広報いばらき

特集1 いばら騎士グリーンの冒険

決算を学んでレッドを救出!

平成25年度決算

問合先 財政課 電話620-1612

いばら騎士とは…

「いばらきの今と未来をまもるため!!」を合言葉に結成された騎士団。

レッド
何でも知ってる最高騎士
グリーン
最高騎士になるため勉強中
ブルー
いつもクールなお姉さん
ほっとけん
青少年健全育成をめざす犬
オレンジ
より豊かな茨木市を追求する熱き男

ある秋の日、レッドとグリーンがハイキ ングに出かけました。すると、突然カラスが現れ、レッドをさらってしまいました。

お先まっクロウ おれはカラスのお先まっクロウさまだ!レッドは預かった!返してほしくば、財政の泉まで来い!!

レッド 助けてくれー

グリーン レッド!!レッドを助けなきゃ…でも財政の泉ってどこ?どうすればいいの?

あか爺 ここは通さんぞ!わしは赤字が大好きあか爺じゃ!茨木市は赤字か?ん?

グリーン えっと…

ブルー ちょっとあんた待ちや!グリーン、助けにきたで!

黒字か赤字かは決算を見よ!

予算・決算ってなあに?

グリーン ブルー、助けて!茨木市が赤字かどうかってどうやったらわかるの?

ブルー 落ち着きや、グリーン。それにはまず、市の決算を見ることが必要やで。

グリーン 決算ってなあに?予算とか決算ってよく聞くけれど、わからないよ。

ブルー 予算は、1年間に入ってくるお金と使うお金の計画を立てることを言うねん。それに対して決算は、実際に1年間に入ってきたお金と使ったお金を分類してまとめたものやで。

毎年公表しないといけない?

ブルー 予算や決算は、毎年市から公表されているで。

グリーン 毎年する必要ってあるの?

ブルー あるで!税金の使い道や、市がその年に行ったサービスと市の財政状況を市民に知ってもらうというシッカリとした目的があるねん。

会計別に確認

ブルー さあ、さっそく会計別決算の状況を見てもらおか。

会計別決算の状況

(※各項目、会計、一般会計、財産区、国民健康保険事業、後期高齢者医療事業、介護保険事業、公共下水道事業の順で)

歳入
868.4億円
55.4億円
283.2億円
31.3億円
142.9億円
84.8億円

歳出
850.2億円
1.2億円
281.8億円
30.2億円
140.1億円
84.6億円

繰越
8.7億円




0.1億円

差引
9.5億円
54.2億円
1.4億円
1.1億円
2.8億円
0.1億円

※差引=歳入-(歳出+繰越)

グリーン どの欄を見れば赤字か黒字かがわかるの?

ブルー 差引欄を見ればわかるで。会計はそれぞれの財布から成り立ってるねんけど、全部の会計で黒字になったことがわかるやろ。

グリーン よぉし!決算の状況は黒字なんだね。

ブルー ところで、25年4月に作った一般会計の当初予算額は、814億5千万円やってん。

グリーン あれ、歳入・歳出のどちらも、そこから大きく増えているね。

ブルー それは、当初予定していなかったことに対応するため、年度途中に補正予算を組んだからやで。それに加えて、今回大きく増えている理由として、国の緊急経済対策として実施された補助金を活用したことが挙げられるねん。この補助金で、新たな交流拠点となる市民開放施設の整備等の将来のまちの発展につながる事業や、防災行政無線、消防車両であるはしご車の整備等の安全・安心な市民生活を確保する事業を行ってん。

グリーン なるほど。だから歳入・歳出の決算額が当初予算額よりも大きくなったんだね。

歳入・歳出の内訳

グリーン それで、一般会計の歳入と歳出の中身はそれぞれどうなってるのかな?

