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特集 進む 変わる 子育て支援 新しい制度がはじまります

 来年の4月から始まる「子ども・子育て支援新制度」。ニュースや噂でよく耳にするけれど、結局何がどうなるの?

そんな疑問にお答えするため、今回の特集では、新制度の内容を紹介します。実際に子育て中の皆さんと一緒に、新しい子育て支援の取組みについて、見ていきましょう!

新制度がめざすものってなに?

元気に育ってほしいけど

 「すくすくと健康に育ってほしい」 それは、すべての保護者が子どもたちに願うこと。そして、その願いのもと、日々子育てに向き合っています。

 その一方で、子育てを取り巻く環境は日に日に変化しています。保護者の働き方、家族の形、地域のあり方。さまざまな悩みや課題に、不安になる人もいるのではないでしょうか。昨年、市が子育て中の保護者に対して行った「茨木市次世代育成支援に関するニーズ調査」の結果でも、子育てについて「楽しいこととつらいことが同じくらい」または「つらいと感じることのほうが多い」と答えた人がおよそ3割を占めました。その「つらさ」の原因には、働きたいのに子どもを預けられない、悩みを話せる人がいないなど、市や地域社会など周りの支援で解決できるものもあります。

課題を解決するために

 平成24年8月、子育てをめぐるさまざまな課題を解決するために、国が「子ども・子育て支援法」という法律を作りました。そして、その法律に基づいて整備されたのが、「子ども・子育て支援新制度」(以下新制度)です。子育て支援の質と量の拡充を図るこの新制度は、来年の4月から本格的にスタートします。その目的は大きく分けて3つ。「幼児期の学校教育・保育の拡充」「待機児童の解消」そして「地域の子育て支援の充実」です。

 国が定めたこれらの目的を果たすため、各市町村がそれぞれに取組みを進めることになっています。本市でも、新制度の開始に伴い、新規事業や既存の事業の拡充などを行います。

新制度の3本柱

1 幼児期の学校教育・保育の拡充

 子どもたちが質の高い幼児期の学校教育・保育を受けられるよう、幼稚園と保育所の機能や特長をあわせ持つ「認定こども園」の普及を進めます。認定こども園は、保護者が働いている・いないに関わらず利用でき、途中で就労状況が変化しても、継続して利用できます。

2 待機児童の解消

 地域のニーズをふまえ、市町村が認定こども園や保育所などを計画的に整備します。また、小規模保育などへの財政支援を新たに行うことで、多様な保育を充実させ、受け入れられる子どもの人数を増やします。

3 地域の子育て支援の充実

 すべての子育て世帯のために、地域の子育て支援を利用しやすくします。支援の例として、身近な地域で気軽に子育て相談や親子の交流ができる場所を増やしたり、一時預かりや学童保育を充実させたりします。

新制度の詳細は内閣府ホームページ(http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/)をチェック♪

 次は、本市の具体的な取組みを紹介します。

茨木市の子育てはどう変わるの?

 前で紹介したのは「国が掲げた新制度の目標」であり、前提となる大きな方針です。「茨木市の子育て支援をどのように充実させるか」は、市が市民の皆さんの目線に立って具体的に計画します。

 現在、市には子育て支援に関する課題があります。市では、新制度の開始に合わせて、保護者アンケートや現場の声などを参考に、それらの課題を解決するための取組みを始めます。今後、関係機関と調整を図りながら、ここで紹介する取組みを進めていきます。

たとえばこんな課題があります
×待機児童が多い!
×学童保育が利用しづらい
×保育所や幼稚園を利用していない人は、どこに子育ての悩みを相談すれば良いか分からない…

1 小規模保育を整備し、保育体制を充実

0~2歳児の小規模保育を整備

 市では、待機児童の解消に計画的に取り組んでいますが、将来子どもが減少することや待機児童の大半が3歳未満であること、また地域的な偏りも大きいことなど、保育所の整備には課題があります。

