いばらき市議会だより

市長の施政方針に各会派が代表質問

 6月9日に市長の施政方針の説明が行われ、その際、市長の隣で手話通訳が実施されました。

 6月10日、11日には、施政方針に対する各会派の代表質問を行い、主な内容は次のとおりです。

いばらき未来の会

稲葉 通宣〔質問者〕

安孫子 浩子、友次 通憲

市民生活への支援は

新型コロナウイルス感染症に係る生活支援の一つとして、水道料金及び下水道等使用料と国民健康保険料を減額するとのことだが、これらの支援について、その規模をどのように決定したのか。

水道料金及び下水道等使用料の減額規模については、元の日常生活に戻っていく中で、一般家庭における負担軽減を念頭に設定した。国民健康保険料の減額規模については、保険料負担の軽減を目的として、令和2年度国民健康保険料率を前年度並みとなるよう、特例的に繰越金を充当して算出した。

送迎保育ステーションの設置を

通勤に便利な場所に送迎保育ステーションを設置することで、保護者の送迎の負担を軽くでき、また、遠方の保育所等でも利用可能となることから、入所希望の偏りを緩和できると考えるが、整備についての考えは。また、阪急茨木市駅、JR茨木駅西口整備の際には、駅ナカ保育園や送迎保育ステーションの設置を検討してはどうか。

現在、ほとんどの施設で定員を超えた受け入れを行っていることから、今のところステーション設置の予定はないが、将来の各施設における受入状況の偏りも想定しつつ、利用者の利便性を踏まえた場所の選定も含め、設置について検討していく。

地域医療支援病院への支援は

新型コロナウイルス感染症の対策においては、医療機関が正常に機能することが重要である。今回、地域医療支援病院を支援する補助金を創設するとのことだが、今後の第2波、第3波への対策としてどのような支援が必要と考え、この補助金を創設したのか。

地域医療支援病院は、市内の医療体制の中核として新型コロナウイルス感染症や救急医療等への対応を担う病院であることから、運営経費を緊急支援することで、今後に備え、市内全体の医療体制の確保と維持を図ることを目的に補助金を創設した。

自由民主党・絆

福丸 孝之〔質問者〕

下野 巖、上田 光夫、上田 嘉夫、滝ノ上 万記

北部地域における取り組みは

安威川ダム周辺整備について、本地域はハブ拠点として推進していく必要がある。北辰中学校跡地も含めた北部地域と市街地とのつながりの観点から、現状はどのように考えているのか。また、竜王山荘については、スポーツ施設としての制約があり、宿泊施設としての機能を十分に生かせていない状況にあるが、北部の魅力を考えれば、竜王山荘も計画に含めるべきではないか。

安威川ダム周辺地域は、地理的、交通的にも北部地域と市街地をつなぐ位置にあるため、その機能を高め、北部地域の情報発信等のハブ拠点として整備していく。また、竜王山荘については、北部地域唯一の宿泊施設であり、複合機能を備えたスポーツ施設であることを生かし、イベント等を実施しているが、今後のエリアマネジメントにおいても連携した取り組みを検討していく。

国や府を動かす行政運営を

新型コロナウイルスの出現により、地方自治体には従来の生活様式や価値観を改革する視点とともに、市民の暮らしに寄り添う視点が必要であり、その役割は大きくなると考える。こうした中、従来のように国や府の決定に従うだけでなく、市から国や府を動かす積極的な行政運営が必要と考えるが、本市の考えはどうか。

新型コロナウイルス対策においては、国、府、市の役割が異なり、全国的・広域的な視点に立った感染症対策や経済対策が必要であることから、国、府の対策に軸足が置かれ、市は補完する関係であった。しかし、今後は、さまざまな主体に新しい生活様式が求められるため、市民に最も近い基礎自治体として、市民に寄り添った支援を推進していく。