ブルー 一般会計の歳入・歳出の内訳を見て!歳入は、市税が約半分で一番多く、次が国や府からの補助金で約3割やな。

グリーン 市民が納める税で、市の財政は成り立っているんだね。

ブルー そのとおり!一方歳出は、福祉や子育て支援に使われるお金が一番多くて、全体の約4割。その次に多いのは、道路等の整備、教育関係となってるな。

グリーン こんな割合だったなんて知らなかったな。市民1人当たりだと福祉や子育て支援に、1年間で13万円かかっているんだね。

ブルー そうそう。こんなふうに1人当たりに換算すると、身近に感じられるやろ。

一般会計の歳入・歳出の内訳
歳入 868億円
市税 440億円
国・府からの補助金 244億円
市債(借金) 42億円
その他 142億円
歳出 850億円 (1人当たり 約306,000円)
福祉・子育て支援等 362億円(1人当たり 130,000円)
道路等の整備 155億円(1人当たり 56,000円)
教育関係 102億円(1人当たり 37,000円)
健康増進やごみ処理等 66億円(1人当たり 23,000円)
借金の返済 49億円(1人当たり 18,000円)
その他 116億円(1人当たり 42,000円)

グリーン 茨木市は黒字だよ!市民のくらしやまちの発展のためにお金を使ったんだ!

あか爺 赤字じゃないのか…力が出ない…

グリーン よかった、先を急ごう

むだづ貝 おれはむだが大好きむだづ貝だ! 茨木市は黒字かもしれないがそれってほん
とに有効に使えてんのか?

グリーン・ブルー うっ…なんか手ごわいな…

ほっとけん ワンワン!困った人がいたらほっとけん!ぼくが助けるよ!

クローズアップ!市税の使い道

具体的なお金の使い道

グリーン お金を有効に使えているかだなんて…わからないよ。

ほっとけん 元気だして、グリーン。ぼくがついているよ。

グリーン ほっとけん!頼りにしているよ。

ほっとけん まず、さっきブルーと見た一般会計の歳入・歳出の内訳の歳出の内容をもう少し具体的に見てみよう。例えば、25年度はさまざまな市民サービスの向上のための事業を行ったよ。

グリーン いろいろあるね!でも、ちょっと待って。この中に、すでに利用できているサービスと、今は整備中だけど今後使えるようになるものが混ざっているよ。

ほっとけん いいところに気付いたね。市のお金の使い道は、「今」必要なサービスの充実と、「将来」の活力あるまちの推進に分かれるんだ。現在だけでなく、未来のことも見越してお金を使っているんだよ。さらに、限りある財源を、どんな事業に重点的に配分するかも大切だよ。ぼくの専門分野、教育の費用を例に説明するよ。

「今」必要なサービスの充実事業
パスポート発行事務の実施
公民館エレベーターの設置
防災行政無線スピーカーの配備
待機児童保育施設の整備
街かどデイハウスの新設
「将来」の活力あるまちの推進事業
JR茨木駅前広場の整備

教育の費用の内訳

ほっとけん 市では、将来を担う子どもたちのために教育の充実に力を入れているんだ。教育の費用の歳出の内訳を下記で見てみて。幼稚園と小・中学校が対象だよ。

グリーン 教育って、いろんなことにお金が必要なんだね。

ほっとけん そうだよ。授業に必要なものをそろえたり、校舎や園舎、プールなどの設備を整備したり、給食を提供したりしているんだ。子どもたちが安心して健やかに学校や幼稚園で過ごすために、これだけのお金を使っているんだよ。

教育の費用(幼稚園、小・中学校)の歳出の内訳(平成25年度普通会計決算)

運営に必要な経費(給食費、光熱水費、備品、消耗品など) 28.0億円

施設の改修費(小・中学校の耐震補強、エレベーターの設置、プール改修など) 38.1億円

その他(就学援助、職員給など) 9.7億円

合計 75.8億円

平成25年度の重点施策

ほっとけん その中でも25年度に特に力を入れた4つの事業を紹介するよ。

グリーン 一つ目の、新学力・体力向上3か年計画ってなあに?

ほっとけん 「茨木っ子ジャンプアッププラン28」という愛称がついているよ。茨木の子どもたちの学力と体力が伸びるように、26年度から28年度にかけて教育委員会と学校が取り組むことを28項目にまとめているんだ。例えば、学校に専門支援員を配置して、子どもたちによりきめ細やかな学習支援をしているんだよ。この3年間の計画を立てる作業を、25年度に行ったということだね。

グリーン わあ、長い目で子どもたちの育成を考えているんだね。

ほっとけん うん、そうなんだ。この3か年計画は3回目で、これまでに20年度から22年度、23年度から25年度でも取組みを行っていて、その効果が学力テストの結果にも表れているよ。

グリーン すごい!小学校も中学校も上がっているね!

