平成30年度「『次なる茨木・グランドデザイン』について」

更新日:2021年12月28日

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日時・場所

1.日時

平成30年10月31日(水曜日)午後7時~8時30分

2.場所

茨木市役所 南館8階中会議室

出席者・テーマ

1.出席者

市内企業若手従業員の皆さま

高石工業株式会社 3名

日東電工株式会社 茨木事業所 4名

茨木市

福岡市長、上田市民文化部長、岸田都市整備部長、福井都市政策課長、砂金都市政策課参事、向田市民会館跡地活用推進課長、古谷公園緑地課長、杉浦都市政策課職員、北冨都市政策課職員

2.テーマ

「『次なる茨木・グランドデザイン』について」

 

ミーティングの概要

福岡市長と高石工業株式会社及び日東電工株式会社の若手従業員7名の皆さんで、中心市街地のまちの将来像である「次なる茨木・グランドデザイン」について、タウンミーティングを実施しました。

 

若手従業員の皆さんには中心市街地の位置、特徴や課題、市民会館跡地エリアの活用構想や元茨木川緑地リ・デザインなど、テーマに関する事前説明を受けたうえで、参加していただきました。

 

ミーティング当日は福岡市長進行のもと、座談会形式にて行いました。

 

 

<茨木市について日ごろ感じていること>

日東電工Aさん:茨木市在住の私は、結婚する前は梅田までよく出かけていました。現在は子どもが二人いますが、子どもができてからは、イオン等の近場で済ませることが多くなりました。しかし、それでよいと思っています。無理に茨木ですべてを完結させる必要はなく、今ある良さを押し出してみてはどうでしょうか。茨木はカフェなど、地元に根付いた素敵なお店が多いです。私は一人でカフェに行くこともあるのでもっと増えてほしいですね。

市長:子どもが二人いる中で、どうやって自分の時間を作っていますか?

Aさん:家事は夫と完全分業制にしています。そうして生まれた一人の時間は限られているので、わざわざ遠出せずに茨木で過ごしています。

笑顔で話す女性従業員

 

日東電工Bさん:私は他県出身ですが、茨木市は十分に都会で、麦音フェストのようなイベントも多いのでこれ以上は望みません。また、北部は自然が豊か。安価で利用できるキャンプ場もあるので、市の中心部の人々がもっと簡単にアクセスできる仕組みがあればいいのではないでしょうか。日帰りでキャンプを楽しんだり、気軽に自然を感じられるようになります。現在はバーベキューができるところも少ないですよね。

市長:「バーベキューができる場所が欲しい」とは若い人を中心によく言われますね。里山センターの無料バーベキューコーナーを利用していただければ。

 

日東電工Cさん:普段の生活を考えると、あまり茨木で活動はしていません。居酒屋は多いけれど、平日に飲みに行くことはあまりなく、女性が一人で入れるようなごはん屋さんは限られていて、少なく感じます。土日は友人とイオンや京都に行くこともあります。

市長: イオンで遊ぶ友人はどこから来るんですか?

Cさん:京都や吹田からですね。他にも河原町まで遊びに行くこともあります。茨木のイオンは駅から少し遠いので行きづらいですけれど、ごはんを食べたり映画を観たりしています。

 

高石工業Dさん:私は他市に住んでおり、茨木市をよく知りません。買い物は梅田や河原町、車に乗って枚方市のくずはモールや枚方T-SITE(いずれも商業施設)へ出かけることもあります。くずはモールはいい感じの店がそろっていますし、T-SITEではスターバックスでコーヒーを購入すれば、蔦屋書店の本が一日読み放題になります。

市長:普段のT-SITEでの滞在時間はどれくらいでしょう?

Dさん:ずっと本を読んでいるわけではなく、お店を見て回ったりもしますが、だいたい半日くらい。本屋と公園が一緒になった施設が茨木市の中心市街地にできれば、通いたいですね。

市長:平日、仕事終わりはどう過ごされていますか?

Dさん:阪急茨木市駅から最寄りの駅まで、寄り道せずに帰っています。

市長:阪急茨木市駅の中に本屋さんが入っていますが、そこには寄りませんか?

Dさん:寄ってないですね。本屋さんがあるのを知らなかったです。

話す男性従業員

 

高石工業Eさん:仕事で車に乗ることが多いのですが、中央環状線や国道171号、さくら通りの交通渋滞が気になりますね。

市長:産業道路(府道大阪高槻京都線)が変わらないといけないと思い、国や大阪府と連携してなんとかしていかないといけないなとは思っています。さくら通りではどのあたりの渋滞が特に気になりますか?

