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キラリと光る市民紹介コーナ−

NPO法人日本放鷹協会員 諏訪流放鷹術 鷹匠
岡村憲一さん(52)(南春日丘五丁目)

 日本で、4世紀頃から時の権力者たちの間で行われていた狩猟方法、鷹狩。そこには鷹匠と呼ばれる、鷹を飼育・調教する専門の技術者がいました。

 今回紹介する岡村さんは、その鷹匠の技術を現代に継承し、普及活動を行っています。

伝統の技術を継承し、現代にいかす

 岡村さんが初めて鷹を飼ったのは30歳を過ぎた頃。知人とのふとした会話から、趣味として飼い始めたそうです。そして、鷹の飼育方法に苦心する中で、鷹匠に指導を仰ぎます。「最初は、正しい飼い方を覚えようと指導を受けていましたが、次第に鷹を自由に操る鷹匠の姿に憧れるようになりました」と岡村さんは話します。

 それからは、飼育方法や鷹を操る技術だけでなく、鷹匠の歴史、専用の道具の作り方なども学びました。そして39歳の時ついに、古くは織田信長や徳川将軍家にも仕えたとされる「諏訪流」の鷹匠に認定されました。

 後進の指導や、全国各地で技術の普及活動を行うかたわら、数年前からは、鷹匠の技術をいかし、ハトやカラスによる鳥害を減らすための取組みを始めています。「訓練で鷹を飛ばしていたら、その付近からハトやカラスがいなくなったのを見て『これは害鳥撃退に効果があるんじゃないか』と思いました」と話す岡村さん。今では、マンションや工場・倉庫など、鳥害に悩む人たちの依頼を受けて、撃退を行っています。「伝統技術を継承し、将来の担い手を育成していくことが、同時に現代社会の役に立つのであれば、鷹匠としてはとても嬉しいです」と、力強い口調で話してくれました。