駅前再整備の今後の進め方は

市民会館跡地エリア整備事業が動き出し、中心部の一方通行化も含め、阪急とJR両駅前の整備とも連携させた総合的な考えをまとめていると思うが、ハード面だけではなく、市民が利用するためのコミュニティデザインの観点も必要と考える。さまざまな市民を巻き込んで計画を進めることを望むが、今後の進め方についての市の考えはどうか。

駅前再整備に当たっては、コミュニティデザインの観点も大切にしながら、市民の皆さまからいただいた意見等も踏まえ、利用される場づくりをめざした計画づくりを進めていく。

Afterコロナに向けた市政運営は

市長は新型コロナウイルスを克服した将来の段階、いわゆるAfterコロナにおいて、劇的な社会変化は生じないとの見解であるが、市長の姿勢として、先頭に立ってAfterコロナの新しい社会を切り開いていくという積極性が必要と考える。市長の思いはどうか。

Afterコロナにおいては、従前から提唱されているSociety5.0(Society5.0:サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会のこと)の実現がより一層求められ、ネット通販を含め、ロボットや自動運転など、サイバー空間とフィジカル空間の融合による経済的発展と社会的課題の解決をめざす取り組みが加速するものと考えている。今後、あらゆる場面で、新しい生活様式や事業形態への転換が求められることが想定されることから、コロナでなくても、これからの社会を切り開くという気概を持って、采配を振るっていく。

市民と触れ合う施策は

新型コロナウイルスの影響により、茨木フェスティバルやふるさとまつり等が中止となるなど、市長が市民と触れ合う機会が減少した。このような中、市民からの意見や思いに触れる施策について、どのように考えているのか。オンラインでの市長懇談なども企画する必要があるのではないか。

これまで多くの市民の皆さまに出会い、意見や思いに触れることで、市民目線に立った市政運営を心がけてきたが、Withコロナの状況下では、一定の制約がかかることは、やむを得ないと認識している。ICTを活用するなどの工夫は行っていくが、状況を見て、できる限り多くの市民の皆さまとお会いして、リアルな声に共感していきたいと考えている。

日本共産党

大嶺 さやか〔質問者〕

朝田 充、畑中 剛

安威川ダム周辺整備の中止を

府は安威川ダム建設事業について、自然災害による被害の補修や、コア材採取量不足等のため事業費を140億円増額することとなったが、こうした条件の場所がダム建設に適しているのか。このような場所での周辺整備は、訪れる方の安全確保という点からも中止すべきである。また、新型コロナウイルス対策に予算と時間を費やす必要がある中で、ダム周辺整備に予算と時間を費やす必要性はあるのか。

安威川ダムは、市民の生命と財産を守るために必要な施設であるので、今後も建設を促進していく。また、周辺整備についても、北部地域の活性化を図るために必要な事業であると考えていることから、引き続き、取り組みを進めていく。

救急病院の誘致展望は

国は公的・公立病院の統廃合や病床縮小の方向性を打ち出しており、三島医療圏でも、本市の市民がよく利用する病院が病床削減、統廃合の対象に上がっている。さらに、大阪府地域医療構想では、医療圏内の急性期病床を削減し、回復期への転換が検討されている。このような状況で、救急病院を誘致できる展望はあるのか。また、誘致について、今年度はどのように検討するのか。

三島医療圏内で病床を増やすことは困難だが、圏内での移転は可能と考えており、救急医療や小児救急などの喫緊の課題解決に取り組む。また、将来における本市のあるべき医療体制を見据え、府の医療計画等との整合性を図りながら、今後、医師会や近隣の医療機関、保健所などの関係機関との協議を行い、基本整備構想を策定する。

今後のコロナ対策予算の編成は

新型コロナウイルス感染症拡大防止の緊急事態宣言の発出から解除までの間に、二度にわたり補正予算を議決してきた。第三弾となる今回のコロナ関連補正予算の内容については評価するが、コロナ対策はこれで終わりではなく、第2波、第3波への備えが必要である。刻々と変化する感染症との戦いにあわせた予算編成が必要であるが、本市の考えはどうか。