Eさん:新庄橋跡のあたりですね。それから、茨木インターチェンジ付近や北摂つばさ高校前なども渋滞が多いです。

 

日東電工Fさん:南茨木はコンパクトで、本屋さんやおいしいごはん屋さんもあります。しかし、普段は梅田まで働きに出ているので、私にとって茨木市はベッドタウンとなっており、事前説明会では「茨木市についてなにも知らないな」と感じました。私のように茨木市がベッドタウン化している市民は多いはずです。私にはこのミーティングが茨木市を知るきっかけになりましたが、どうすればそういう人たちに茨木市の良さを知ってもらえるのでしょうか。定年になった後、自分の住むまちを知らないのは少し寂しいように思いました。できるなら今のうちから地域を知り、イベントなどに参加してみようと思いました。

 

高石工業Gさん:私は他市在住で、実家は他県の田舎。そんな私からすれば、茨木市は栄えている印象を受けます。休日には友人と会う以外にも外に出る機会が欲しいと思っています。住んでいる市では子育て世代がメインのイベントが多く、若者や独身向けのイベントが少ないです。そういうイベントが増えると、学生が就職するのをきっかけに茨木に住んでもらえるんじゃないかと思いました。

また、サークルを調べてみたら、梅田と比べるとどうしても少ないなと感じました。

市長:どんなサークルがほしいですか?

Gさん:運動不足なので、中学生時代に経験がある卓球ですかね。体育館は茨木市にたくさんあるのでそういうのが増えればうれしいです。

市民文化部長:茨木市にも卓球サークルはありますよ。ただ、年齢層は高いかもしれませんね。

大きな身振りで話す従業員

 

都市政策課若手職員H:私から見て、大都市は中心地だけで盛り上がっているように感じることがあります。その点茨木市は、「イベントをやっているな」というのが感じられるちょうどいい規模だと思います。また、茨木市は駅前等に客引きが少ないのもいいですね。中心市街地の開発が進んでも、繁華街ではない方向へ進んでほしいなと思います。それと、仕事帰りに腰かけられるような、ひとりで落ち着ける場所が欲しいですね。

 

都市政策課若手職員I:私もくずはモールやT-SITEに行きがちですね。感じが良いので。くずはモールにはそこにしか入っていないテナントもあるので、そういう独自性を求めている気がします。また、最近は梅田に行くと人が多くて疲れるので、ちょうどいい場所を求めているような気がします。そういう意味だとイオンは素晴らしいのですが、茨木市ではほかに選択肢がないので、イオンを選んでしまっているという側面はあるのかもしれないです。そこで、少しずらしてくずはモールに行ってしまうのかと。そういうこともあり、麦音フェストのような、大人も子どもも楽しめるイベントは大切にしていくべきだと思います。

 

市長:弁護士だった当時に住んでいた大阪市と比べると、茨木市は子ども向けのイベントが多く、お金もかからない。運営についても、プロではなく市民や学生が行っているものが多いので手作り感があり、親近感を感じられる。大阪市内のイベントになると、専門業者が行っているのでクオリティと金額が上がる分、市民同士のコミュニケーションは少ないように感じます。また、事前説明会では「市民会館跡地付近をなんとかしたい」という話を聞いたかとは思いますが、私自身は、目的なくゆったりできる場所があるべきだと考えています。なぜ市の中心にそんな場所が必要なのかというと、JR茨木駅と阪急茨木市駅は距離が遠すぎるので、それらをつなぐという意味で必要だと思うからです。

 

市民会館跡地活用推進課長:イオンが素晴らしいという点には同意します。しかし、この先長く住むことを考えると、もっと違った価値観が必要なんじゃないかという思いもあります。明確な答えはなく、それぞれの過ごし方があるのは理解していますが、その上で市民会館の跡地活用を考えています。

若手従業員の話に耳を傾ける市長

 

<今、欲しいものについて>

市長:話を変えてみましょう。みなさんが今欲しいものはなんでしょうか?

日東電工Aさん:大人が楽しめるような大きな本屋さん。イオンにある中規模程度の本屋さんでは物足りません。茨木市がベッドタウン化している人はわざわざ仕事帰りにイオンまで行くとも思えないので、JR茨木駅前を有効活用するという意味でも、大きい本屋さんが欲しいです。

 

日東電工Cさん:近所には小さい公園しかないので、バーベキューができるような場所が欲しいです。中心市街地に公園ができれば、本を読むことができます。大人がゆったりできる公園が欲しいです。

市長:グラウンドを芝生にするとか?

