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キラリと光る市民紹介コーナー

庭師 山中 涼さん(35)(上穂積四丁目)

 何もなかった空間に、植物や石、流木などを使って、自然を再現する。今回紹介する山中涼さんは、そんな創造的な世界に身を置く庭師です。技術講習会を開いて若い職人の育成に力を入れるほか、自身も造園の大会に出場して賞をとるなど、技術を磨きながら庭作りの素晴らしさを発信し続けています。

自然のままの庭作りで世界へ

 山中さんが庭師としての一歩を踏み出したのは16歳のとき。友人の父親が造園業を営んでおり、アルバイトをしたのがきっかけでした。「それまで植物に特別興味があったわけではないんです。ただ、やってみたら楽しくて、夢中になりました」と山中さんは話します。学校卒業後、その会社に就職して修行を積み、20歳で独立しました。

 山中さんは、昨年の「第15回国際バラとガーデニングショウ」に初出展。苔のついた大木や瓦、淡い色の野バラで生命のエネルギーのサイクルや躍動感を表現した作品「生命の森と野ばら」が、見事ガーデン部門の優秀賞に輝きました。「バラを使った庭は洋風が多いなか、和のテイストに仕上げた点が、見る人の心をつかんだのだと思います」と話す山中さん。庭作りでは、自然のままの姿を再現することを大切にし、陽の差し方などを考えて、植物の生える位置や葉の広がり方まで細心の注意を払っているそうです。

 山中さんの今後の目標の1つは、2020年のドバイ万博に出展し、海外での経験を積んで技術の幅を広げ、国籍を問わず人の心をつかむ庭作りをすることです。そのステップとして海外の大会にも出展を検討するなど、世界を見据えた山中さんの挑戦は、これからも続きます。