広報いばらき

市史編さん室だより

費用の記載がない場合は参加無料。定員・申込などの記載がない場合は事前申込不要または当日直接会場へ。

其ノ27

問合先、市史編さん室 電話622-2184

府下唯一の町民プール

 茨木中学校(今の茨木高等学校)のプールは、日本で最初に作られた学校プールです。しかし、そのプールとは別に、当時の府下では唯一の町民プールが茨木にあったことをご存じでしょうか。

 茨木中学校のプールは大正4年(1915年)に同校の教員であった杉本 伝さんが指導し、生徒達の手で約半年かかって完成させたものでした。プールができて、練習環境の整った同校の水泳部とその卒業生による茨木水泳団は、オリンピックを始めとする数々の世界大会で好成績を修め、世界新記録を出す選手を輩出しました。これによってまち全体が盛り上がり、茨木の水泳活動はますます盛んになっていきました。

 こうした中、杉本さんの協力を得ながら2人の青年の尽力によって、昭和7年(1933年)に、府下唯一の私設プール「茨木水泳場」が茨木小学校の近くに開設されました。このことは同年8月の「茨木町報」に掲載されています。

 当時の新聞記事などから見ると、プールの大きさは25メートル四方、深さは0.8〜1.2メートル。プールの一角は深さ3.2メートルで、飛込競技の練習用として高さ5メートルの飛び込み台が設けられ、さらにはシャワーや脱衣所などの設備もあったようです。小学生はもちろん青年団、軍人会などにも無料で開放され、茨木警察署も署員の健康増進のため利用を勧めていました。

 残念ながらこのプールは昭和14年(1939年)頃になくなったようですが、閉鎖された経緯は分かりません。

 市史編さん室では、このような昭和初期の情報も集めています。このプールのことや当時のまちの様子を知っている人、古い写真・「茨木町報」等を持っている人はお知らせください。