2月24日 市の特産物「三島独活(うど)」の収穫が最盛期を迎える

更新日:2021年12月15日

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独活を収穫する中井大介さん
採れたての独活

市の特産物で、「なにわの伝統野菜」に認定されている『三島独活(うど)』の収穫が、市北部にある千提寺地区の独活農家、中井大介さん・優紀さんの「独活小屋」で最盛期を迎えています。
まだ冬本番の寒さが残る市北部地域。うす暗い独活小屋の中で、太さ1~5センチ、長さ60~70センチの独活を一本ずつ根本から切り採る大介さんは「今年は気温の寒暖差が大きく温度調整に苦労しましたが、甘みのある独活が元気に真っ直ぐ育ってくれました」と話しました。
江戸時代天保年間から市内山間部を中心に栽培されてきた三島独活は、栽培に手間がかかることなどもあって、長年後継者がいない状態が続きましたが、平成27年に千提寺地区出身の中井大介さんと妻の優紀さんが栽培を引き継ぎました。
三島独活の栽培は、独活小屋(6メートル×12メートル)の中にすき間なく植え込んだ根株の上に、わらと干し草を積み重ねて発酵させ、その熱で独活に春が来たと勘違いさせて育てる「上室(うわむろ)栽培」で行っています。環境への負担がなく自然に優しい農法ですが、気候や温度など自然環境の影響を大きく受けるなど、栽培には多くの労力を要します。この伝統農法で栽培を行っているのは、現在中井さん夫婦だけだそうです。
三島独活の特徴は、口当たりはやわらかいが、シャキッとしたその歯ごたえにあります。一般的な軟白うどに比べて、色が白く、香りも良く、外側の皮は春の季節を感じられるさわやかな風味で、根本の太い部分は甘みが強くフルーティな味わいです。外気に触れないため、あくも少なく、その良好な風味を生かして酢のものやサラダとして生で食べられるほか、すき焼きや天ぷらにしても美味しいとのこと。
収穫は3月下旬まで行われ、約650キログラムが出荷される予定です。例年は大阪の料亭などへの出荷が多いですが、新型コロナウイルス感染症による営業時間短縮などの影響が心配されます。ただ、こうした状況の中で力になりたいという方からの応援は多く、インターネットによる直接販売の予約は殺到しているそうです。