文化財めぐり
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Vol.109
川本家住宅
川本家住宅(上泉町6-29)は、昨年4月に本市2例目の国の登録有形文化財(建造物)として登録されました。
川本家は江戸時代中期、藍染を生業とする「福嶋屋」を営んだことに始まります。その後、米問屋を経て、明治5年(1872年)以降は日用品卸問屋として営業を続け、今日に至っています。
主屋は間口六間(約11メートル)に及び、商売のための部屋である「ミセの間」、玄関からトロッコレールを引き込んだ「倉庫」、ツシ2階(中2階)から本2階への過渡的形態を示す構造など、上方商家の伝統的な建築形式を発展させた貴重な住宅遺構です。さらに、主屋から渡り廊下でつながる「別棟書院」は、最高級の細部意匠や高価な銘木をふんだんに使用するなど贅を尽くした建物であり、当家住宅は優れた近代和風建築を今に伝えています。
当家住宅は創業から現在まで店舗兼当主の生活の場であり続け、今は10代目当主の管理のもと、骨董屋・カフェ・ギャラリーとして利用されています。