特集 主役はあなた!
〜市民活動 してみませんか〜
問合先 市民協働推進課 電話620-1604
市民活動って何?
魅力あるまちをつくる、市民活動
あなたはいま、「市民活動」をしていますか?
そう言われても、「そもそも市民活動って何?」「自分には関係ないのでは?」と首をかしげる人も多いかもしれません。市民活動とは、正確には「市民公益活動」のこと。社会のため、人のために行う活動で、ボランティアやNPO法人の活動などがそれに当たります。
市民活動では、まちの課題の解決や改善を市民が主体となって行います。つまり、市民活動が活発になるということは「より良いまち」に対する住民の関心が高まっているということです。魅力あふれるまちづくりと市民活動はつながりの深いものなのです。
してみたい、踏み出せない
では、市内には市民活動を行っている団体がどれくらいあるのでしょうか。市民活動センターに登録している市内の市民活動団体の数は、平成18年のセンターオープン時点では18団体だったのに対し、平成25年3月現在で152団体。このことから、市内で市民活動が広まりつつあることが分かります。
一方で、「公益活動」という言葉の響きから、参加のハードルが高そうなどといったイメージを抱いてしまう人がいるのも確かです。内閣府が平成24年3月に実施した調査で、「ボランティア活動に関心がある」と答えた人の割合は約6割。それに対して、「ボランティア活動をしたことがある」という人は3割に届きませんでした。「してみたいけど踏み出せない」——そんな現状が、この数字に表れています。
ハードルは高くない
しかし、市民活動は決して遠い存在ではありません。たとえば道路の清掃や子育て支援、福祉や教育、地域の見守り活動など、その多くが、日常生活の中で目にするような身近な活動です。そこへ参加するために特別な資格や能力を必要とすることはほとんどなく、それぞれが自分たちにできる範囲の活動をしています。私たちの暮らしをそっと支える、そんな活動に参加するうえでのハードルは、意外と低いものなのです。
次に、その活動の一例をご紹介します。
市民活動って、こんなこと!
- 環境学習
- 文化の普及・継承
- 子育て支援
ほかにもまちづくりの推進、福祉・保健、スポーツの普及、平和活動、社会教育の推進、国際協力など、多種多様!
茨木交流倶楽部「花咲かせ隊」
花が好き。それがまちの景観や活力につながれば。
皆さんは、商店街や駅前で、道の端にきれいに植えられている花を目にしたことはありませんか?それは、茨木交流倶楽部「花咲かせ隊」が植えた花かもしれません。
「まちを花でいっぱいにして、道行く人に笑顔になってもらいたい」。そう語るのは、佐藤由喜子さん(74歳)。同倶楽部の代表として、街角に花を咲かせる活動に尽力しています。
同倶楽部は今年で設立11年目。結成のきっかけは、市主催のまちづくりワークショップでした。「私がいた班で、『ワークショップの終わりを、新しいことの始まりにしよう』という話になったんです」と、佐藤さんは振り返ります。「最初は寄付を募ってペンキを購入し、商店街の駐輪場の白線引きなどをしていたんですが、そのうち『ここに花があると良いね』という意見が出て、プランターを置くことにしました。これが、今の『花咲かせ隊』の始まりですね。活動を続けて3年目に寄付をいただいたこともあり、市や地域の人と話し合って、12メートルの花壇を作ることができました」。その後も活動範囲を少しずつ広げ、市や府と連携して駅前交差点の花壇などに花を植えているほか、府の“みんなで育てる花いっぱいプロジェクト”に参加し、市内の小・中学校で子どもたちが花を育てるお手伝いをしています。
「活動の中で大変なこともありますが、私たちはやっぱり花が好きなんです。水をあげると元気に花を咲かせる。それを見た人も元気になる。人の心を和ませ、笑顔にさせてくれるなんて素敵ですよね。それに、知らない人から『きれいね』と声をかけられることは励みになります。私たちの好きな花がまちにあふれ、まちの美しい景観や活力につながれば嬉しいですね」。