ほっとけん そのとおり。これは、毎年の学力テストの全国平均値を1としたときの、茨木市の小・中学校の平均値がいくらになるかを示したものだよ。小・中学校とも、22年度からはずっと全国平均を上回っているんだ。

グリーン 本当だね。次の3か年計画も効果を発揮して、これまで以上に子どもたちの学力や体力が伸びればいいな。こうやって教育の充実にお金をかけていることが、お金を有効に使っていることなのかな。

ほっとけん そうだね。このほかにも中学校給食の実施や、読書を通して学力を育む図書館支援員の配置、校舎の耐震補強なども、子どもたちの健やかな成長と安心な学校生活に欠かせないものとして充実に努めているんだよ。

むだづ貝 なんだ…お前ら、お金を有効に使ってるんだな…将来を担う子どもたちのために頑張っているとは…!!

グリーン さすがほっとけん!あ、財政の泉についたよ!

お先まっクロウ ついに来たな!そうやすやすとはレッドを渡さないぞ。おれは「不安」が大好
物!茨木市の財政の将来はどうだ?健全な状態なのか?

グリーン またもやピンチ!

オレンジ 大丈夫!俺がついてるさ!

グリーン オレンジ!

ブルー あんただけで大丈夫かいな。

やりくりの秘訣はビルド&スクラップ

近隣市との比較で茨木市を知ろう

グリーン 茨木市の財政の将来って…大丈夫と思いたいけれど、本当のところよくわからない。どうやって納得させればいいんだろう。

オレンジ なんでそんなに弱気なんだ。みんなが市を想う熱い気持ちを持てば、将来は安心だ。

ブルー ちょっと待って、それだけじゃあかんやろ。私が説明するわ。財政状況がどうなっているかを表す指標があるから、順を追って言うで。まず、収入の状況を表す下記の「市税収入等(経常一般財源)の市民1人当たりの額」を見て。市税収入等の市民1人当たりの額、すなわち一般家庭の給料にあたるお金を北摂7市で比較したで。

市税収入等(経常一般財源)の市民1人当たりの額(平成25年度普通会計決算)

茨木市 184千円

高槻市 185千円

箕面市 193千円

吹田市 195千円

豊中市 201千円

池田市 202千円

摂津市 234千円

グリーン あれっ、茨木市は北摂各市の中で一番税等の収入が少ないよ!福祉や教育の充実などいろんな事業を進めているけれど、収入が少なくて大丈夫なの?

ブルー そうやね。でも、下記の「義務的経費の市民1人当たりの額(平成25年度普通会計決算)」も見てや。

義務的経費の市民1人当たりの額(平成25年度普通会計決算)

(※各項目、市、公債費(借金返済の経費)、扶助費(子育て・福祉サービス経費)、人件費(職員の給与等)、合計の順で)

茨木市
18千円
85千円
45千円
148千円

箕面市
24千円
66千円
67千円
157千円

高槻市
20千円
85千円
56千円
161千円

吹田市
19千円
87千円
60千円
166千円

池田市
37千円
69千円
63千円
169千円

豊中市
34千円
98千円
67千円
199千円

摂津市
38千円
101千円
64千円
203千円

グリーン こっちのグラフも、茨木市が一番少ないね。

ブルー 毎年支払わなければならない義務的な経費である職員の給与等の人件費や、子育て・福祉サービスなどの扶助費、借金の返済のための公債費について、市民1人当たりの額の北摂7市における比較やねんけど。人件費と公債費を抑えてるやろ。市税等の収入が少ない中で、これまでやりくりしてきたということやな。

グリーン 納得!ほかにはどんな指標があるの?

基準値との比較で健全性を確認

ブルー 下記の「平成25年度決算に基づく財政健全化判断比率」を見てや。財政健全化判断比率っていうものがあるねん。

グリーン ええ?なにそれ?

