人キラリ
キラリと光る市民紹介コーナ−
プロ棋士
宮本広志さん(28)(大池一丁目)
年間にたった4人しか通過することのできない、将棋のプロ棋士への狭き門。プロ入りの栄光を掴む人がいる裏側で、毎年多くの若者たちが涙を飲んでいる厳しい世界です。今回紹介する宮本広志さんは、そんな難関を見事に突破し、今年の4月からプロ棋士としての第一歩を踏み出しました。
自分の将棋で恩返しをしたい
宮本さんが将棋に出会ったのは小学校入学前のこと。お父さんとお兄さんが将棋を指していたのがきっかけでした。「すぐに夢中になって、家だけでなく道場に通って指すようになりました。休みの日は父に連れられて朝から夕方までずっと将棋を指していました」と、宮本さんは子どもの頃を振り返ります。中学2年生の時に、プロの養成機関である奨励会に入会しました。
それ以来、学業と将棋を両立させながらプロへの階段を着実に上っていきます。「将棋は、自分で相手に『負けました』と言わなければならないので、子どもにとっては厳しいものです。その分、相手に対する礼儀や勝つための努力など、学ぶことも多かったと感じます」と話す宮本さん。そして、奨励会の規定によるプロへの年齢制限が迫る中、昨年度のリーグ戦で好成績を収め、念願のプロへの切符を掴み取りました。「人からは、粘り強い将棋を指すとよく言われます。最後まで諦めないことの積み重ねが良い結果につながったんだと思います」と笑顔で喜びを語ります。
プロとしてのキャリアは始まったばかり。ですが、宮本さんはすでに先の目標を見据えています。「これからは、自分自身がいい将棋を指すことが、家族や師匠、子どもの頃から応援してくれている周りの人への恩返しになると思います。いずれ、大きな舞台で活躍できる棋士になりたいです」と、力強く話してくれました。