今後の目標は、花の組み合わせの勉強や、ほかの団体と交流をしていくこと。「まちづくりは一人ではできない。みんなで力を合わせて、色々な活動が広がっていけば良いですね」と話す佐藤さんの笑顔が印象的でした。
朗読かたつむり
踏み出せば、道は開けてくる。そういうものですよ。
「むかしむかし——」感情表現豊かな声が部屋の中に響くと、子どもたちはじっと耳を傾けました。
絵本を読むのは、「朗読かたつむり」のメンバー。「かたつむりのようにゆっくりこつこつ頑張っていこうという思いから名付けた」と、代表の中島英征さん(69歳)は話します。
「朗読かたつむり」の始まりは3年前。府の高齢者大学校の朗読教室で出会った仲間たちが、「地域で何かボランティアをできないか」という気持ちから立ち上げたサークルだそうです。「何もしなかったら、せっかく学んだことや出会った仲間が、そのまま消えてしまう。やっぱりそれはもったいないことですよね。みんな、そういう気持ちだったと思います」と中島さん。今は、市内の小学校の「放課後子ども教室」や子育て関連の施設、老人会で朗読や読み聞かせをするなど、あちこちで活躍するサークルとなっています。
ただ、最初から本を読み聞かせるのが好きだった人ばかりかというとそうではなく、意外にも「人前に立つのがむしろ苦手だったメンバーも多い」のだとか。「でも、大学校の発表会で話すうちにお客さんの反応が楽しくなってきて、もっとたくさんの人の前で朗読したい、と思うようになったんです。自己満足かもしれませんけど」と中島さんは笑います。「真剣に聞いてくれて、拍手をもらえると気持ちが良い。頑張っていこう、という気になりますね。お客さんに合わせた表現方法ができるようもっとスキルアップして、朗読の楽しさや物語の面白さを広めていきたいです」。
市民活動を始めようか迷っている人にメッセージをお願いすると、中島さんはこう答えてくれました。「新しいことに飛び込むのは、勇気がいりますよね。でも、最初は仲間作りが目的くらいの軽い気持ちで良いと思います。そもそも市民活動は、仲間を作ることから始まるんじゃないでしょうか。一人で何かを始めるのはとても難しいけど、仲間がいれば色々なことができる。このサークルだって、みんながいたからやれたんです。踏み出せば、道は開けてくる。そういうものですよ」。
市民活動を支える
市民活動の窓口 市民活動センター
「市民活動に参加するきっかけがほしい」「今の活動をもっと広めたい」——そんな人のための施設が、市にあります。市民活動センター(アクティブプラザきずな)です。
センターは、市内の市民活動の活性化を図るため、平成18年、市民会館の2階にオープンしました。以来、市民活動の窓口として、多くの市民・団体の活動を支援し続けています。すでに市民活動をしている団体や、これから活動しようとする人を支えるため、さまざまな取組みを行っています。
団体登録して活用を
センターでは、随時、団体の登録を受け付けています。登録した団体に対しては、会議室やロッカーなどの施設の貸出しや、広報活動の支援、団体間の交流支援などを行っています。
また、これから団体を立ち上げたいという人に対しても、専門の相談員がアドバイスを行っています。
活動したい市民のために
センターを利用できるのは団体だけではありません。市民活動への参加のきっかけを探す市民への支援体制も充実しています。市民がスムーズに活動に参加できるよう、希望に沿った団体を紹介したり、市民活動についての相談・助言を行ったりしています。また、センター内にある掲示板やパンフレットには多くの情報が掲載されており、気軽に団体の活動について知ることができます。
ほかにも、市民活動に関わる研修や講演を毎月開催するなど、市民活動についての理解を深めてもらう取組みを数多く行っています。
市民活動の主役はあなた
いま、地域や誰かのために何かを始めようと迷っている人。勇気を出して、一歩を踏み出してみませんか。いま、市民活動を頑張っている人。その活動を、もっと広げてみませんか。市では、新しい活動へ歩き出そうとする皆さんを、今後も支え続けます。