ブルー 基準値と比べて、市の財政が健全かどうかが判断できるねん。茨木市の欄を見ると、すべての項目で健全な数値となっているで。

グリーン 本当だ!それじゃあこの先も何もしなくても安心だね。

ブルー そうじゃないで。地道なやりくり、つまりビルド&スクラップに努めてきたから今の状況を保っているねん。

平成25年度決算に基づく財政健全化判断比率

(※各項目、比率の説明、茨木市、早期健全化基準、財政再生基準の順で)

実質赤字比率
一般会計の赤字の割合
赤字なし
11.25%
20.0%

連結実質赤字比率
一般会計、特別会計等の全ての会計の赤字の割合
赤字なし
16.25%
30.0%

実質公債費比率
年間の借金返済額の割合(比率は3か年の平均)
-1.6%
25.0%
35.0%

将来負担比率
将来負担が見込まれる債務の割合
-24.3%
350.0%

資金不足比率
公営企業ごとの資金不足額が事業規模(料金収入規模)に占める割合
不足なし
20.0%

ビルド&スクラップ

グリーン ビルド&スクラップってなあに?難しそう。

ブルー ビルドは、これまで説明してきたようなサービスや事業を実施することやで。スクラップは、新しいサービスを実施(ビルド)するために、今まで実施してきたサービスを工夫したり、見直したりすることやねん。工夫や見直し(スクラップ)の例としては、公立保育所の民営化などの実施方法の変更や、環境衛生センターのごみ処理施設の運転を工夫して得たエネルギーを使ってより多くの電力を売ったことなどが挙げられるで。

グリーン 今あるものを常に見直して、いろんなやりくりをしているんだね。

ブルー そのとおり。健全な状態の今のうちから、将来も健全な財政を維持できるよう、地道にやりくりを行うことが大切やねんで。

オレンジ エヘン。まったくその通りだ。

もう一つの大切な会計 水道事業会計を見てみよう

問合先 水道部総務課 電話620-1690

収益的収支(水をつくり家庭に水を届けるための経費と財源)

ブルー 7,400万円の赤字になったで。でも、これは26年度までの財政計画に基づく水道料金体系の見直しによるものやねん。あらかじめ予定していた赤字で、これまでに積み立てた利益を取り崩し、補てんすることで市民に利益を還元してんねん。

オレンジ 前年度よりは良くなっているぞ。収入の面では、水道料金(給水収益)や分担金が増加したから、前年度より0.7%増えたよ。支出では、人件費や、大阪広域水道企業団からの水道水購入費(受水費)を抑えて、前年度を1.5%下回ったんだ。

資本的収支(水道の施設等の建設や建て替えのための経費と財源)

ブルー 収入は水道施設や水道管などの工事を市に申し込んだ企業が支払うお金(工事負担金)が減少して、前年度を30.2%下回ったで。支出は水道施設の更新などのための工事費(建設改良費)が減少したから、前年度を17.6%下回ってん。

オレンジ 不足額の16億6,700万円は、水道施設などを更新するために蓄えた内部保留資金で補てんしたぞ。

【収益的収支】
収入計 4,675百万円
給水収益 4,213百万円
受託工事収益 8百万円
その他 454百万円
支出計 4,749百万円
受水費 1,967百万円
減価償却費 1,416百万円
人件費 411百万円
支払利息 202百万円
修繕費 92百万円
動力費 123百万円
資産減耗費 172百万円
その他 366百万円
純損失 74百万円
【資本的収支】
収入計 424百万円
工事負担金 395百万円
その他 29百万円
支出計 2,091百万円
建設改良費 1,079百万円
企業債償還金 483百万円
固定資産購入費 29百万円
その他 500百万円
不足額 1,667百万円

グリーン これからも、変わらずやりくりに努めることにより、いばらきの今と未来は守られていくんだっ!

お先まっクロウ ぬおー、もう許さん!

グリーン レッドを放せ!

そのとき、グリーンの剣の先から放たれた光が、お先まっクロウを包みました。

ブルー あっ!カラスがハトになったで?

ほっとけん 茨木市の市章にもある、平和のハトだよ。

レッド グリーン、助けてくれてありがとう!市税の使い道を勉強して、また成長したようだね。

グリーン うん。25 年度も市税を有効に使って、たくさんの事業を実施しながら健全な状況を維持しているんだね。

レッド そうだね。市の使命は市民サービスの向上につながる事業の実施なんだ。健全な財政でなくては、その使命を果たせないんだよ。

グリーン これからも今と将来に対応した市民サービスの充実に向けて、ビルド&スクラップを実践し、一つひとつ進めていくことが大切なんだね。


決算について学び、また一回り成長したグリーン。いばら騎士の冒険はこれからも続きます。