 新制度では、市町村の認可のもと、特に待機児童が多い0~2歳児を対象として、多様なスペースを活用して質の確保された保育を提供できる地域型保育事業(小規模保育)が創設されます。少人数の子どもを預かるこの事業により、保育の場を作りやすくなります。

保育体制を充実

 市では、小規模保育の場に保育士を配置し、かつ1歳児の保育者の数を子ども5人に対し1人にするなど、国の基準を上回る独自の基準を設け、保育体制の充実をめざします。

保育所を利用している 木下栄一さん、日和ちゃん(4)
パパのキモチ

 娘が2歳のころから保育所を利用しています。本当はもっと前から利用したかったんですが、近くの保育所に空きがなくて…。自宅の近くに子どもを預けられるかどうかで保護者のライフスタイルは大きく変わるので、小規模保育などが市内のあちこちにできれば、保護者としては助かります。質や安全性を確保しながら、保育の場を増やしてもらえればと思います。

2 学童保育を利用しやすく

利用時間を延長

 市の学童保育室の利用時間を現行の午後6時までから午後7時までに延長する予定です。

1教室当たりの児童数を見直し

 学童保育の需要が増え、大人数が1つの教室を利用している学童保育室も少なくありません。今後は「1教室当たり40人程度」を目安に人員や教室などを整備します。これにより、安全・安心な教室運営につながります。

 また、新制度では小学6年生まで受け入れられることになっており、市では、保護者のニーズや場所の確保等の課題を踏まえ、今後対応を検討していきます。

学童保育を利用している 金山満弓さん、幹くん(7)
ママのキモチ

 今年の春から利用しています。子どもが安全にのびのびと遊べる場所が減ってきている中で、学童保育は貴重な場所。指導員が見てくれている空間で小学校の友だちと遊べるので、働いている親としては安心して預けられますね。利用時間終了の午後6時までに帰れない保護者の人もいると思うので、終わりの時間が延びるなら大歓迎です。

3 すべての子育て家庭が利用できるサービスを充実

「利用者支援」を新設

 さまざまな子育てサービスの中から、自分がどのサービスを受けられるのかなど、相談者のニーズに合うサービスをアドバイスする拠点を作ります。また、子育てに関する相談・情報提供などの支援をします。

子育て支援施設などを拡充

 乳幼児の親子を対象にイベントなどを行っている「地域子育て支援センター」や、乳幼児の保護者が気軽に集える「つどいの広場」について、需要の高い地域については今後増やしていく予定です。また、一時預かりについても、より利用しやすいように整備します。

つどいの広場を利用している 宮武恵美さん、伊織くん(2)
ママのキモチ

 つどいの広場は、息子が10か月くらいの頃から利用しています。暑い時期、外で遊ばせる場所がなくて困っていたので、助かりました。つどいの広場を通してママ友ができたのもうれしかったです。小さい子どもを持つ親にとって、子どもの遊び場が増えるのはありがたいこと。新制度で、利用時間や場所、内容などが、より充実したら良いですね。

お答えしますQ&A

Q

家で育児をしています。どのような支援が受けられますか?

A

新制度はすべての子育て家庭を支援する制度です。地域の親子交流や用事の際の一時預かりなどは、在宅で子育てをしている家庭も気軽に利用できます。

Q

保育所などの保育料は変わるのですか?

A

これまでは、保育所は保護者の所得に応じた保育料、幼稚園は一律の保育料でしたが、新制度では認定区分ごとに保護者の所得に応じて国が定める基準を限度に、市が利用者負担(保育料)を定めます。市では、新制度でのサービスの質の向上を図るため、現在の保育料の水準をもとに額を見直す予定です。

Q

市立幼稚園はどうなるのですか?

A

地域のニーズや待機児童の解消等を踏まえ、私立幼稚園との連携を図りながら、認定こども園化を進めます。

Q

現在、幼稚園や保育所などに通っている子どもたちはどうなりますか?

