香害(化学物質過敏症)
更新日:2021年12月15日
香りには、癒しやリラックス効果があり、香りを楽しむために柔軟剤などを使用している人も増えているようです。
しかし、香りの好みや感じ方には個人差があります。自分の好きな香りは心地よさをもたらしますが、周りには、その香りが苦手な人や強い香りに感じる人、頭痛や吐き気などの体調不良を引き起こす人がいる可能性があります。
香害や化学物質過敏症の正しい理解と、適切な配慮をお願いします。
香害(こうがい)とは
「香害」とは、合成洗剤や柔軟剤、化粧品類などに含まれる合成香料(化学物質)の香りによって、不快感や様々な健康被害が生じることをいいます。
近年では、香害が原因となる「化学物質過敏症」を発症する人もいます。
化学物質過敏症とは
化学物質過敏症とは、通常であれば症状を出さないような微量な生活環境中の化学物質に反応して、自律神経系や精神神経症状をはじめとする様々な症状を訴える病態であるとされています。特に、嗅覚過敏症(においに対する反応)が特徴的で、大多数の症例に認められます。
過去にある程度の量の物質にさらされるか、または微量の化学物質に繰り返しさらされることで発症し、いったん過敏症になると、その後ごく少量でも同系統の化学物質にさらされると過敏症状をきたす場合があり、アレルギー性と中毒性の両方にまたがる疾患、あるいはアレルギー反応と急性・慢性中毒の症状が複雑に絡み合っている病気であるとも考えられます。
実際に健康影響を訴える方がいるにも関わらず、病態や発症メカニズムなど未解明な部分が多く、治療法や予防方法はよくわかっていないとされています。そのため、いつ、誰にでも突然発症するリスクがあり、はっきりと診断されるまで時間がかかったり、周囲から理解されずに苦しむ人も多い病気です。
(参考)厚生労働省長期慢性疾患総合研究事業アレルギー研究班「化学物質過敏症~思いのほか身近な環境問題~」
主な症状
- 嗅覚過敏
- 目、鼻、のどの刺激症状や痛み
- 皮膚の紅斑、かゆみ
- 頭痛、集中力の低下
- めまい
- 吐き気
- 動悸
- 全身の倦怠感
- 不眠
- 便秘
- 筋肉痛、関節痛 など
どのような化学物質にどれくらいの期間さらされると症状が出るかには個人差があります。
これらの症状が原因が不明なまま続く場合には、化学物質過敏症の可能性があります。当てはまる症状が多い場合は、医療機関に相談しましょう。
どのようなものに反応を起こすのか
- 香料などを含む洗剤、柔軟剤、芳香剤、消臭剤、たばこなどの日用品や化粧品
- 殺虫剤や虫よけスプレー、農薬
- 接着剤や塗料、住宅建材
- 排気ガス暖房等の燃焼ガス など
どの合成香料(化学物質)に反応するかは個人差が大きいです。
対処法
確実な治療法や予防方法が確立していないため、原因となる化学物質を避けることが、最も有効な対処法といわれています。適度な運動・食事・休養をとり、精神的なストレスを避けてよい健康状態を保つようにすることで、症状の軽減や、発症の予防につながる場合があります。
化学物質過敏症の方の相談窓口など
特定非営利活動法人化学物質過敏症支援センター
<外部リンク>https://cssc4188cs.org/
化学物質過敏症の一般的な知識や情報、生活面での対処法やお悩みの相談ができます。
相談専用電話:045-663-8545
相談受付時間:毎週水・金曜日(祝日を除く) 10:00~12:30 13:30~16:00
私たちにできること
- 香りつきの洗剤や柔軟剤、香水、整髪料などを使用する場合は、過度な使用量にならないようにしましょう。
- 公共の場など人が集まるところでは、化学物質過敏症を誘発するような香料の使用を控えるなど、周りの人に配慮して使用しましょう。
- 殺虫剤、虫よけスプレーなどは、周囲の人に飛び散らないように注意しましょう。
- 自分にとって快適な香りでも、不快に感じる人や体調を崩す人がいるということを認識しておきましょう。
- 香害や香料エチケットなどの社会的理解が必要です。

- この記事に関するお問い合わせ先
-
茨木市 健康医療部 健康づくり課(保健医療センター)
〒567-0031
大阪府茨木市春日三丁目13番5号
電話:072-625-6685
ファックス:072-625-6979
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