今回の補正予算では、回復準備期として、多様な主体の活動支援や事業者等の事業継続支援を計上したが、今後も、フェーズに応じた支援を届けることができるよう、適切な予算措置に努めていく。

大阪維新の会

萩原 佳〔質問者〕

大野 幾子、浜守 毅、円藤 こずえ、岩本 守、長谷川 浩

家庭学習を十分に行える支援を

小中学校の学習支援について、タブレット等の機器の貸与だけではなく、設定から使い方まで丁寧にサポートする体制を整えるべきではないか。また、保護者や家庭の状況により、家庭学習を十分に行えない子どもへの支援を、定期的に丁寧に行うべきと考えるがどうか。

小中学校において家庭状況等により家庭学習を十分に行えない子どもへの支援については、学校再開後に、これまで家庭で十分学習できなかったところをフォローするとともに、オンライン授業やタブレットの操作方法等に慣れる授業を行う。

中学校給食の早期実施を

全員喫食での中学校給食の早期実現をめざし、センター方式で事業手法の検討を進めるとのことだが、早期実現といいながら、時間ばかり経っている。事業構築の見える化に努め、早急に取り組むべきと考えるが、中学校給食の全員喫食はいつからの実施を想定しているのか。

中学校給食における全員喫食については、令和2年度に基本計画策定及び民間活力導入可能性調査を実施し、遅くとも、令和7年度中の開始をめざしていく。

コロナ禍における避難所受入体制は

豪雨や台風等の自然災害が心配される時節に入り、コロナ禍を踏まえた避難所の運営においては、消毒液等の感染予防用品の拡充は当然であるが、災害時の避難人数を3万人と想定した避難所の数については不十分ではないか。3密防止のためにも指定避難所を増やす考えはないのか。また、地域による偏りもなくすため、早急な対応が必要ではないか。

コロナ禍における避難所の受入体制の確保については、運営の見直しや拡充に向け、施設管理者と協議等を進めており、国や府の指針等を参考に、受入体制の確保に努めていく。

こども医療費助成拡充の時期は

本年4月に行われた市長選挙の際に、福岡市長が示した50の力を入れたい事項の一つに上げられていた18歳までの医療費無償化が、今回の予算に含まれていないのはなぜか。他市では既に実施されており、本市も予算に計上するべきと考えるが、予算化の予定と医療費無償化した場合に想定される予算額はどのくらいか。

18歳までの拡充については、今後、財源を確認しながら時期を検討していく。また、仮に18歳年度末まで拡充した場合、扶助費約1.3億円の負担増を見込んでいる。

公平な事業者支援を

広報誌で飲食店応援の記事が掲載されていたが、同様にSNS等でも毎日発信するべきではないか。また、商品の持ち帰り等に尽力している事業者はたくさんおられるにもかかわらず、広報誌で掲載されたお店はごく一部である。市内の事業者の中で、不公平な状況をなくす必要があると思うが、市の見解と対応策はどうか。

新型コロナウイルス感染症による緊急時に有効な対策として、いち早く事業者支援の取り組みをしてくださった方々と連携し、スポットを当てることが、市民、事業者の皆さまと行政が一丸となって取り組むという「#エール茨木」の趣旨に合致すると考える。今後、さまざまな取り組みについても、幅広く適切なフォローを図り、行政としての役割、責務を果たすよう努めていく。

市民会館建設の延期・撤回を

現在のコロナ禍の状況においては、市民の生命、財産、安全・安心の暮らしを守ることが最重要、最優先課題であると考える。その意味では、市民会館の建設は不要不急であり、建設は一旦延期、もしくは白紙撤回の決断をし、建設にかかるコストや職員の労力は、全て市民のために注力すべきではないか。