A

基本的には新制度後も変わることはありませんが、利用のための認定を受ける必要があり、保育については標準時間と短時間の区分が設けられます。手続きについては決まり次第お知らせします。なお、新規利用の場合の手続きについては次をご覧ください。

幼稚園等 保育所等 利用手続きナビゲーション

 新制度では、幼稚園や保育所などを利用する場合、それぞれの利用希望に応じた認定を受ける必要があります。ただし、それ以外の点については、これまでと手続きの時期や流れが大きく変わることはありません。

3つの認定区分

1号認定
満3歳以上で、幼稚園等の利用を希望する人
2号認定
満3歳以上で、保育所等の利用を希望する人
3号認定
満3歳未満で、保育所等の利用を希望する人
幼稚園等を利用したい!→1号認定

1 幼稚園等に直接利用申込

2 幼稚園等から入園の内定

3 幼稚園等を通じて利用のための認定を申請

4 幼稚園等を通じて市から認定証を交付

幼稚園等と契約

保育所等を利用したい!→2号または3号認定

1 市に「保育の必要性」の認定を申請するとともに、保育所等の利用希望を申込

2 市から認定証を交付

3 申請者の希望や保育所等の状況などにより利用調整

利用先の決定後、契約

私立幼稚園については、新制度へ移行するかどうかは各園によって異なります。移行しない幼稚園を利用する場合は認定を受ける必要はありません。詳しくは各園にお尋ねください。

新制度はゴール?それとも…

支援のための取組みはまだまだこれから

 新制度は来年の4月から始まりますが、その時点ですべての取組みが完成しているわけではありません。これから決めていくべきこともたくさんあります。市では、子育て中の人や地域の子育て支援に従事する人などが参加するこども育成支援会議を定期的に開催し、市の子育ての実情に即した支援について議論しています。また、同会議では、市の今後5年間の子育て支援計画となる「次世代育成支援行動計画(第3期)」を策定するための話し合いも進めています。

子育てに関わるすべての人へ

 新制度の開始が報じられる中で、市に多く寄せられるのが「幼稚園や保育所がなくなるのか」「子どもをどこにも預けられなくなるのでは」といった保護者の皆さんの不安の声です。しかし、ここまで紹介してきたとおり、新制度は「より良い子育て支援」をめざして整備されたものです。既存の施設や制度の支援内容が後退するということはありません。

 子育て支援は、時代や地域、家庭の変化に寄り添いながら作り上げていくべきものです。次代を担う子どもたちの健やかな成長を願って、これからも茨木市は、子育てに関わるすべての人とともに、より良い子育て支援を作り上げていきます。

問合先

新制度について=こども政策課 電話620-1625

保育所・幼稚園・認定こども園について=保育幼稚園課 電話620-1638

学童保育について=学童保育課 電話620-1801

利用者支援等について=子育て支援課 電話620-1633

ぜひご参加を!

子ども・子育て支援新制度ブロック別説明会 一時保育あり

とき、ところ、定員、次のとおり、内容、子ども・子育て支援新制度の概要や幼稚園・保育所等の利用手続きについて、備考、一時保育は9月1日、午前9時~12日に要申込(各会場15人まで)。公共交通機関をご利用ください。問合先、こども政策課 電話620-1625

(※各項目、とき、ところ、定員(当日先着)の順で。)

9月25日(木曜日)、午後7時から
沢良宜いのち・愛・ゆめセンター大会議室
140人

9月26日(金曜日)午前10時から
春日公民館大会議室
160人

9月26日(金曜日)午後7時から
クリエイトセンターセンターホール
420人

9月30日(火曜日)午前10時から
総持寺いのち・愛・ゆめセンター大会議室
80人

9月30日(火曜日)午後7時から
豊川コミュニティセンター多目的室
130人

こども育成支援会議の傍聴を 一時保育あり

とき、9月29日(月曜日)、午後6時30分から、ところ、福祉文化会館202号室、定員、先着20人、内容、子ども・子育て支援事業計画におけるサービスの提供体制ほか、備考、一時保育は9月10日までに要申込、申込、9月1日、午前9時から、電話または直接、こども政策課窓口 電話620-1625