 同センター 電話634-8990
始めよう シニアライフをどう過ごす?
シニアプラザいばらきで80000時間をデザイン
60歳以上の人生の余暇時間は約80000時間と言われています。実はこれは20歳から定年まで働いた場合の労働時間とほぼ同じです。シニアライフをいきいきと暮らし続けるのか、ただ日々を重ね続けるかでは、本人の健康や生活だけでなく、地域社会の活力にも大きな影響を及ぼすのではないでしょうか。
シニアプラザいばらきでは、今回紹介した各事業が連携をとりながら皆さんのシニアライフを応援します。もうすでに複数の事業を掛け持ちしている人もおり、今後ますます大きく展開していくことが期待できます。
高齢者の皆さん、これからの80000時間のデザインを、シニアプラザいばらきで一緒に始めてみませんか?
高齢者活動支援センター シニアプラザいばらき
- 開館時間
- 午前9時〜午後9時
- 休館日
- 月曜日、祝日(ただし、敬老の日は開館)
- 利用対象
- 市内在住の60歳以上の個人または団体
- 所在地
- 桑田町24-21
- 問合先
- 電話632-7411
センターの窓口で利用証を提示してください。初めて利用する人は、身分証明書(健康保険証など)を持参し、センターで利用証の交付を受けてください。