Cさん:いいですね。そんな感じでカフェと本屋さんもあれば、大人も行くのではないでしょうか。

 

高石工業のDさん:なぜイオンじゃなくT-SITEに行くのか考えてみた結果、非日常を求めているのではないかと思いいたりました。本屋やカフェがあるだけというのは少し違いますかね。

 

日東電工Bさん:茨木をホームタウンとするスポーツチームが欲しいです。難しいとは思いますが、野球チームだと喜ばしいですね。市民が愛着を持ったり、盛り上がる要因になると思います。

市長:立命館大学でホッケーの国際大会があったことはご存知でしょうか。日本が勝ったときには観客も一体となって盛り上がりましたよ。立命館大学には国際規格に対応したホッケー場があり、東京オリンピックに向けて、茨木市はオーストラリア女子ホッケーチームのホストタウンとしておもてなしをしています。こういうことを知らない市民も多いので、約28万人いる市民にどうやって情報を伝えていくか、課題の一つですね。

 

日東電工Fさん:JR茨木駅から阪急茨木市駅までの距離を短く感じられる工夫」が欲しいです。実際の距離を縮めることは無理だと思うので、「何かを見ながら歩いていたら目的地に着いてしまっていた」「食べ歩きをしていたら着いてしまった」といったような、なにか錯覚を起こさせるような工夫があればいいなと思います。

話す男性従業員

 

<ワークライフ・コミュニティ・バランスとサードプレイスについて>

市長:最後に、私から皆さんに聞いてみたいことがあります。「ワークライフ・コミュニティ・バランス」。行政目線からだと「日ごろから近隣の人々とつながりを持っておきましょう」というような意味になります。また、「サードプレイス」という言葉もあります。仕事と家庭の往復から解き放たれた第三の場所こそサードプレイス。このふたつのワードについてどう思うか、教えていただけますか?

 

高石工業Dさん:大阪に来て2年ほど経ちますが、新しい友人はいませんし、コミュニティにも属していません。気が合う人がいれば自然と仲良くなることはあるかと思いますが、自ら積極的に人とつながっていこうとは思わないですね。

市長:ワークライフ・コミュニティ・バランスが大切だと言われたらどう思いますか?

Dさん:人によりけりだと思います。大切だとは思いますが、私にとっては、今は重要ではありませんね。

市長:近所付き合いはどうですか?

Dさん:近所の方にあいさつしても、そっけなくされることが多いですね。つながりは薄いです。

話す従業員と聞く従業員

 

日東電工Cさん:災害のとき、一人で家にいると怖かった。助けてくれる人がいないと感じました。地域の活動に参加してみようと思うこともありますが、行動には移せていません。

 

日東電工Bさん:3年前の引っ越しをきっかけに、自治会に入りました。地域のみこしや運動会など、昔は煩わしかったのですが、今ではすごく楽しみになっています。都市部なのに、こういうコミュニティを維持できているのはすごい。これからも参加し続けたいと思います。

 

日東電工Aさん:地震のときに夫が出張でいない中、それまであいさつ程度の関係だった近所の方々が声をかけてくださり、「この地域に住んでよかった」と思いました。地域のイベントは、必要に応じて参加していくというスタンスで、無理せずコミュニティを広げていこうと思います。

 

高石工業Gさん:サードプレイスとして、サークルを探しています。山登りの社会人サークルを見つけ、先日参加してきました。年齢層は私よりも少し上でしたが、いろいろな仕事や生活の話を聞くことができてよかったです。

 

高石工業Eさん:私にとってのサードプレイスはダーツバーです。常連客とも仲良くなり、人とのつながりも増えました。

 

市長:「人生100年時代」と言われていますが、仕事を辞めてからの数十年をどうするのか。いろいろな場所に知り合いを作っておくべきだと思います。一人でゆったりする時間も必要ですが、いろいろなつながりや偶然の出会いが生まれるような仕掛けをまちでつくっていきたい。また、高度経済成長期を経験した人々はいわゆる「もの重視(消費)」ですが、今回のミーティングに参加してくださった40代以下の方々は「こと重視(消費)」が多い傾向だと言われています。茨木市を「こと重視」の価値観に対応できるまちにしていきたいと考えています。今回のミーティングでは、普段声を聞けない方々とお話ができたので、非常に意味のあるミーティングになったと思います。皆さんにとっても、茨木市について考えるきっかけになればいいなと思っています。