いばらき市議会だより

市長の施政方針に各会派が代表質問

 3月1日に市長の施政方針の説明が行われ、その際、市長の隣で手話通訳を実施しました。
    3月5日、6日には、施政方針に対する各会派の代表質問を行いました。その主な内容は次のとおりです。

 

大阪維新の会

塚 理〔質問者〕

大野 幾子、長谷川 浩、萩原 佳、岩本 守

北部地域の居住問題は


北部地域の将来を確かなものとするため、「山とまちをつなぐ」をテーマに、北部地域の魅力や課題を見つめ直すとともに、活動する人の増加をめざすとのことだが、北部地域の居住問題については、どのように考えているのか。

北部地域は、市全体と比べ高齢化、少子化が顕著であり、一番の課題はピーク時から7割程度に人口が減少していることだと捉えている。この課題を短期的に解消することは難しいが、地域資源の活用や活性化に向けた取り組みにより、活動する方々を増やすことで、定住につなげていきたい。

 

中心市街地道路整備の一方通行化は

JR茨木駅と阪急茨木市駅西口周辺の再整備について、交通結節点(異なる交通手段(場合によっては同じ交通手段)を相互に連絡する乗り換え・乗り継ぎ施設)としての機能強化とあわせ、多くの市民が集い、憩える空間となるよう取り組むとのことだが、両駅を結ぶ道路一方通行化の検討における進捗状況および、今年度はどのような取り組みをするのか。

一方通行化の実現は、中心市街地の交通環境に大きく関わることから、平成30年度は、茨木松ケ本線の整備による中心市街地の交通への効果を見極める。また、市民会館跡地エリアや駅前再整備とも関係するものであり、総合的な視点で検討していく。

 

コミュニティバス運行の考えは

公共交通の維持、充実への取り組みにおいて、運転免許の自主返納制度や今後も高齢化が進むことを考えても、コミュニティバスを運行させることを本格的に考える状況ではないか。総合交通戦略の中でも大切な要素と考えるが、市の見解はどうか。

高齢化が進むことにより、近距離でも移動が困難になる方が多くなることから、移動支援のニーズがますます増えていく。そのため高齢者や公共交通が不便な地域での移動支援について、地域住民と意見交換を始めている。急速に進む自動運転などの技術革新にも十分留意して、地域の課題に合った施策について、協議、検討していく。

 

40代世代に対する市の考えは

39歳以下の在住、在学、在勤の方々を対象に、政策立案コンテストを開催するなど、「次なる茨木」のために、若い方の知恵をいかすことは賛成だが、社会的問題になっている40代のアラフォークライシス世代についても、目を向ける必要があるのではないか。

「次なる茨木」は、市民一人ひとりが尊重され、誰もが自ら可能性を伸ばせることを前提とした幸せや、豊かな生活の実現をめざしている。就職や仕事で恵まれない世代とされるアラフォークライシス世代に限らず、市民の皆さんに幸せや豊かな生活を実感してもらえるよう取り組んでいく。

 

農業と福祉や教育との連携を

農業への関心を高め、新たな担い手の確保にもつながる農業体験の取り組みを充実するとともに、ワークショップ等で農業者とともに、新たな農業施策を考える取り組みを行うとあるが、農と福祉、農と教育との連携についてどのように考えるのか。

今後の農業の担い手確保や育成の観点から、福祉、教育いずれも重要なパートナーとなるものと考えている。福祉、教育の観点からも、農の果たす役割は大きいものと考えていることから、積極的に連携、支援していく。

 

自由民主党・絆

辰見 登〔質問者〕

福丸 孝之、下野 巖、上田 光夫、上田 嘉夫、中内 清孝

芸術文化施設建設の計画は

市民に愛され、使われる新しい芸術文化施設の建設を重点政策として位置付け、取り組みを進めるとしているが、いつまでに何をして、何を決定するのか。また、芸術文化施設の完成はいつになるのか。

平成30年度において、元市民会館等の解体設計、跡地エリア活用基本計画及びPPP手法(パブリック・プライベート・パートナーシップ(Public Private Partnership)の略称で、官民が連携して公共サービスの提供を行うこと)等、導入可能性調査を実施し、31年1月からは、事業者募集に向けた仕様等の作成に取りかかる予定である。また、32年度からは、設計及び建設工事を進め、35年度の完成をめざしていく。

 

新たな救急医療体制の構築は

平成29年度に引き続き、三島二次医療圏における新たな救急医療体制の構築に向け、関係機関等と協議を進めるとあるが、29年度は何回、どのような方と具体的に何を協議したのか。また、新たな救急医療体制とは何を意味するのか。

実務者として大阪府三島救急医療センター等が、関係者として市医師会等が参加し、大阪府三島救命救急センター移転等について検討する意見交換会が6回、3市1町の消防職員を構成員とする三島二次医療圏救急医療検討会が6回開催された。また、センター移転により、医療機関の体制等に影響が及ぶため、初期から三次救急までの新たな救急医療体制の構築に向けた協議を進めるものである。

 