このまちにあふれている、たくさんの「活動の場」。皆さんがその気になれば、いつでも自分が一番輝ける場所を見つけることができます。市民活動の主役は、あなた自身なのですから。
市民・団体・行政をつなぎ、支える
市民活動は、市そのものを活性化させる力を持っています。でも、個人や団体だけでの活動にはどうしても限界がある。市民活動センターの役割は、個々で活動している市民を、ほかの市民や団体、行政などにつなげ、その活動を支援することです。センターにはさまざまな市民活動の情報が入ってくるので、どこにどんな人材がいて、どこがその力を求めているかを把握し、「こういう場所があるよ」「一緒にこんなことをしてみたら」などといった提案をすることができるのです。組織を越えたつながりを促すことができるのは、センターならではだと思いますね。
市民活動において今後重要となるのが、行政と市民の協働です。行政が市民活動を支え、市民がその力を市政に反映させる。そうすることで、市民活動はより活発になり、市全体の活力につながっていくのではないでしょうか。その過程で市民と行政をつなぐセンターは、いわば「協働の促進のためのコーディネーター」。今後も、市民と行政がともに歩んでいく手助けをしていきたいです。
市民活動センターのご利用を
- ところ
- 市民会館2階(駅前四丁目7-50)
- 開所時間
- 午前9時30分〜午後6時(水曜日・金曜日は午後10時まで、月曜日と祝日、市民会館休館日は休み)
- 問合先
- 電話623-8820
【利用案内】
(※各項目、内容、料金の順で)
登録団体のみ
事務ブース(机・インターネット)
月額3,000円
登録団体のみ
ロッカー(1団体1個)
月額300円
登録団体のみ
メールボックス(1団体1個)
月額100円
登録団体のみ
会議室(40人)、1団体1週間1回(月4回まで)
午前9時30分〜正午 250円
午後0時30分〜3時 250円
午後3時30分〜6時 250円
午後6時30分〜9時30分(水曜日・金曜日のみ)300円
一般利用可
交流サロン
一般利用可
作業室(印刷機等)
印刷代実費
7月の市民活動センターのイベント・講座は、イベントのページを参照
利用者の声
傾聴ボランティアグループ コスモスの会 佐藤千明さん(59歳)
センターは人と団体をつなぐ存在
私はいま傾聴ボランティアとして活動しています。そのきっかけは市民活動センターの講座でした。
もともと傾聴ボランティアに興味はあったのですが、どう行動すれば良いのかは分からなかった。そんな時、広報誌にセンターが主催するボランティア養成講座の情報が載っていたので、思い切って申し込んだんです。講座ではロールプレイや実際に活動している人の紹介など、イメージがわきやすいプログラムが組まれていたので楽しかったですね。特に良かったことは、講座が終わった後で、センターがボランティアグループを紹介してくれたこと。おかげで、すぐに活動を始めることができました。
傾聴ボランティアとして、相手の気持ちを考えながら傾聴する中で、喜んで笑顔を見せていただいたときはやりがいを感じます。私のほかにもセンターの講座を経てグループに入った人が何人かいて、みんな活動を楽しんでいますよ。センターは、何か活動を始めたい人と団体とをつなぐ大切な存在だと思います。
茨木・伝承玩具研究会 田中政彦さん(74歳)
団体にとって、拠点となる場所は大切
毎月2回ほど、定例会のために市民活動センターを使っています。
このセンターの良いところは「安くて便利」ということ。以前はほかの施設を利用していたのですが、交通の便が悪く、集まるのに一苦労でした。このセンターだったらバスや電車で行きやすいですし、施設使用料も安いので助かりますね。それに、センターに団体登録すればロッカーやメールボックスを利用できるのも便利です。研究会の備品を入れておいたり、ほかの団体へ連絡便を出したりと、日々活用しています。
団体として活動するうえで、拠点となる場所があるのは大切なことです。これからもセンターを使い続けたいですね。