新施設を含む市民会館跡地エリアの整備については、中心市街地のまちづくりの視点も踏まえ、これまで対話を基本に、丁寧な議論を行いながら、市民の皆さまとともに進めてきたものであり、その思いに応えられるよう、着実に事業を進めていく。

公明党

青木 順子〔質問者〕

大村 卓司、松本 泰典、河本 光宏、篠原 一代、坂口 康博

中核市への移行検討を

地域保健医療の充実のため、保健所と保健医療センターの業務を一体化することで、市民サービスの質を高めることができると考える。保健所事務の市への移管についてどのように考えているのか。また、子どもや若者問題等においては、精神保健福祉に関する府の権限が移管されることで、市の取組強化につながると考える。これらのことから、中核市への移行を検討してはどうか。

保健所事務を市が担うことで、関連サービスを一元的に提供できることなどが挙げられるが、市内には府の保健所があり、市民の利便性が担保されているほか、各種取組における連携も取りやすいと考える。中核市への移行は、中核市制度に関する国の動向にも注視するほか、新型コロナウイルスに関する対応の検証なども行いながら、引き続き、市民サービス面と財政面の両面から研究していく。

救急病院の誘致は

救急病院の誘致について、基本整備構想を策定するとのことだが、小児救急病院の不足等も課題になっている。市民の命を守る救急病院を誘致するに当たって、どのような課題があるのか。また、どのような特徴のある病院をいつまでに誘致するのか。

本市においては、救急医療や小児初期医療の提供体制の確保、充実が喫緊の課題であり、市域中央、南圏域に病院病床が少ない状況である。誘致する救急病院の特徴等については、これらの課題を踏まえつつ、将来における本市のあるべき医療体制を見据え、府の医療計画等との整合性を図りながら、医師会や近隣の医療機関などの関係機関と協議を行い、基本整備構想策定の中で具体的に示していく。

小中学校の体育館へエアコン設置を

小中学校の体育館は子どもたちの育ちの場であると同時に、地域の行事や災害時の避難所としての機能を果たしている。昨今の夏季における酷暑では、その機能を果たすことは厳しいと感じており、体育館へのエアコン設置は急務であると考えるが、市の考えはどうか。

小中学校の体育館へのエアコン設置については、災害時の避難所環境の改善、平時の教育環境等の改善など、必要性が高いものと認識しており、導入に向けて引き続き検討していく。

特別定額給付金の支給手続を円滑に

全世帯に1人当たり10万円が支給される特別定額給付金について、既に振込作業も始まっているが、現時点で何世帯、何%が申請をされ、現時点で申請している世帯には、いつ頃振り込まれるのか。また、手続きをさらにスピードアップすることはできないのか。

6月8日時点での申請状況は、10万6,974世帯、約84%が申請をされており、申請済の世帯主の皆さまには、7月中旬までに振り込む予定としている。給付のスピードについては、申請書類の入力や審査などの作業の効率化を図り、より早く給付できるよう取り組んでいく。

こども医療費助成の対象年齢拡充を

こども医療費助成については、経済格差が健康格差とならないように、順次取り組まれてきたが、子育てにおいては経済的な支援を望む声が一番多く、その観点からも18歳までの対象年齢の拡充を早期に実現されることを望むが、市はどのように考えているのか。

18歳までのこども医療費助成拡充については、早期実施が望まれていると認識しており、今後、その財源を含め、実施時期を検討していく。

障がい者スポーツの振興を

本市には、障がい者スポーツの専用施設はないが、既存施設の更衣室、シャワー室、エレベーターの改修等のバリアフリー化を進め、障がい者スポーツ推進体制を整えることは、障がい者理解と障がい者競技スポーツの振興につながると考えるがどうか。

スポーツ施設のバリアフリー化として、現在、多目的トイレの設置などを順次進めているところである。引き続き、計画的な環境整備などを進め、障害者理解の促進と、さらには競技スポーツの推進にも努めていく。