市民参加型シティプロモーションを

市制施行70周年を契機に、市民参加型のシティプロモーションの実現に向けた、各種記念事業を展開するとのことだが、「いばライフ」、「リノベのいばらきプロジェクト」等について、具体的にどのような取り組みなのかわからない。市民参加型というのであれば、4人に1人が65歳以上の本市において、もっとわかりやすい取り組みや表現にしてはどうか。

本市が実施する事業のネーミングについては、若い世代にも共感できるように創意工夫を凝らしている。お知らせにあたっては、わかりやすい表現を心がけ、各世代の多くの市民の参加、参画が得られるよう配慮していく。

 

第5次総合計画の課題分析を

第5次総合計画の進行管理について、評価、分析がなければ意味はない。PDCAサイクル(Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字を並べた言葉で、「P→D→C→A」のサイクルを繰り返すことにより、継続的に業務を改善していく手法)に従い、徹底した課題の分析をしてはどうか。また、事務事業の見直しは担当部・課だけでなく、企画担当者の参画が必要ではないか。

これまで施策評価を踏まえた実施計画の策定等、本市のマネジメントサイクルの確立に向けた取り組みを進めてきた。第5次総合計画及び事務事業の見直しについても、引き続き、施策評価の実施、課題等の整理とあわせ、その評価を踏まえた政策推進や行財政改革の視点に立った、より実効性のある取り組みについて、企画・財政部門と担当部門が連携し、適切に対応していく。

 

渋滞ゼロへの取り組みは

渋滞ゼロを目指すため、国や府との協議や、交通量調査を行うとのことだが、渋滞が常態化している国道171号沿いでは、新駅や物流センター等が開業する中、この内容では、取り組みとしては不十分と考える。平成30年度中に解消を要する箇所のリストアップと優先順位をつける必要があるのではないか。

新名神高速道路や茨木松ケ本線の供用開始による交通量等の変化を把握し、国、府、警察等と課題箇所のリストアップや優先順位も含めて検討するため、一定の時間を要する。また、渋滞原因の多くは国道、府道によるものであるため、引き続き、国、府へ要望していく。

 

地域医療の確保を

地域医療の確保を図るため、地域医療支援病院としての承認を受けた医療機関に対し、必要な設備等の整備に係る経費の一部を助成するとのことだが、市内に地域医療支援病院は何か所あるのか。また、必要な設備等の整備とは、ICU(集中治療室)のことなのか。

現時点において、市内に地域医療支援病院は存在していない。助成の範囲となる設備の整備とは、地域医療支援病院としての承認に必要なICUの設置及び設置に伴う改修工事や医療機器等のことである。

 

日本共産党

大嶺さやか〔質問者〕

朝田 充、畑中 剛

中学校給食の実施方式は

中学校給食のあり方について、教育委員会が取りまとめを行ったが、中学校給食は直営実施とすべきであり、その実施方式は、学校での単独調理場方式や、親子方式(小学校の給食調理場で調理した給食を、中学校に搬送する方式)が望ましいと考えるがどうか。

中学校給食の直営実施は考えていないが、単独調理場や親子方式での実施については、現時点において調査、分析はしていない。今後、効果的な行財政運営かつ、より豊かな学校給食を提供するため、いずれの実施方式が望ましいか検討していく。

 

高齢者対象バス運賃補助導入を

介護保険事業について、介護保険事業特別会計からの歳出を財源とし、介護予防を目的とする高齢者対象のバス運賃補助制度を研究し、導入を検討してはどうか。

高齢者対象バス運賃補助制度については、地域の特性や介護予防事業としての効果等を考慮し、また、先進的な自治体の事例等を参考に、研究していく。

 

農業施策の取り組みは

農業施策について、鳥獣被害には一定の充実が図られているが、本市では、猟友会と地元飲食店が協力し、ジビエを積極的に活用している。資源の有効活用や地元産業振興という観点からも、対策の充実を求める。また、農業を守るという点で、種子法(正式には主要農作物種子法。主要農作物の優良な種子の生産及び普及を促進するため、種子の生産について、ほ場審査その他の措置を行うことを目的とする法律)が廃止されるが、茨木由来の農産物を守る取り組みと、府へ大阪産の品種を守るための取り組みの条例化を求めてはどうか。

ジビエの活用については、地元飲食店や猟友会などの関係機関と意見交換をしながら研究していく。また、本市の三島ウドは、府のなにわの伝統野菜認証マークの使用を認められているほか、新たな担い手となられた生産農家に青年就農給付金を交付している。なお、条例化については、府において対応を検討中であるため、今後も府の状況を注視していく。

 

民進ネット

稲葉 通宣〔質問者〕

安孫子浩子、友次 通憲

地域共生社会実現への見解は

「我が事・丸ごと」の地域共生社会の実現に向けての取り組みにあたっては、共生を実現するために、差別の解消は不可欠と考えるがどうか。

地域共生社会の実現と差別解消については、一人ひとりの人権が尊重され、共に生きるまちづくりが重要であることから、地域共生社会の実現に向けて、あらゆる差別の解消に努める必要があると考えている。

 

ラストマイルの移動支援を

65歳以上の運転免許証自主返納者に対し、バス等の公共交通機関で利用できる共通乗車カードの購入費用を補助するとのことだが、公共交通の降車地点から自宅までの距離(ラストマイル)が遠く、また、道のりが険しい市民に対しては、どのようなケアを考えているのか。

運転免許証返納後の高齢者等については、最寄りのバス停や商業施設、医療施設等への近距離移動も困難となるため、移動支援のニーズは増えていくと考えている。今後、高齢者や公共交通が不便な地域の方への移動支援について、地域住民と協議しながら、検討していく。

 

学校の大人用トイレを洋式化に

小・中学校のトイレを改修していくということであるが、大人用トイレも利用しづらい環境にあると聞いている。妊娠中や病気・怪我療養中の教職員、また、各種イベント時での高齢者の利用等、配慮が必要な場合も多いことから、大人用トイレの積極的な洋式化、多目的化を推進すべきではないか。

大人用トイレの洋式化、多目的化については、現在、児童・生徒用を優先して整備を進めているところであるが、これらについても、順次、整備をしていく。

 

公明党

松本 泰典〔質問者〕

大村 卓司、青木 順子、河本 光宏、篠原 一代、坂口 康博

地域医療・救急医療体制の充実を

地域医療支援病院として承認を受けた医療機関への補助制度が創設されるが、当該病院の果たす役割は何か。また、市がめざす医療については、どのように考えているのか。

地域医療支援病院は地域医療の核となるものであり、身近な地域で医療を提供することが望ましいことから、かかりつけ医等への支援を通じて、地域医療の確保を図る拠点になると考える。また、市民の健康と安全・安心確保のため、救急医療等の包括的な地域医療体制の充実が必要である。平成30年は現状把握と課題分析を行い、必要な施策を検討していく。

 

待機児童問題の解消は

最重要課題として取り組んできた待機児童問題について、国の改革の流れも注視しながら、引き続き、全力で取り組むとのことだが、これまでの取り組みの成果と課題、さらなる具体策はどのように考えているのか。

保育の受入体制の確保に取り組んだことにより、待機児童数は着実に減少したが、国からの新たな待機児童解消プランに対応するため、整備計画等を見直し、私立認定こども園等の計画的な建て替え工事を進め、企業主導型保育施設とも連携を図っていく。また、女性就業率等による保育利用率の上昇が予想されるため、必要な保育受入体制の確保方策を検討し、待機児童解消に努めていく。

 

高齢者ドライバーへの対応は

高齢者の交通事故防止のため、65歳以上の運転免許証の自主返納者に対し、公共交通機関で利用できる共通乗車カード購入への補助は評価するが、さらなる取り組みを進めるため、デマンドタクシー(予約制の乗合タクシーのことで、予約に応じて自宅と目的地の間を、複数の人が乗合運行するシステム)等を検討してはどうか。また、高齢者ドライバーへの安全教育に力を入れるべきではないか。

新たな移動手段導入には、利用者の利便性向上等が重要であり、地域住民とともに、高齢者の移動の課題に合った施策について、デマンドタクシーも含めて検討していく。また、安全教育については、現在、高齢者施設等での講話が中心であるが、技能講習の実施も検討していく。

 

設備投資に係る固定資産税特例を

本市の中小企業活性化のため、ものづくり補助金等の優先採択を受ける条件となる、生産性向上措置法に基づく導入促進計画を策定することと、先端設備等導入計画の認定を受けた設備投資に対し、固定資産税の特例率をゼロにする条例を策定すべきと考えるがどうか。

生産性向上特別措置法に基づく条件を満たせば、国の補助金等が優先採択される対象となり、市内中小企業への設備投資支援や生産性向上の後押しが可能となるため、本法律の施行に合わせ、速やかに、基本計画策定及び固定資産税の特例措置を講じる必要があると考える。

 

中学校給食の今後のあり方は

中学校給食について、家庭の状況等により、栄養バランスの取れた昼食を食べていない生徒がいる現状等、さまざまな事例も踏まえ、教育委員会で一定の考え方がまとめられた。それに基づき、今後のあり方について、検討を進める考えを示されたが、今後、全員喫食になると考えてよいのか。

教育委員会において、全員喫食が望ましいと示されたため、本市の現状における各給食実施方式での実現可能性や経費等について、より正確に試算するため、現地調査も含めた調査、分析を行う。なお、現時点で実施するとは言えないが、今後のあり方について検討していく。 

 

鉄道駅ホーム柵の設置促進を

駅利用者の安全対策のため、JR総持寺駅に続き、鉄道駅ホーム柵の整備に対する支援が実施されるが、本市には利用者の多い駅が複数有ることから、順次設置を望むが、今後の計画の見通しはどうか。

大阪モノレールでは、平成30年度からホーム柵設置に着手され、本市では南茨木駅から順次、設置予定である。JR、阪急においては、事業費が多大となるため、利用者の多い駅から整備していく予定であり、本市既存駅の整備時期は未定であるが、今後も引き続き、鉄道事業者へ早期整備を要望していく。